2019年8月6日火曜日

教育局長の危うい答弁

こんにちは、日向です。

和歌山市が学校図書館をCCCに業務委託しようとしている件、

以前、当ブログで取り上げました

7/3和歌山市議会・中庄谷孝次郎議員の一般質問

の詳細なやりとりがわかりましたので、以下にご紹介しておきます。




一般質問 令和元年 6月市会定例会 7月3日  

質問者 中庄谷孝次郎 議員 日本維新の会 
 

小学校・中学校図書館について

「市民図書館の指定管理者であるカルチュア・コンビニエンス・クラブが学校図書館と連携するということだが、その意思決定は誰がどのようにしたのか」
 

津守和宏教育局長 
 

「市民書館 学校図書館との連携及び支援については、図書館司書が司書教諭と連携するとともに 図書ボランティアへの助言や研修を行ってもらうものであり、
 

平成28年3月10日に教育委員会で承認いただいた「市民図書館基本計画」の中で、学校との連携を強化する方策の一つとしているものです。
 

また、指定管理者の公募においてもそれに係る提案を応募者に求めており、現在、指定管理者となったカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社」と実施に向けて協議をしているところです」
 

中庄谷孝次郎 議員 
 

「市民の皆様に十分な説明・議論がなされないまま教育機関の中に一企業の職員が配置されることが決定されたという認識でよいのか」
 

津守和宏 
 教育局長

「第1問でお答えしたように、市民図書館を適正に運営できるものとして選定された指定管理者が学校司書を配置するという形で学校図書館との連携を図ることは特に問題ございません」



 津守教育局長の答弁は、いずれも、典型的な論点ずらしで、中庄谷市議の「どこで民意を問うたのか?」とのストレートな質問に正面から向き合って回答していません。煙に巻いただけでした。

CCCに学校図書館の運営を業務委託することは、これまで議会でも一切取り上げられていませんので、ほとんどの市民は知りません。いわば騙し討ちみたいな形で導入されていることに、地元市民団体が激怒しておりまして、

先日お知らせしまたしように、「CCC学校図書館委託反対」の請願署名を始めています。



“宿題代行”してもらう自治体



私がこの答弁で、いちばんひっかかったのが


平成28年3月10日に教育委員会で承認いただいた「市民図書館基本計画」の中で、学校との連携を強化する方策の一つとしているもの

という局長の答弁でした。


CCCに学校図書館を委託する根拠としては、すでに市民図書館担当者が説明している通り、

17年10月に指定業管募集要項に付随した業務要求水準書の中に

「学校等との連携」という7文字を挙げていたのに、どういうわけか局長の議会答弁では、さらにさかのぼること一年半、16年3月に教育委員会で承認された『市民図書館基本計画』の中の記述を根拠としているんです。




コレ、経緯を知っている者としては、ものすごく違和感を覚えます。

なぜならば、この基本計画を作成したのは、TRCだからです。

そんなバカな!

そう思いますよね。

過去の記事を引用してみましょう。




『みん図書』は計4回のワークショップを開催し、地元メディアの報道もあって新しい図書館への市民の期待が一気に膨らんでいったかのようにみえた16年4月には民営化への方向性を示す基本計画が発表された。 

『新図書館においては、開館日の拡大、開館時間の延長はじめ、新しい利用者の開拓や新たなサービス開発などの課題に取り組むため、民間等外部の専門知識・技術を活用することを検討する』(和歌山市民図書館・基本計画より抜粋) 

ここまでの事実関係をTRCに確認すると…、
「図書館総研がJVとなった地元企業と協働して、ワークショップを開催し、後に和歌山市が発表した基本計画の原案を作成したのは事実です」

週プレNEWS 2018年02月07日 

著名教授も「だまされた!」ーー和歌山市・ツタヤ図書館“談合疑惑”の裏で、競合“ガリバー企業”の不可解な影 より



和歌山市民図書館の指定管理者がCCCに決定するまでのプロセスをたんねんに追っていったところ、指定管理者制度導入までのプロセスで暗躍したのがTRCだったことがわかりました。

その決定的な証拠になるのが、新しい市民図書館建設のコンセプトともいうべき、基本計画を作成したのがTRC系列の図書館総研だったことです。

実は、私もこの質問をぶつけたとき、

まさかTRCが「はい、うちが書きました」と自白するとは、夢にも思っていませんでした。

「作成のためのサポートをした」とか、「コンサルティングをした」とかと回答すると思っていたところが「原案」という前提はあるものの「作成したのは事実」とあっさり認めたのです。


で、和歌山市は、お金を出して代わりにコンサルタントに書いてもらった「基本計画」をもとに、指定管理者制度を導入し、市駅前に新しい市民図書館建設を進めていったわけです。

学校図書館の民間委託は、このときに決まった方針に従って行っているというのは、いくらなんでも詭弁といいますか、おかしな話です。

本当に、16年3月策定の基本計画で、学校図書館との連携が決まっていたのでしたら、最初からそう言っているはず。


そもそも最初から「根拠」なんてなにもないものを、後付けで、あちこち探してみたら出てきたのが、TRCに書いてもらった文書だったのではないでしょうか。

市の担当者が拙ブログを読んでいて、これまで頑なに主張してきた業務要求水準書の「学校等との連携」の七文字だけでは、さすがに、学校図書館をCCCに委託する根拠としては弱いと感じたのでしょうか。

それとも、私がこの件で、和歌山市の新図書館準備班の担当者及び、4月から赴任された新館長とも、直接やりとりした際「どれも根拠になっていないのでは?」と申し上げていましたので、別の根拠を探されたのかもしれません。

まあ、どちらにしろ、依然として非常に苦しい言い訳であることには、変わりありません。

市民団体が、CCCへの委託反対の請願署名をスタートしていますし、このまま話題が広がっていったら、少しやっかいなことになるかもしれません。

夏休みの宿題を、お金を払って代行業者に依頼するご家庭もあるかと思いますが、いまや自治体が大切な事業計画の骨組みを、業者に書いてもらっている時代ですから、あまり目くじらもたてられませんね。

あっ、でも、書いてもらった宿題を、あとでむやみに持ち出すと、支離滅裂な主張になるので、そのへんは、みなさん、くれぐれもご注意ください。


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