2022年12月21日水曜日

疑惑の報告書は、何故開示されたのか?(3)強引にねじ込まれた中活ソフト事業の秘密

 

こんにちは、日向です。

のつづきです。


市民交流プラザの基本設計・基本計画の策定事業者に応募して一次選考を通過した事業者にのみ、参考資料として提供されていた「中活コーディネーター事業報告書」。


前回の記事では、


10月30日の発表直後から、その資料の開示要求に応じなかった市民活動支援課が、突然12月14日になって応じてきた理由として


自分たちは、このまま隠していても、県や国から情報が開示されてしまうことのではと木更津市が考えたのではないかと書きました。



本日、それに関連した情報が千葉県から開示されました。





下をみてください。





今回、開示された74枚の文書のなかに、CCCがまちづくり木更津から受託した中活コーディネーター業務報告書に該当する事業とおもわれる事業がこれです。


中活コーディネーター設置事業の総事業費(令和2年度)は、予算段階で455万円(決算額は365.7万円)でした。【※1】


これまで、総務省から


木更津市が中心市街地活性化ソフト事業で令和3年度特別交付税交付金の措置を受けているのは、541万円である


との回答から、その倍額の約1000万円が、CCCに委託されていた疑惑の報告書作成費と推定されるとしておりましたが、その推定額は間違いでした。


疑惑の報告書が作成されたのは、2021年度(令和3年度)ではなく、2020年度(令和2年度)でした。また、総務省が回答した541万円という措置額は、中活ソフト事業全体の額であり、CCCへ委託された事業については、そのうちの一部でした。


ただし、令和3年度も同じ名目で290万円の事業費が報告されていますので、CCCは、今後も継続して中活コーディネータ業務を受託していくものと思われます。



いずれにしろ、出来レース疑惑の動かぬ証拠とされる、公募の2年前にCCCに委託されていた報告書は、国の特別交付税交付金を活用して作成されていたことが、これで確認されました。


【※1】12/22 14時30分追記 木更津市地域政策課に確認しましたところ、中活コーディネーター設置事業の総事業費の全額をCCCの中活コーディネータ業務報告書に支出したわけではないとのこと。ではそれ(CCCの報告書の費用)は、いくらなのか?とお聞きしても、「個別の案件についてはこれ以上お答えできない」との回答でした。



さて、そこで残る疑問点としては、まちづくり木更津が、2020年4月に内閣総理大臣の認定を受けた中心市街地活性化基本計画の記載と、この申請書の記載に辻褄が合わない箇所があることです。


上記の申請書(木更津市から千葉県を経由して総務省へ)の後半部分には、その申請対象となった基本計画の事業が列挙されているのですが、その記載には、のちに修正される「市民交流スペースの設置に向けた提言」という文言がみあたりません。






2021年1月、まちづくり木更津が中心市街地活性化基本計画の内容を修正している。それまでになかった「市民交流スペースの設置に向けた提言」が不自然に挿入されていた。




総務省への中活ソフト事業に関する申請は、その年度に一般会計で予算計上されたものに限ります。


ということは、


申請時点で「市民交流スペースの設置に向けた提言」が基本計画に盛り込まれていてはじめて対象になるはずですが、それがないのに中活ソフト事業として認められたのかおかしいのでは?


そう千葉県の担当課に聞いてみたところ、こう回答されました。


千葉県としては、個票中の記載が、基本計画の記載と矛盾がなければ、特に問題ない


個票の記載を改めてみてみますと、「中活コーディネーター設置事業」としか書いてないものの、そのなかに広い意味で「市民交流スペースの設置に向けた提言」も含むと解釈することも、なるほどできなくはないしくみになっていることに気づきます。







だったら、まちづくり木更津が、2021年1月になって、わざわざ基本計画を修正する必要もなかったのでは?と思いますが、あえてそうしたのは、また別の理由があったのかもしれません。



ややこしくなりましたので、ここで時系列を整理しておきましょう。



・2019年7月 まちづくり木更津設立


・2020年4月 木更津市の中心市街地活性化基本計画が内閣総理大臣の認定を受ける


・2020年9月頃 木更津市が、千葉県を経由して、総務省の中活ソフト事業の対象として「中活コーディネーター設置事業」を申請


・2020年9月頃 CCCがまちづくり木更津から、中活コーディネーター業務報告書の調査を受託


・2021年1月 まちづくり木更津が中心市街地活性化基本計画の「中活コーディネーター設置事業」を修正して「市民交流スペースの設置に向けた提言」を追加で盛り込む


・2021年4月以降 総務省の中活ソフト事業として特別交付税交付金の措置が実行される←間違いでした。2020年12月中に交付金の措置は実行されていました【※2】



こうしてみますと、「中活コーディネーター設置事業」のなかに「市民交流スペースの設置に向けた提言」も含むと解釈することもできなくはないのですが、やはり、急遽、市民交流プラザを新庁舎に設置することが決まったため、後付けで無理やり、総務省の中活ソフト事業に突っ込んだのではないのか? その辻褄を合わせるために中心市街地活性化基本計画に「市民交流スペースの設置に向けた提言」を追加したのでないか?という疑念はやはり残りますね。


【※2】12/22 14時40分追記 木更津市財政課に確認しましたところ、令和2年度の中活コーディネーター設置事業については、令和2年9月頃に千葉県を通して手続きをして、その3か月後の12月中には、特別交付税交付金の措置がされていたことがわかりました。



そうしますと、ますます疑問に思うのは、いったいどうして、新庁舎に市民交流プラザを設置するなんていう話になったのでしょうか。少なくとも、中心市街地活性化基本計画が認定された2020年4月までは、そんな話はどこにも出ていなかったはずですが、基本計画策定後に、CCCがまちづくり木更津と仕事をするようになった直後から、木更津市にも、延岡エンクロスや丸亀マルタスのような施設をという流れが突如として出てくるわけです。


となると、やはりその方向付けに決定的な役割を果たしたのが、船場ではなかったのかということです。


ちょうど和歌山市で、CCCが指定管理者として選定されるまでに、和歌山市から、公共施設の再配置に関する調査・提言を受託することで、強引に市駅前への新築移転にもっていったアール・アイ・エーと同じ役割を船場が果たそうとしているとみることもできるわけです。


下をみてください。これが、私が調べた限りで、わかった木更津市で船場が受託した業務の一覧です。2019年の「木更津市公共施設再配置基礎調査業務委託」からすべてが始まっているんです。






市民交流センターも、CCCと船場にとっては、ほんの入り口にすぎません。


その先には、図書館の新築移転が当然視野に入っており、すでに市立図書館の整備計画も船場が受託していますから、彼らの木更津市・図書館乗っ取り計画は、ほぼ八合目まできたような感じではないでしょうか。


オセロゲームでいえば、四角のうち、三角がもうすぐ取られそうになっており、このままいけば、市民にはまったくなんの事前アナウンスもなく、突然、木更津市は、ツタヤ図書館を誘致することに決定しました。素晴らしいでしょう!!!という地元メディアの大合唱が、近いうちに始まるのでしょうか?(本日、新市立図書館整備計画が全員協議会で報告されたようです


“木更津市議会は14日、議員全員協議会を市役所駅前庁舎7階議場で開催した。「新市立図書館整備計画」「総合計画第3次基本計画」「汚水適正処理構想」の素案に係る意見公募を15日から2023年1月13日まで行うことが報告された。新市立図書館整備計画では、現図書館において老朽化、狭あい化、バリアフリー化への対応などが課題となっていることを受け、新たな図書館の整備に向けてあり方や方向性を示す。新市立図書館の目標面積は2400㎡。概算整備費用は33億2730万円。

 オープン時の蔵書冊数は40万冊程度と想定している。また、他の機能との複合化も視野。運営に関しては、直営、指定管理者制度、直営と指定管理者制度または外部委託のハイブリッドを選択肢としている”

(2022/12/15 日刊建設タイムズhttps://www.nikoukei.co.jp/news/detail/473944 )




【12/22 14時40分追記】
CCCによる疑惑の報告書の委託費にあてられたと思われる、総務省の2020年度(令和2年度)中活ソフト事業の申請を木更津市が行ったのは、同年9月であったことが木更津財政課に問い合わせて確認できました。その交付税措置がされたのは、翌年3月ではなく、12月だったそうです。ということは、新しい庁舎に市民交流プラザを設置するという話が出てすぐに、CCCによる市民交流スペース設置に向けた調査・提言の業務がスタートし、同時に総務省への申請対象として予算計上され、年末までに交付税措置を受けたことになります。そしてお金をすべてもらい終わった翌年1月になってから、総務省の中活ソフト事業の対象となるよう、基本計画中の文言を変更したという経緯であることがわかりました。





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2020年8月29日土曜日

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