2019年10月1日火曜日

官民連携の空箱図書館

こんにちは、日向です。

先日に続きまして、和歌山市再開発関連の記事がさきほどリリースされました。

2019.10.01

税金94億円投入、和歌山市ツタヤ図書館誘致メンバーに国交省関係者がずらり…必要性を無視


おかげさまで、今回は、昨年秋に『黒塗りの図書館』としてスタートしました一連の調査報道の最終回で、

一応、再開発関連については、これをもって一区切りがつきました。(いくつか積み残ししたネタがありますので、今後、番外編はあるかもしれませんが、本編は終わりました)

取材にご協力いただいた方、続けてお読みいただいた読者の方には、改めてお礼申し上げます。


さて、最終回となりました今回の記事の注目点は、やはり、国土交通省とRIA、CCCを結ぶトライアングルです。


総事業費123億円、図書館建設費含めて公費94億円投入という駅前再開発プロジェクトの影の指揮官は、国=国土交通省ではないのかという仮説を提示しています。

その傍証のひとつとして示しているのが官民の“人事交流”です。

「天下り」の一方通行だった時代とは大きく異なるのは、双方向、つまり、民間企業の社員が国に出向する「天上がり」もあること、さらに、国の政策を決定する検討委員会の場に、明らかに利害関係者とみられる民間企業の幹部が名を連ねていることを挙げました。

記事に掲載している画像が小さいので、ここに再録しておきます。






巨額の税金に群がる人たち



中身がなく、作っただけで人も集まらないハコモノ行政にたいする批判が年々高まるなかで、「コンクリートで儲ける人たち」が利用しようとしたのがTSUTAYA図書館だったという、プロジェクトの“あしあと”がくっきりと浮かび上がってきました。

一方で、TSUTAYA図書館を作りたいCCCサイドからみたら、代官山蔦屋書店を手掛けたRIAと国交省の力をテコにして、地方都市のターミナル駅に、自己負担ゼロ円で自社の新業態店舗の進出を果たしたわけですから、さぞや笑いが止まらないことでしょう。


しかし、それらの事象を反対側にいる市民サイドからみたとき、それだけの巨費を投じて完成する市立図書館は、果たしてどのような意味を持つのかに対する答えが、すでにみえてしまっているのが「ツタヤ誘致自治体の悲劇」です。

本文で紹介した武雄市市民の方のコメントを引用しておきましょう、



「来館者の大半は、SNSで話題になっている図書館がどんなものかと、県外から物見遊山で来られる人たちです。

福岡から電車でも高速バスでも1時間ちょっとというアクセスの良さが功を奏して観光客は増えましたが、経済効果の実感はほとんどないですね。 

賑わっているのは館内のCCC店舗と、近隣の“ゆめタウン”だけ。駅前など周辺への波及効果はありませんでした。

一方で、昔から通っていた人たちは、中身のない図書館には寄り付かなくなったので、多額の税金を使った意味は、いったいどこにあったのかと、いまさらながら疑問に思います」


SNSで「素晴らしい図書館」と絶賛されている光景の中心にあるのは、本物の本ではありません。

それが中身がカラッポのダミーであることに気づいたとき、誰もが、あの巨額の税金は、いったいどこに溶けていったかと疑問に感じることでしょう。

よろしくお願いいたします。



『黒塗りの図書館』シーズン3へ へつづく

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