おかげさまで
先日予告しておりました和歌山市の学校図書館に関する記事が、さきほど、ビジネスジャーナルにリリースされました。
2019.08.12
和歌山市、小中学校でも“ツタヤ図書館化”を計画…市民がCCCへの委託反対署名活動
市民が誰も知らないところで着々と物事が進行しているというのは、相当に怖い話です。
あれ、そんなこと誰がいつ決めたの?
と気が付いても、時すでに遅し。
いろんなことが不本意なままに決められていくのですから。
記事のなかで、特に注目していただきたいのは、
図書館界の重鎮のコメントです。
長年、自治体直営の図書館館長を務めた後、戸板女子短期大学教授や日本図書館協会理事等を歴任した大澤正雄氏(現・東京の図書館をもっとよくする会代表)は、こう危惧する。
「和歌山市は『指定管理者業務要求水準書』に『学校等との連携』があります。連携というのは、図書館側が中心となって学校図書館運営をサポートするということで、主体的に公立図書館が学校図書館を運営するというのは問題があります。
これは指定管理の会社が『学校教育』を行うことになり、公教育への介入になります。
また、指定管理でなく当該会社に委託した場合、直接校長(担当教諭)から運営の在り方やノウハウを聞かないと運営ができません。それは偽装請負になる危険性があります」
https://biz-journal.jp/2019/08/post_113736_2.html
前出の大澤氏は、予算についても、こう断じる。
「普通、同じ教育委員会のなかでは、学校教育費と社会教育費または図書館費は費目も管理もまったく違うもので、一緒にすることはしません。
教育委員会全体にわたる事業については、教育委員会総務費などで実施する場合もありますが、これは事業の性格が違うので、この費目では一緒にすることはあり得ないと思います。
和歌山市の例はまったくめちゃくちゃなやり方で、こんなことがまかり通るなら、予算の中立性もなきに等しいと思います」https://biz-journal.jp/2019/08/post_113736_4.html
市立図書館の指定管理者が、学校図書館もついでに受託するなんてことが、法的にどうして可能になったのか、実はまだよくわかっていません。
以前、和歌山市がCCCを指定管理者に決定したとき、教育委員会の決裁を経ずに、議会承認されていたことがありました。
このときには、よくよく調べていくと、教育委員会を開催しなくても、「教育長臨時代理」というウルトラCを駆使して「不可能を可能」【1】にしていたわけですが、今回は、そのような裏技がなんなのか、まだわかっていません。現状では、
「法的には、そんなことはできない」
というのが結論です。
ツタヤ図書館の本質は、常々「民意と行政手続きの無視」にあると思っているのですが、そのような強引なことを、あのぼんやりした和歌山市の行政サイドが主導できるとは到底考えられませんので、当然、CCCサイドのサゼスチョンがあってこそのことだと思います。【2】
その意味では、和歌山市学校図書館のツタヤ化こそは、悪い意味で「CCCの面目躍如」と言えるのかもしれません。
今後も、大澤氏が指摘するように
「まったくめちゃくちゃなやり方」を、しっかりと記録しておきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
【1】火種くすぶる和歌山市・ツタヤ図書館騒動の新疑惑ーー教育委員会「秘密会」での承認は有効か?
【2】事実、2016年新装開館した多賀城市では、2013年7月の市教委との初会合で、CCCは「議会スケジュール」を提示していたことは、以下の記事でレポートした。
内部文書を徹底検証ーー疑惑の“ツタヤ図書館“が新たに選定された和歌山でも裏で画策…?
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