誰でもできるる“図書館業務”
のつづきです。
下の書類をみてください。
これ、東京都立高校を受託したある事業者が都に提出した報告書です。
契約金額に注目してください。
4979万8800円
現在、勤務されている方もいらっしゃるので、とりあえず学校名は伏せておきましたが、
都立高校10校に学校図書館司書を派遣している受託企業の契約金額です。
東京都では、2011年度から都立高校の図書室運営の民間委託をスタートしておりまして、この書類は、その5年目の2016年のものです。
一校につき1人配置して500万円くらいなら、事業者としては儲からないけど、なんとかやってけそう。
という感想を持たれるかもしれませんが、実は、派遣する司書は、一校につき1人ではありません。
・午前中1名
・午後複数名
なので、延べ人数にすると1.5人
プラス
・定時制のみ夜間1名
10校受託しているうち、定時制がある高校は2～3校ですので、
延べ2名弱ですね。
一校500万円なら、年収250万円×２名の人件費だけで利益ゼロになってしまいます。
実際には、当時時給900円程度で募集されていましたので、延べ２名年間200日稼働で人件費が300万円弱
実態としては、１校3～4名シフト勤務で、１人当たり年収70～80万円といったところでしょうか。
もちろん、全員週30時間未満勤務にしてますから、業者は社会保険負担ゼロです。
そこまで人件費抑えても、本社経費考えたら、ほとんど利益の出ないビジネスであることは、確かです。
なので、この条件でも利益を出そうと思ったら、ただ現場に人を出すだけで、マネジメントは一切放棄することしかありません。
採用したら、あとはスタッフが現場へ勝手に行って、現場の判断で業務仕様書通りに仕事しといてね
ということになってしまいます。
現実に、それに近い実態であったことがわかっています。
派遣されるのは、司書または司書補の資格を持った人です。資格のない人も採用していた受託企業もあったようですが、おおむねこの点は守られていたようです。(守られなかった場合は、そのつど始末書提出)
CCC管理の海老名市立中央図書館では、協定で司書資格者５割以上としていたのと比べると、資格については、まだまともといえるでしょう。あっ、海老名の館長は無資格でしたっけ？ そんなの、ありえないですよね。
で、次にさっきの書類の続きが下です。これみたらわかるように、実は、受託事業者が都に提出した始末書だったんですね。
何をやらかしたかというと、受託している図書室に人を派遣できず、開館することができなかったというんですね。
それ１日や２日ではないですよ。月のうちこれだけの日、約束通り人を派遣することができなかったというんです。
たとえていえば、お店の営業を任されてた人がお店をあけることができなかったみたいなものです。それが何日も。
重大な契約違反ですから、即刻契約解除してもいいくらいですが、実際には、始末書１枚出して終わりでした。
以降もたびたび、契約違反を繰り返してますが、業者「すみませんでした」→東京都「今度から気をつけてね」で終わりなんです。
もう信じられないですよね。
まぁ、それだけ人が集まらないってことなんです。安い時給で１年契約、落札も１年単位なので翌年失業するかもしれない、しかも短時間勤務しかできませんので、なかなか人は集まりません。
配偶者が結構稼いでるので、悠々自適な専業主婦(夫)なんてのがいた時代なら、ちょっと片手間にきてというのもアリだったかもしれませんが、
いまそんな人激減してます。子供預けて働かないといけいな人や、単身者で生活かかっている人なんかには見向きもされない求人なんです。
そんななかでもしっかりピンハネして儲けている事業者は、ただ者ではないですよ。
この都立高校の図書室運営業務には、大手はまず入札には参加してこない厳しい条件のなかで、
ビル管理や清掃業、事務派遣、害虫駆除など官庁の仕事を受託して長年儲けてきた事業者が、まるで砂漠の獲物に群がるハイエナのようにゾグゾクと乗り出してきているわけです。
和歌山市では、そんな学校図書館の世界にTSUTAYAを経営しているCCCが、市立図書館との抱き合わせではないかと言われるおかしな恰好で入り込もうとしています。
他社とのコンペを回避して、裏道から教育の世界へ入り込もうとしているのです。それが違法スレスレのビジネスだということなど、先刻承知なのかもしれませんが。
近日中に独自入手した、都立高校・ピンハネ事件に関する「爆弾文書」を公開する予定です。
都立高校“ピンハネ事件” につづく
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根拠は７文字
ようこそ、“TSUTAYA小学校”へ
校長先生、それ違法ですよ！
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