『黒塗りの図書館』もうすぐ最終回

こんにちは、日向です。

とってもマヌケな話ですが、今朝起きてなにげにビジネスジャーナルをみていたら、自分の記事が出ていることに気づきました。

2019.09.24

ツタヤ図書館含む再開発に税金94億円…コンサル会社が和歌山市と南海電鉄と同時期に契約、利益相反か

8/31にリリースされました以下の記事の続編で、全体で３本構成の2本めです。

和歌山市、「94億円税金投入」ツタヤ図書館含む再開発に疑惑浮上…地元企業が次々廃業の恐れ

てっきり、都立高校・偽装請負の第三弾が先に出るものと思っていたところ、先月末に続いて、一時お蔵入りになっておりました、こちらの記事を出していただいたようです。



今回の記事も、当ブログをいつも読んでいただいている方であれば、「ええっ、コレはなんだ！」と驚くようなネタはないのですが、


昨年秋から、コツコツと積み上げてきた事実を、改めてつづきものの記事として、まとめたものです。


注目していただきたいのは、やはり

国土交通省の関連団体である全国市街地再開発協会と、代官山 T-SITE プロデュースで有名なコンサルタントのアール・アイ・エー（RIA）との不思議な関係ですね。


南海市駅の再開発計画の全体像を描いたのは、CCC御用達のRIAであることは早くからオモテに出てきていましたが、

そのコンサルタントが、ただの一度も行政による公平公正な審査を経ることなく、ずうっと、このプロジェクトの中心に座り続けているのです。

掲載された記事中の図表がやや不鮮明でしたので、改めて以下に張り付けておきます。（クリックすると拡大します）

そして、ツタヤ図書館誘致についての決定的な証拠となるのが、当ブログでも過去に何度か取り上げてきた

『和歌山市　まちなかエリア　公共施設の課題整理と再整備の方向性について』（2014年9月発表）です。

市駅前再開発プロジェクトの目玉として、あるとき突然、浮上したのが市民図書館の移転でした。

これを作成したのは、全国市街地再開発協会の下請けで入っていたRIAです。

和歌山市駅の再開発の方向性を決定づけたこの文書を、当時、南海電鉄とコンサルタント契約を交わしていたRIAが作成していたという事実は、

利益相反

と指弾されてもおかしくない行為です。

RIAは、和歌山市にとって最適な計画を立てるふりをしながら、実は、南海電鉄やあるいは、このプロジェクトの陰に隠れている利害関係者に有利な計画を立てたのではないのかと疑惑の眼を向けられかねない状況がみえてきました。



そもそも、いったい、どういう経緯で、市民図書館の移転という話になったのかを知るために、昨年夏、和歌山市に情報開示請求して出てきたのが

97％が真っ黒に塗りつぶされた南海市駅再開発にかかわる調整会議の議事録と関連資料の計1400枚でした。

黒塗りの部分に、いったいどんな重要なことが記録されているのか、と当初は思っておりましたが、

いまとなっては、実は、そこには、ほとんど大したことは何も書いてないのかもしれず、

一年と少しかけて地道に調べあげてきた細かい事実をつなぎあわせるたときにボロボロ出てくる矛盾点にこそ、重要な真実が隠されているのではないかと考えるようになってきました。


いま、全国各地で進められている中心市街地の再開発事業プロジェクトでは、和歌山市のケースと似たようなことが行われているんだと思います。

そこが賑わったからといって、地方が抱えている深刻な問題がなにかひとつでも解決するわけではないはず。

一時的に、目の前の厳しい現実から目を背けさせてくれ、痛みを和らげるだけの効果しかないのではないでしょう。

ツタヤ図書館の開館によってメリットを享受するのは、公共を食い物にする企業だけです。

その巨額のツケを払わされるわれわれにとっては、「便利になった」「キレイになった」の一言で、すませられるものでは到底ありません。

なお、昨年秋からスタートしました『黒塗りの図書館』の連載、いよいよあと一本を残すのみとなりました。

最終回は、最後のキーマンにつながる

「けものみち」

に迫っていきたいと思います。いや、無理かな…。

というわけで、取り急ぎ、新しい記事リリースのお知らせまで。


『官民連携の空箱図書館』 へつづく

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