2023年6月30日金曜日

第一回・和歌山市民図書館の開示資料について語り合う会~除籍リスト編~


こんにちは、日向です。


和歌山市が開示したCCC運営資料1000枚 にて、予告しました通り、


和歌山市民図書館の開示資料について語り合う会


を当ブログ上で開催したいと思います。


第一回の本日は、除籍リストからいきたいと思います。


0003・除籍リスト2019~2021.pdf 129ページ


上記の開示資料をご覧になって、なにかお気づきのことがありましたら、コメント欄に書き込んでください。


よろしくお願いいたします。


市民の方からお借りした資料を検品する弊社の警備スタッフ






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【2023年7月1日 22時追記】


除籍リストの日付と冊数を一覧表にしてみると、以下のようになりました。


カルチュア・コンビニエンス・クラブによる指定管理が始まった2019年12月19日以降に決裁された除籍は、赤字の部分です。そのほかはすべて市の直営時代の除籍です。






開示書類は、単純な時系列でもないし、除籍種別でもなく、不可解な並び順になっています。これではわかりにくいので、直営時代と指定管理以降に分けて、年度別にページ数順に並べ替えてみました。


市教委直営 2019年12月18日まで







指定管理以降 2019年12月19日以降




※2023年7/12追記 赤字部分“113ページ 亡失資料の除籍・西分館  令和3年(2021年)3月31日 10”の「亡失資料の除籍」部分を「破損その他の除籍」と間違って転記していましたので、正しい内容に修正しました。


市教委直営の2019年度(12月18日まで)は、3236冊除籍しています。これに対して、CCC指定管理になった2019年12月19日~2020年3月31日まで)の2019年度は、138冊しか除籍していません。


さらに2020年度になると、丸々一年間で、491冊しか除籍されていません(2020年1月1日~2020年12月31日まではゼロ冊)。直営時代3236冊の7分の1です。


新館オープンまでは、45万冊蔵書していた和歌山市民図書館が1年3カ月もの期間、除籍ゼロで、年度末になってまとめて491冊だけ除籍したということになります。


これはありえない数字です。途中、グランドオープンした2020年中の除籍リストをゴッソリ抜いて開示されたと考えるのが自然でしょう。


【2023年7月6日追記・2020年中の除籍リストはないと回答】


下のコメント欄に書きました通り、本日、読書活動推進課の課長さんから回答があり、開示されたもの以外に、2020年中の除籍リストは存在しないそうです。ということは、2019年12月19日の指定管理開始から翌年2021年3月30日まで(翌日3月31日に駆け込みで除籍リストあり)の1年3か月ももわたって、CCCは一冊も除籍処理をしていないことが確定しました。

45万冊以上も蔵書があり、毎日のように選書した本の新規の受入があるはずなのに、1年3か月もの期間も蔵書を廃棄しなくても大丈夫だったのでしょうか。新館だったため、書架はいっぱいにならずに余裕があったということなんでしょうか。


そこまでの怠慢は考えにくいので、おそらく除籍作業自体は、ふだんから定期的に行なっていて、書架から本を抜いてはいるんだけれども、除籍の事務処理を行う時間と人手がなく、あとでまとめて行なう方式を採用していた。そして、この年は、年度末前日の3月30日に、たまった491冊の申請をして、翌日の3月31日にそれが決裁されたということではないかと思います。


そうしますと、実際に棚から本を抜いていて、利用者が借りたいと思って予約したり、書架を探したりしても、データ上はあるのに、現物がないという不都合が生じてしまいかねません。そういう事態が起きる確率はかなり小さいので現実には問題にはならないのでしょうけれど、行政上の手続としては、不適切と指弾される行為だと思います。



【2023年17/11追記 先週金曜日の7/7に、私個人で開示申出を行ないました】


下のコメントに書きました通り、7月7日金曜日に、以下の文面で、情報開示申出を行いました。


(1)2019年年度以降、蔵書点検の結果判明した不明資料のリスト
(2)2020年4月1日~2021年3月31日に西分館で受け入れた蔵書が登録された図書原簿

(3)2020年4月1日~2021年3月30日に蔵書の除籍に関連して作成された一切の書面(なければすぐに不存在決定を出して下さい)

(3)については、読書活動推進課の課長さんの「開示されたもの以外に、2020年中の除籍リストは存在しない」との口頭での回答を「文書不存在」決定を出してもらうことによって正式に確定するために出したものです。

※7/27追記 以下のとおり不存在決定が出ました。





なお、総務部市政情報班からは、ほかの申出項目の回答と一緒に不存在決定が明記されるので、それが不都合なら別紙にしてほしいとのことでしたので(3)のみ分離して一枚の申出書に(1)として掲載した申出書を再度送付しました。



ところが、昨日7/10の朝、開示申出書をメールで送っていた総務部市政情報班の担当者から電話があり「読書活動推進課に確認したら、この文面では、いくつかの文書が対象になるので不存在は出せないと読書活動推進課では言っていますが」と言われました。

「えっ、2020年度のものは期末の3/31の文書は除外して、3/30までの文書のみを対象にしたのに、それでも開示する文書があるということは、開示漏れだったのでは?」と市政情報班の担当者に申し上げたところ、「いや、読書活動では“~弁償本”のリストがあると言ってますよ」との回答でした。

このときの読書活動推進課の指摘した文書名をメモし忘れておりましたので、本日7月11日の午前11時すぎに、出先から、市政情報班に電話をして「読書活動推進課から指摘された文書名をメールで送ってほしい」とお願いしました(担当者不在のため、他の方に伝言をお願いし、その後担当者に直接伝えました)

文書名だけの簡単な一言メモなので、すぐにメールで確認できると思っておりましたが、午後に市政情報課の担当者ご本人が「一応、読書活動にもう一度確認している、確認でき次第メールします」とのことで、いまだにメールはいただけておりません。完全に両者をフリーズさせてしまったようです。

ん? もしかして、なにかマズイことを聞いてしまったのかな?と感じました。「ない」と言ってた2020年度の除籍リストは本当はあるのか、それとも2020年度はないけれども2021年度(2020年度の除籍分を2021年4月1日以降に処理したのか?)本当に不可解な事件です。


【7/27 追記 市政情報班からの回答内容】

問い合わせしていた件、7/12に総務部市政情報班より以下の回答がきていました。掲載するのが遅くなりまして、申し訳ありませんでした。

・図書の除籍は、亡失、リサイクル、弁償、不用(汚破損)の4つのパターンがある

・現在、読書活動推進課が保有する除籍リストについては、本館分の亡失及びリサイクルについては、2020年度の分は存在しない

・弁償については、2020年度の分は、2021年度とあわせて2021年度に除籍を行ったため、2020年度の決裁は存在しない

・2020年度の不用(汚破損)については、以前に開示した481冊分のもののみ存在する

・2020年度の西分館の分については、亡失が存在する

【7/27 追記 4種類の除籍状況からわかったこと】

この後、読書活動推進課に質問してわかったことも、以下にまとめておきます。

(1)「亡失」とは、蔵書点検の結果、4回連続で所在不明となった資料のこと

(2)「リサイクル」とは、除籍した資料を市民に譲り渡すもの(ただし雑誌はリサイクルに供しない)

(3)「弁償」とは、利用者が破損・紛失した資料を金銭で弁償したもの

(4)「蔵書点検の結果判明した不明資料のリスト」で開示請求すると「亡失資料のみが開示される」と回答されていましたが、後にそれは誤りであり、正しくは「亡失(4回連続で所在不明となった資料)および、1~3回連続で所在不明となった資料のリストが開示される」とのことでした。


このことからわかったのは、市民図書館がCCCの指定管理者になった2019年12月19日以降の2019年度と、グランドオープンした2020年度については、2021年3月31日に西分館で行なわれた10冊の「亡失」をのぞいて、すべてが「不用(汚破損)」(破損その他の除籍)であるということです。


指定管理以降 2019年12月19日以降



CCC指定管理になってからは、今回開示された2021年3月31日までは、少なくとも本館では、「亡失」「リサイクル」「弁償」の三種類の除籍は行なわれていないことが判明しました。

・「亡失」は、CCC指定管理になる前に市の直営部門が多数処理しており、指定管理になってからは、まだ4回連続で所在不明となった資料は出ていない(蔵書点検を年1回しか実施しないため)

・「リサイクル」は、この間、一度も市民に提供するイベントを行なっていない

・「弁償」は、CCC指定管理になってから、すべて現物での弁償行為に限定され、金銭で弁償する方法が廃止されたため(過去に多賀城市で起きた“弁償本ネコババ事件”の影響と思われる)

要するに、2020年度は、「関西初出店のツタヤ図書館」のオープンで、CCCのスタッフは大忙しだったため、除籍にさける時間や人手が足りなかったというのが実情だろうと思われます。

14 件のコメント:

  1. 72ページの令和元年12月18日の次が、なぜか令和3年3月31日(75ページ)になっています。ということは、令和2年、2020年は、一冊も除籍しなかったってこと?

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    1. 昨日、和歌山市教委の読書活動推進課に電話して、こう聞きました。

      ・4/21付で、市民に開示された除籍関連資料をみていたら、令和元年12月18日の次が令和3年3月31日になってますが、令和2年一年間、除籍しなかったということでしょうか?

      すると、担当の職員の方がと「少々お待ちください」と言って、数分間、協議されたふうで、

      「こちらで調べて折り返しご連絡します」とのことでした。

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    2. 昨日7/4と本日7/5のさきほど、ご返事をお聞きしようと担当の方に連絡してみましたが、いずれも会議中ということで、回答はいただけませんでした。

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    3. 本日、ようやく担当課長とお話をすることができました。結論から言えば、開示されたもの以外に、2020年中の除籍リストは存在しないそうです。2020年度としては、2021年1月に予定していた蔵書点検が3月にずれ込んだだけで、特に通常と異なった対応はしていないそうです。2019年度が3236冊除籍しているのに、2020年度が491冊しか除籍していないのも、おかしくないそうで、直営時代に多数除籍したので、指定管理になってからは少なくなったのだろうということでした。また、2019年度の除籍は、CCCは関与しておらず、市が行なったものであるとのことでした。

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    4. えっ、結局2020年度は、期末の3/31に491冊除籍しただけ? そんなバカな。あの件はどうなっているんだろう。隠蔽されているのかな? 内部の人は黙ってないで、ここに書き込めばいいのに…。

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    5. 読書活動推進課の課長さんの「開示されたもの以外に、2020年中の除籍リストは存在しない」との回答を確定するために、7月7日金曜日に、以下の文面で、情報開示申出(ほかの開示申出分と一緒に)を行いました。

      ・2020年4月1日~2021年3月30日に蔵書の除籍に関連して作成された一切の書面(なければすぐに不存在決定を出して下さい)。この後の顛末は本文に追記しました。

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  2. CCCの指定管理になってグランドオープンしたのが令和2年(2020年)。その年に、一冊も除籍していないのは、CCCがなにもしなかったってこと? それとも、なにか特別な理由があったのか。1年3か月もの間、一冊も除籍しない図書館なんてあるのかな?

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  3. 選書リストと除籍リストは、ツタヤ図書館の“火薬庫”と言われる。武雄市の郷土資料大量廃棄、海老名市の選書の半分が料理・健康本、多賀城市の古いビジネス書を新刊で大量選書など吃驚仰天ネタは尽きない。和歌山市は、なにが出てくるのか。

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  4. 129ページからCCCの報告になったとたん、文字が小さすぎて読みにくい。拡大しても判読つかない箇所も。もっと読めるようにしてほしい。前にも、1億円払って行った開館準備の報告書が読めなかったこともありましたね。

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  5. 除籍状況が、わかりづらいので、表を本文末尾に追記しました。

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  6. 昨日、今回の資料を開示請求された和歌山市民の方に確認しましたところ、2020年中の除籍関連資料がないことにすぐ気づいて、後日、再度、その部分のみ開示請求をされたとのことでした。それが5/17のことで、その後、読書活動推進課からは、すぐには出せないので延長をお願いしたいと40日の延長決定の連絡がきたようです。

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    1. さきほど確認しましたところ、市民の方が追加で請求されたのは、2020年度中の除籍関連リストではなく、なぜか2022年度中の除籍関連リストでした。事情をお聞きしたところ、市政情報課に申請用紙を持っていったら、2020年度はないので、2022年度に変えて請求さなさいと言われて、その通りにしてしまったそうです。事実だとしたら、市政情報課は、いったいなにをしているのでしょうか?

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  7. 令和元年12月18日までは教育委員会直営で、同年12月19日から本館の一部開館によりCCCによる指定管理が開始されています。
    その位置づけで、「破損その他の除籍についての決裁」を見ますと、CCCから提出された文書は、

    ・令和3年3月31日起案分
    ・(西分館)令和3年3月31日起案分

    の2件だけです。

    令和3年3月31日起案分の除籍理由に、
    1 利用回数が多くはなはだしく消耗し、補修が不可能で現在使用不可能になっている
    2 社会情勢の変化その他により利用価値がなくなている
    の2点をあげていますが、除籍リストにある資料がどれに該当するのかが分かりません。
    また、起案書には、「和歌山市民図書館資料の除籍に関する要綱」が添付されています。
    起案書で決裁する際に参照する要綱は添付するものです。
    開示された資料にこの要綱が無いのも問題だと思います。

    いずれにしろ、開示請求した期間は令和元年から最近までだと思うのですが、これでは少なすぎます。
    特に、西分館からは、利用者の破損・紛失等により弁償対象となった資料に関する文書が出ていません。
    ひょっとして、開示漏れがあるのかもしれません。
    毎年必ず発生する案件を当該年度内に処理していないことが明らかで、CCCが仕様書に基づいた仕事をしていないことになります。

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  8. イベントとか派手な仕事は熱心にやるけれど、除籍とか、やってて当たり前の仕事がちゃんとできてないのかな。CCCは。「何万人来館して、アンケートで8割満足」とか、バカのひとつ覚えみたいに言ってるけど、あまり評価されない効率の悪い仕事は、おざなりになるのは指定管理の宿命だよね。

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