2020年4月4日土曜日

捨てたい文書、出したい文書

こんにちは、日向です。


東京都立高校の学校図書館で起きた偽装請負事件に関連して、当時の委託関連の資料を東京都に情報開示請求したところ、

目的の資料の大半は、すでに廃棄されていたことを、先日、当ブログでレポートしました。

3年で公文書廃棄する都立高校

本日は、そのつづきです。








まずは、先日開示されました荻窪高校の資料に2015年度分がなかった件について、

後日、担当の高等学校教育課に説明を求めたときの一問一答を公開しておきます。



--3年廃棄の基準はおかしいのでは?

荻窪高校の2015年度契約文書は、高校独自の決裁文書なので、高校独自の文書保存基準に従って廃棄した。

--委託契約書や仕様書も含まれているが、それは高校独自の決済文書ではないのでは?


それらについては、(経営指導)センターの決済文書なのでセンターの独自基準で廃棄した。文書には、それぞれ決済した部署で独自の基準があり、それにしたがって廃棄している。


--だとすると、不履行のあった2015年度で一部西部センターが昨年11月に開示した委託費減額関連の書類は、すでに3年経過しているので、センターの文書保存基準では廃棄して出せないはずだが?

それについては、ちょうど西部で廃棄前の実務作業の前後で現物が存在していたため特例的・例外的に開示しただけのこと。

--荻窪高校や農芸高校など大規模な不履行のあった中部センターも、実は廃棄されていたのだとしたら、本来の基準にのっとれば、開示された西部センターの分も本来は開示はされるべきではなかった書類?


そうだ。

--ということは、中部センターが農芸高校や荻窪高校の不履行分を減額していないとビジネスジャーナルの記事に書いたが、

本当は、減額したけれども資料を開示しなかっただけなのか? だとしたら、ビジネスジャーナルの記事は誤報なのか? こちらは何度もその点はしつこく確認しているのに?

いや、当時、中部は減額しなかったと聞いている。

--3年で経理関係の文書を廃棄してもいいのか? われわれは税務署から5年は帳票を保存する義務を課せられているが?

契約関係なので問題ない





綻びがみえる説明



昨年、国政でも、桜を見る会の招待者にかかわる資料が各省庁で次々と廃棄されていることが判明して世間を呆れさせたのはまだ記憶に新しいところですが、

東京都政、それも教育現場を指導する都教委でも、公文書が短期間に廃棄されている事実は、この期に及んでもまだ、オモテにでると都合の悪い情報は、徹底して隠蔽しようとしているかのように思ってしまいます。

ポイントは、以下の3点です。


1.部署ごとに廃棄基準は異なる 

2.偽装請負という不法行為があった現場の資料がすでにない 

3.3年経過して廃棄されたはずの分が一部開示されている

 都教委の説明に、明らかな綻びがみられるのが、3です。

一方では、3年で廃棄しておいて、同じ3年経過している文書でも、自分たちがみせたい情報については、一部開示しているのです。

それは、不履行が起きた2015年度分について、受託企業が委託費を開館できなかった日数分だけ返金したことを示す資料です。


適正に処理した

と、自分たちの責任逃れのために、わざわざ3年経過で廃棄されているはずの文書を公開したのではないのか

と思ってしまいます。


「ちょうど西部で廃棄前の実務作業の前後で現物が存在していたため特例的・例外的に開示しただけのこと」

と釈明されていますが、

こういうのを、世間では 

ご都合主義

と呼ぶのではなでしょうか?

そう言うと、次回からは、

適正に処理はしたけれど、その証拠となる文書はすでに廃棄した

と言い出すのではないかと、不安になります。



こうした都教委の姿勢について、ある図書館関係者は、こうコメントしてくれました。


「高等学校教育課から公式の回答は虚偽であろうと思います。 

文書管理は、都独自で決定できるものではなく、
ましてや、都立高校 が独自に保存基準を決めれるものではありません。 

そんなことをやれば、同じ文書でも某高校は3年保存、某高校は5年保存、某高校は1年になります。 

また、教委本庁は10年保存、センターは5年保存で、ある高校は3年保存になります。 

そんなバカげた行政はありません」


この方が指摘されるように、本来、統一した保管基準があるべきなのに、部署ごとに独自に基準を決めていい

となったら、不祥事が起きた事案の文書は、どこの組織でも、最短の保存年限のものに分類するでしょう。


ツタヤ図書館を誘致した自治体でも、公文書の保存年限については、事実を知るための大きな障害になっています。

そこをなんとかして突破しないことには、いったい、現場でなにが行われていたのかを詳細に検証することができません。

われわれに残された手段は、開示されたもののなかから、根気よくジグソーパズルのピースをつなげて、全体像がうかびあがらせるしかありません。


【関連記事】

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荻窪高校で何が起きていたのか?














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