2025年7月25日金曜日

しんぶん赤旗が7月13日の講演会を取り上げてくれました

 

こんにちは、日向です。


本日は、簡単な告知です。


タイトルの通り、赤旗の日刊紙が、7月13日に東京の図書館をもっとよくする会で行った、私の講演を取り上げていただきました。


どうせベタ記事かなんかでしょう?


そう思われるかもしれませんが、本紙をみてみますと、くらし・家庭面の3分の2のスペースを使って、私の講演内容を詳しく記事にしていただいていました。






講演でもお話ししましたように、ツタヤ図書館問題は2015年に、武雄市で起きた古本騒動や郷土資料廃棄などが大きく取り上げられることはあったものの、その後は尻すぼみ。


CCC運営で次々開館した自治体の地元メディアでは、わが街にもオシャレなカフェ併設の図書館がオープンしたとか、来館者が、ついに何万人突破した(カフェ・書店客含む)とか、フリーペーパーと見紛うほどの礼賛報道しかみかけないようになりました。


そういうなかで、「黒塗り公文書」という切り口から、私がケーススタディとした和歌山市民図書館で起きた官製談合疑惑について、赤旗の記者さんは、指定管理者制度など、その背景についてもキッチリと問題意識を持っていて、なかなか迫力のある記事にしていただきました。


「赤旗」は共産党の機関紙ではありますが、実際にその紙面にふれてみますと、ごくフツーのメディアとして読めてしまいます。


いや、ごくフツーどころか、全国紙を出し抜くスクープを連発している“クオリティペーパー”なのです。


最近では、自民党議員の裏金問題を、丹念な公文書の掘り起こしによって見事にスクープしたのは赤旗であり、もしあの一連の報道がなければ、与党過半数割れによって、10数年ぶりに国会での議論が活発化することなど、到底ありえなかったでしょう。


そういうメディアが拙講を取り上げていただいたのは、たいへん光栄に思っているところです。


ご関心のある方は、以下のページで試し読みの手続きをしてみてください。


しんぶん赤旗試し読み(3週刊無料)



よろしくお願いいたします。


2025年7月24日木曜日

坂出市教育委員会が開示した140枚のカラ文書

 

こんにちは、日向です。


本日も、香川県坂出市のツタヤ図書館について、情報開示請求を行なった結果、開示された公文書について書いておきたいと思います。


開示されたのは、市長部局(公民連携DX課)が約2300枚、教育委員会が約140枚の計2400枚でした。






一刻も早く一般公開して、みなさんにみていただこうと思っていたのですが、これだけの分量があると、グーグルドライブの容量が逼迫しかねないので、市長部局の分は後回しにして、とりあえず先に教育委員会が開示した分だけ、公開したいと思います。(大容量のデータを公開するのに、なにかいい方法があったら、みなさん教えてください)


坂出市教育委員会が開示した資料の一覧


↓全文は、ココにあります。

坂出市市教育委員会 開示資料一括



ざっとみていただければ、わかると思うのですが、肝心要の教育委員会が市立図書館の移転について決裁した文書は一枚もみあたりません。


各地の視察報告(私が例示して開示を求めました)と市長部局からの要請で作成したと思われる新図書館の業務要求水準書が冒頭にきいています。そのほかは、ふだん通り定例的に開催されている図書館協議会の会議録がほとんどです。そこには、途中から駅前に移転する図書館に関して、関係者が説明していることがわかる文書は出てくるものの、教育委員会として、この問題を正式に検討したことがわかる文書は、どこにもありません。


通常の協議会の議題が次々とこなされていくなか、唐突に新図書館構想のパンフレットが出てきたりします。また図書館利用に関する調査結果が出てきたり、著名な講師を呼んだ勉強会が開催されていたり、ワークショップが開催されていたりはするものの、正面切って、いまある図書館を移転すべきかどうか、移転するならどこにすべきか、さらには駅前移転の計画は適切かなどについての議論が行なわれた形跡は微塵もありません。


なのに、CCCが運営者に決まった後、新図書館での図書館ボランティア活動の意見交換会が開催されていたりします。その意見は、ご丁寧に、ほぼすべて黒塗りという有様です。


だとしたら「教育委員会内部で新しい図書館について検討したことがわかる文書」等については「不存在」決定を出すべきです。そうせずに、関連文書だけ大量に出してきてお茶を濁すというか、目くらましをするというか、市民を煙に巻くというか、とにかく、さんざんお願いして「こうしう文書がほしいんですよ」と要請しているにもかかわらず、その文書についての存否すら答えずに、どうでもいいものだけ大量に出してくるという不誠実な対応には、ほとほとあきれ返ります。




坂出市教委は、ちゃんと正式な議題に上げて、この件について委員が意見を出した結果、教育委員会として新図書館建設・移転を承認していないのですから、行政の手続きに重大なる瑕疵があるというべきでしょう。



市立図書館を管轄する教育委員会での決裁がないわけですから、この後、市長部局で出された図書館建設・移転に関する決定はすべて無効ということになってしまいます。


市民の方は、ぜひ、住民訴訟を提起されることをおすすめします。


しつこいようですが、これまでもさんざん述べてきたように、図書館の権限を市長部局に移管していないのですから、いまある市立図書館を閉鎖して駅前に新しい図書館を建設するということになりますと、教育委員会での手続きは必須のはず。


そんな手続きはいらなんいんだ、みんな賛成して喜んでるんだから


そう有福市長は言うかもしれませんが、行政として最低限守らなければらないルールを強引に捻じ曲げたのだとしたら、まさに前代未聞の出来事です。


そして、そのような経緯をまったく報じることなく、ツタヤ図書館礼賛記事をこれから書くであろう地元メディアも同罪でしょう。


ということで、取り急ぎ、坂出市教委の開示文書をアップしておきますで、なにかお気づきのことがありましたら、教えていただけると幸いです


よろしくお願いいたします。


日向



↓市長部局の開示と同じく、教育委員会の開示についても、6/30付で審査請求を行いました。


審査請求書

2025630日  

                                     

   坂出市教育長殿

   審査請求人 

          日向咲嗣    


(連絡先 hina39@gmail.com




次のとおり審査請求をします。


1 審査請求に係る処分の内容

坂出市教育委員会の令和7328日付けの公文書開示決定書に関する処分(坂教図第5046)


2 審査請求に係る処分があったことを知った年月日

   令和年7415



3 審査請求の趣旨

  1. 「一部を公開することを決定」「不開示部分については開示しない」を取り消し「全部公開する」との裁決を求める。ただし、請求分のうち「教育委員会が新しい図書館について検討したことがわかる文書」については、「不存在」とする裁決を求める。


4 審査請求の理由

審査請求人は、20249月頃、図書館等の公共施設の運営管理を受託した先で数多くの不祥事(武雄市・海老名市で住民訴訟3件等)を起こしているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を、坂出市が駅前に建設予定の新しい市立図書館の運営者に選定したことをニュース報道で知り、なにゆえ、そのような問題多発企業を坂出市は選定したのかと大きな疑問を抱いた。

とりわけ20192月、同社は、基幹事業であるTSUTAYA(当時のTSUTAYA代表取締役会長は、増田宗昭CCC社長)が消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)を認定された結果、11753万円もの課徴金を課せられている。そのような社会的不正行為を働いたことが広く認知された以上、今後、同社が対外的に自社の事業成果をアピールする公共の事業に参画する資格は、完全になくなったととらえていただけに、坂出市が新図書館の運営者にCCCを選定したことへの驚きは大きかった。


そこで、審査請求人は、坂出市に対して、令和7129日付文書にて、駅前に建設が予定されている坂出市立図書館事業について、教育委員会内部で検討したことがわかる文書」等を請求したところ、4月末頃、147枚の文書が開示資料として送られてきた。しかし、その送られてきた資料の中には、坂出市教育委員会内部において、駅前に新しい図書館を移転することの是非や、その必要性、駅前移転の優位性とデメリット、今後の課題、あるいは新しい図書館はどうあるべきかなどについて、詳細な議論したことがわかる文書や、そのプロセスを経て新図書館の移転を教育委員会が正式に承認・決済したことがわかる文書は一枚もなかった。詳細な検討プロセスはなにもないまま、唐突に新図書館構想に関するリーフレットが出てきたり、まだなにも決まっていない段階のはずなのに、駅前再開発エリアに図書館をつくることがすでに内定されているかのごとく、外部の専門家を招いた職員向けのワークショップに関する資料が開示されたにすぎない。

これが同市教育委員会が保持している、審査請求人が請求した内容に関連する文書のすべてだとしたら、図書館を駅前に移転して建替え、いまの中央図書館は廃止し、その運営を民間企業に委託するという、地元市民にとっては、このうえもなく重大な事柄について、所管する教育委員委員会では一度も議題にのぼることがなく、もちろんその承認も一切経ておらず、民間委託へ向けた条例の改正もなく進められていたことになる。

坂出市は、市立図書館等の教育文化施設の権限を市長部局に移管しておらず、新しい図書館を建設するのであれば、所管する教育委員会での承認・決済が必須のはずである。

そうした必須の手続きを経ていないならば、審査請求人の開示請求に対して「不存在」決定を出すできである。にもかかわらず、請求されていない文書ばかりを出してきた市教委の対応は、そのような不法行為をごまかすために市民を煙の巻く行為をしたのではないかと指弾されても仕方ないだろう。

また開示された文書についても、企業の競争上の利益や、未成熟情報であることを理由に一部黒塗りされているが、その非開示理由は、情報公開条制度の主旨からはかけ離れたものばかりである。全国が注目している今回のような図書館事業において、文書を黒塗りにしなければならない理由はみあたらない。このような公文書の恣意的な黒塗りは、決定プロセスを完全に秘匿した「暗黒行政」そのものである。

行政による情報開示の目的は、公費が投入される事業が公正公平に行われたことを市民に広く理解してもらうためである。

しかるに、坂出市は、今回、そうした説明責任を果たそうとする前向きな姿勢がほとんど感じられない。市民へ理解を求めることよりも、受託企業の利益を最優先にしているようにみえる。

このままでは、坂出市の行政は透明性がきわめて低く、公正公平に事業者を選定していないのではないのかという印象を広く世間に与えることになるだろう。


5 処分庁の教示の有無及びその内容

「この決定に不服がある場合は、この決定があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、審査請求をすることができます」との教示があった。






2025年7月23日水曜日

図書館移転を決めた会議の議事録がない坂出市


こんにちは、日向です。


本日は、JR坂出駅前にツタヤ図書館を核とした複合施設を建設する件についての続報です。


2025年1月28日火曜日


事業決定からCCCが選定されるまでのプロセスがわかる文書を1月末に開示請求しておりましたところ、4月下旬、市長部局と教育委員会から別々に開示対象文書が送られてきました。

市長部局の分だけで、ざっと2300枚にも。一方の教育委員会のほうは147枚と少なく、いずれもCDに収納したデータで開示されました。なので、手数料はそれぞれ50円、計100円で済んだのは、とてもありがたかったのですが(和歌山市なら、CDで開示しても1枚10円の手数料を取られます)、

私がいちばん知りたかったことが書かれた文書

すなわち、坂出市は、いつ、誰が出席した、どのような会議で、駅前に図書館を移転して複合施設を建設することを正式に決めたのか

――は、どこにもないんです。市民に対するアンケートとか、市民参加のワークショップの記録やコンサルタントによる報告書、各地の視察記録はあるのに、それらの検討を経て、市当局が、いまある図書館を廃止して、駅前再開発の複合ビルに図書館を移転するという事業計画を正式に決定したことが分かる文書がどこにもないんです。

教育委員会のほうからは、事前に、そういう文書(新図書館について検討して決裁したことがわかる文書)は「ない」といわれてましたので、「やはりそうか」で終わるんですが、さすがに2300枚も出してきた市長部局のほうは、なにかしらそれに類する記録があるはずと探してみましたが、いくら探しても、どこにもみあたりませんでした。

そこで、ついさきほど、担当課に電話をして、こう聞いてみました。

――昨年、事業者を公募するにあたって、駅前に図書館を移転して、このような複合施設にするという最終方針が決まったことがわかる文書はどこにありますか?


答えは

そういうのは、ありません。

――えっ、庁内の会議で決まったんですよね?

はい。教育委員会からも出席した検討会議で決まりました。

――その会議録は?

ないです。

――えっ、作成してないの?

はい

――重要なことなのに?

はい

――坂出市には、公文書作成ルールはないの?

ないかどうかは、すべて条例を把握しているわけではないので、わかりません。

――はぁ、坂出市は、重要なことを決めるのに、会議録を作成しなくてもいいということですね。

……。


そもそも、図書館を管轄する教育委員会において、新図書館の建設・移転について決裁した文書が一枚もなく、図書館サイドは「そういうのはすべて公民連携課で決めている」と言ってたのに、結局、市長部局でも、この件に関する検討会議の記録はないということなんですよ。

もちろん、庁内の「検討会議」を経て決定しているというのは事実なんでしょうけれど、行政がその決定を示す文書を一枚も残さないというのは、いくらなんでも酷くないですか。

やっぱり、市長の鶴の一声によって、駅前の再開発ビルに図書館をもってくることが決まったのかなぁという印象を再度持ちました。


そのほか、結果的にCCCが選定されたコンペでの、事業者の提案や選定プロセス・採点等については、例によって黒塗りだらけで、なにがなにやらさっぱりわかりません。

どうでもいい書類を大量に開示することで、市民を煙に巻こうとしているかのような対応だと感じました。

ただし、ありがたいことに、坂出市は市内在住者だけでなく、誰でも開示請求できる自治体なので、不服がある場合は審査請求ができます。

そんな貴重なチャンスを活かさない手はないと思いまして、先月末付けで審査請求書を出しておきました。


とりあえず、教育委員会のほうからは「受理しました」という通知をいただいておりますので、これから審査会の委員の先生方に、一部不開示とされた黒塗り等が適切かどうかをご審議いただけるものと期待しております。

よろしくお願いいたします。





審査請求書

2025630日  

                                     

   坂出市長殿

   審査請求人 

          日向咲嗣                                                       (連絡先 hina39@gmail.com




次のとおり審査請求をします。


1 審査請求に係る処分の内容

坂出市教育委員会の令和7331日付けの公文書開示決定書に関する処分(坂公第5540


2 審査請求に係る処分があったことを知った年月日

   令和年7415



3 審査請求の趣旨

当該文書について、「一部を公開することを決定」「不開示部分については開示しない」を取り消し、「今回、開示請求のあった文書については、全部公開する」との主旨の裁決を求める。


4 審査請求の理由

審査請求人は、20249月頃、図書館等の公共施設の運営管理を受託した先で数多くの不祥事(武雄市・海老名市で住民訴訟3件等)を起こしているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を、坂出市が駅前に建設予定の新しい市立図書館の運営者に選定したことをニュース報道で知り、なにゆえ、そのような問題多発企業を坂出市は選定したのかに大きな疑問を抱いた。

とりわけ20192月、同社は、基幹事業であるTSUTAYA(当時のTSUTAYA代表取締役会長は、増田宗昭CCC社長)に消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)を認定された結果、11753万円もの課徴金を課せられている。そのような社会的不正行為を働いたことが広く認知された以上、今後、同社が対外的に自社の事業成果をアピールする公共の事業に参画する資格は、完全になくなったととらえていただけに、坂出市が新図書館の運営者にCCCを選定したことへの驚きは大きかった。


そこで、坂出市に対して、令和7129日付文書にて「駅前に建設が予定されている坂出市立図書館の運営者にCCCが選定されるまでのプロセスがわかるもの」を請求したところ、4月末頃、2290枚の文書が開示資料として送られてきた。しかし、その送られてきた資料の中には、CCCが具体的にどのような提案を行ったのか、また競合する他社と比較して同社のどのような点が高く評価されて選定に至ったのかがわかる文書は一枚もなかった。それらしき書面はすべて黒塗りされていた。


坂出市は、公募に参加した企業の競争上の利益や、選定委員の意思決定の中立性を理由に、これらの情報を非開示としているのだろうが、その非開示理由は、市民に理解を得ることよりも、公募に参加した企業の競争上の利益や選定委員の秘密を、最優先するという意味にしかとらえられない。全国が注目している今回のような図書館運営の公募において、文書をことごとく黒塗りにしなければならない合理的な理由がみあたらない。決定プロセスを完全に秘匿した「暗黒行政」そのものである。

選定された事業者のプロポーザルは、「これからこのような事業を行います」という市民に対する約束という意味合いもあるのに、その内容すら秘匿してしまうと、ただでさえCCCは、全国の受託施設で問題を起こしていて、その評価に疑問符がついているのに、そのうえ、選定の対象となる提案内容すら知ることができないとなると、ますますCCC選定には、何か裏があるのではないかとの疑念を抱かざるをえない


行政による情報開示の目的は、公費が投入される事業が公正公平に行われたことを市民に広く理解してもらうためである。

しかるに、坂出市は、今回、そうした説明責任を果たそうとする前向きな姿勢がほとんど感じられない。市民へ理解を求めることよりも、受託企業の利益を最優先にしているようにみえる。

ついては、再度、CCCを選定した理由が、誰でも容易に理解できるよう、CCC及び競合他社の提案内容の詳細がわかる書面や、その提案内容を審査した審査委員がどのような評価を行ったのかが詳しくわかる資料を開示していただきたい。

もし、それができないのであれば、坂出市の行政は透明性がきわめて低く、公正公平に事業者を選定していないのではないのかという印象を広く世間に与えることになるだろう。


5 処分庁の教示の有無及びその内容

「この決定に不服がある場合は、この決定があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、審査請求をすることができます」との教示があった。











2025年7月14日月曜日

「東京の図書館をもっとよくする会」で講演してきました

 

こんにちは、日向です。


先日、お知らせしておりました「東京の図書館をもっとよくする会」の総会で開催された講演会を無事、終えてきました。


「大盛況」とまではいきませんが、リモート参加も含めて結構な数の方にご参加いただきまして、いまだにツタヤ図書館問題は、広くご関心を持っていただけるテーマであることを再認識するいい機会になりました。


講演内容については、同タイトルの新書のエッセンスをご紹介したものですので、すでに本をお読みいただいた方にとっては、既知のことばかりで、いまひとつ物足りなかったかもしれません。それでも、公文書をここまで徹底的に黒塗りして開示してくる自治体の異様さについては、聴衆のみなさんに、私の認識を共有していただけのではないかと感じています。


取り急ぎ、当日参加者の方に配布されたレジメと、講演のなかでご紹介した資料・図版の一部、会場に展示した黒塗り公文書の画像を文末に掲載しておきます。


よろしくお願いいたします。





第30回 東京の図書館を もっとよくする会 総会  2025/7月13日(日)  

 

講演:黒塗り公文書の 闇を暴く  日向咲嗣


1.和歌山市民図書館が出してきた黒塗り公文書1400枚の中身


①ツタヤ図書館とは?

・「TSUTAYA」を全国展開するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が指定管理者となって運営する公共図書館のこと。

・2013年4月に、佐賀県武雄市に第1号が誕生(既存建物を改装)

・ 年中無休で夜9時まで開館、開放感のある吹き抜け空間と高層書架がオシャレ、館内にスターバックスがあって、コーヒーを飲みながら本や雑誌を読める、新刊書店、レンタル店が併設、従来の図書館にはない民間ならではの斬新な試みとして注目。「官民一体の取組による画期的な図書館」として、メディアから賞賛

・武雄市では、いつのまにか大事な郷土資料が廃棄

・価値のない古本を大量に図書館蔵書として購入(2015年9月に増田社長が謝罪文)

・書店方式の独自分類がわかりにくく、2015年新装開館の海老名市では大混乱に陥り、共同事業体のTRCがCCCの運営を公然と批判

・貸し出しに採用したT カードは個人情報保護に不安という声が絶えない


 ②和歌山市では、市駅前に移転・建設予定の市民図書館の指定管理者を広く公募して2017年11月にCCCを選定していた

・「来年開館する市民図書館について、南海電鉄と話し合ったすべての文書」を2018年4月に開示申出⇒7月に開示

・1400枚の文書のうち約92%が黒塗りされていた


③不開示理由は、情報公開条例を総動員

(1)「個人情報なので開示しない」(行政機関は、利用目的以外の保有個人情報(民間人)の提供を禁止されている)(2)「企業秘密なので開示しない」(3)「開示すると、率直な意見交換しにくくなる」(4)おそらく、建物の図面が一部警備上の理由で開示できないということだった


2.企業秘密にあたるかは、誰がどう判断したのか?

・市民図書館の担当者が該当部分の企業に、どこを黒塗りにするかを電話で問い合わせた内容が開示。南海電鉄、RIAともにまったく同じ文句だった

・法人独自の企業 ノウハウや、営業活動上の秘密に関する情報等が記載されている部分については、法人の事業活動が損なわれる可能性があるため不開示とする



3.大量の文書を黒塗りして開示したのは市民図書館

・送られてきたダンボールを開封して衝撃。ほぼ何もわからないことに絶望

・これではなんの記事も書けないので、調査はここで終了か?

・開示を担当したのが、市民の知りたい要望に応え、情報アクセスをサポートするはずの市民図書館だったことに衝撃。

・それでもなにかわかることはないものかと黒塗り文書の中身を表にしていった


4.調整会議メンバーが大挙して武雄市視察

・14年11月に三者合同で武雄市に視察に出かけていたことが判明。

・復命書(出張報告書)は、すでに廃棄されていたが、旅費に関する文書が開示。市の職員4名(うち1名は市教委所属)、県庁の職員3名の合計7名。武雄市が発表している平成26年度の「視察受入状況」では、11月13日に「和歌山駅周辺活性化調整会議・事例研究会」の名目で15名参加。残り8名は南海電鉄サイドからの参加だった。旅程表に添付されていた内容から、主催者はRIAと推測できる。



5.多賀城市のケースとソックリな和歌山市の視察

・2016年3月に駅前にツタヤ図書館が開館した多賀城市でも、まだ何も決まっていない段階で、市教委のメンバーが武雄市に出向いてCCCのスタッフと打ち合わせしていた記録があとから流出(市教委は存在を否定していた)。

・CCCが詳細な工程表を作成。誰がいつまでに何をするかまでCCCが決めていた。和歌山市でその役割を担っていたのがRIA。

・RIAの暗躍


6.国交省からの天下りがキーマン

・和歌山県庁が開示した旅行命令簿には、県都市住宅局・都市政策課長(当時)の皆川武士氏の名前が。2012年に国土交通省から人事交流で派遣されてきた若手のキャリア官僚。2015 年7 月に退任して国交省に戻る際、地元メディアに「皆川課長は、任期中和歌山市駅前の再開発に道筋を付けました」と報じられていた。自治体に巨額の補助金を出して中心市街地の再開発を推し進めていた国が、集客の目玉にツタヤ図書館に飛びついたか

・県庁から人事交流できていた中西達彦氏。2014年7月の市長選で当選した尾花氏の出身と同じ部署にいた技官で、尾花氏の“懐刀”とみられていた人物。


7.市長が代わるタイミングで大型再開発プロジェクト推進

・南海電鉄和歌山市駅は、1972 年の駅ビル完成当時と比べて乗降客数は半減。2013年に高島屋が撤退を表明して、市駅前の空洞化が決定的になり、そこに現れたのが、駅ビルを建て替えて、集客の目玉にツタヤ図書館を誘致してくるというものだった。


・調整会議がスタートしたのが2014年6月。その2か月後に新市長が誕生。地域経済が急速にしぼんでいくなか、ツタヤ図書館をテコにして、なにがなんでも中心市街地再開発を成功させたいという国と地元の意向を実現するために担ぎ出されたパーツのひとつだったのではないか。


8.グランドオープン当日に暴かれた官製談合疑惑

・突然送られてきた2通の内部告発

・きれいに黒塗りが外された文書の中身

・言い逃れのきかない市長プレゼン

・議員が要請してようやく開示された入札調書

・落札者がいちばん高い価格をつけていた

・沈黙する当事者たち


9.市民団体が行なった2度の審査請求

・審査員の採点を明らかにせよ

・誰がCCCに高得点をつけたのか

・提案書は、ほぼのりべん

・1000日かけて勝ち取った海苔剥がし

・担当者が1年半放置していた理由



10.住民監査請求があぶり出したもの

・情報開示請求によってわかったコモンの私物化

・市民団体との情報共有の成果

・開館後も、次々とあかるみに出る不正疑惑・不祥事

・9つの監査請求

・地元メディアは、誰の味方なのか


11.黒塗り公文書が意味するもの

・歪められた行政を可視化した黒塗り公文書

・いまこの瞬間にも尋常でないことが行なわれている

・「坑道のカナリア」になった図書館

・アイヒマンの「凡庸な悪」と公務員




















2025年7月10日木曜日

ビジネスジャーナル連載終了のお知らせ

 

こんにちは、日向です。


本日は、長年、皆様にご購読(無料ですが)いただいておりましたビジネスジャーナルのツタヤ図書館問題連載終了のお知らせをしておきたいと思います。


同サイトで拙記事が最後に掲載されたのは、2023年12月27日でした。


和歌山市ツタヤ図書館、所在不明本が急増…1度に7千冊を除籍、CCC運営で


2017年11月にCCCが指定管理者に選定され、2020年6月にオープンした和歌山市民図書館における、開館後の運営の実態を、「除籍」と「不明本」という、ふだんは表に出てこない数字を追いかけることで、詳しくみてきたものです。


はからずも、この取材の課程で、隠ぺいされていたCCCの始末書が出てきまして、非常に地味な内容であるにもかかわらず、みなさまから、たいへんご好評をいただいた記事でした。


これを発表した際には、まさか、最終回になるとは夢にも思っておりませんでしたので、ご報告をすることもなく本日まできてしまいましたが、実は、この直後に、編集部から「当面は、新規の原稿は控えてほしい」との連絡がありました。


同サイトを運営していたサイゾーが、BJの身売りを検討しているとのことでしたので、売却先が決まるまでは、これまでのように数多く記事を出さない方針のようでした。



私のほうは、奇しくも、ちょうどそのタイミングで、これまでに書いてきたツタヤ図書館関連の記事を一冊の本として出版する企画を通しておりましたので、当面は新書の執筆に専念するということで、BJの連載は一時休止するだけというつもりでした。


そもそも、BJ編集部とは、最初から「ツタヤ図書館問題」について連載記事をスタートするという合意はありませんでした。ツタヤ関連で、なにかしらニュースとして書くべき事案が発生するたびに、編集部と相談をして取材執筆を進めてきたところ、気が付いたら長い連載記事になってしまったという経緯でしたので、終わりを意識することがまったくなかったのが、こうなった理由です。


しかし、今年3月から、BJの運営会社が変わりまして、これまで通りツタヤ図書館問題を取り上げていくのは容易ではないように感じましたので、一応、昨年10月の新書刊行を一区切りとして、BJでのツタヤ図書館問題についての連載は終了ということを告知させていただくことにしました。


もちろん、CCCやツタヤ自治体で、新たに事件が起きるなどすれば、連載としてではなく、単発記事として書く可能性はあるとは思いますけれど、2015年から続いてきたBJでのツタヤ図書館問題は、2023年12月末を持って一区切りとさせていただこうと思います。


“図書館民営化”というモンスター


2015年にスタートしたときには、このテーマはせいぜい2、3本書いて終わりのつもりでしたが、2016年に宮城県多賀城市に、武雄市、海老名市につづく「第三のツタヤ図書館」がオープンして、その選書リスト分析記事を書いたのをきっかけに、次々と他の自治体での疑惑や不祥事にも首を突っ込むことになりました。


2017年11月の和歌山市でのCCC選定発表からは、とんでもなく大きな闇が背後に控えているのではないかという認識を抱くようになりまして、2018年からは、一時的に、週プレNEWSにも舞台を移して、CCC選定の裏にあるものをしつこく追及していきました。


いま数えてみたら、2017年から2018年にかけてだけでも30本近く発表しております。なので、2015年から2023年末までには、少なくとも50本以上、当ブログだけに発表した取材記事もいれると、ゆうに100本は超える記事を書いてきたことになります。


特定企業のひとつの事業だけについて、これほど多くの記事が書かれることは、めったにないことだろうと思います。例をあげるとすれば、国鉄民営化とか郵政民営化とかに匹敵するくらいの問題をはらんでいるテーマであり、たまたま私が遭遇したので、いきかがかり上、8年にもわたって同じテーマの記事を書いてきましたが、行政運営上はもちろん、地域の教育文化育成の面でも、もっともっとほかのメディアも取り上げるべき重要な問題だろうと、いまも思っています。



残念ながら、地元メディアが、このテーマで批判や検証記事を書くことはまずなく、マスメディアにいたっては、CCC関連では提灯記事しかみかけません。


どんな非常識なことが起きても、私が書かなかったら、まったくなかったことにされてしまいそうでした。それにおいうちをかけるように、snsでの個人の発信によって、ツタヤ図書館が、いかにオシャレで快適な施設であるかを“映える”画像で大量に流されることが常態化しており、行政が特定企業の食い物になっている実態など、ほとんどの人は知らないまま、今日まできています。



そういうなかで、ビジネスジャーナル編集部が、8年間にもわたって、未熟な書き手である私にこの問題を書かせていただいたことには、文字通り、感謝の念しかありません。


この場を借りて、改めてBJ編集部の方には、お礼申し上げたいと思います。



ということで、BJの連載は、一区切りつきました。


気になるのが過去記事の扱いです。いまのところ、運営会社が変わっても、過去記事は、そのまま掲載されているようですが、編集部に確認しますと「原則として2年を経過したものから掲載終了になる」とのことでした。


なので、当ブログでリンクをはっている記事のなかにも、すでにアクセスできなくなっているものも、チラホラみかけるようになっています。


その際には、以下のサイトで魚拓がとられていないかどうか確認してみてください。


https://web.archive.org/


かつて「たけおクラスタ」と呼ばれていた方たちは、消される可能性のある情報はすぐさま魚拓を取るという優れたビヘイビアをお持ちでしたので、もしかしたら拙記事についても、どこかに保存していただいているかもしれません。


ただ、それでも過去記事にアクセスするのが難しいことに変わりありませんので、今後、当ブログにアーカイブの形で、順次、転載していきたいと思っています。


ということで、取り急ぎ、BJ連載終了りお知らせをさせていただきました。


今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。



2025年7月9日水曜日

「ほぼ月刊ツタヤ図書館」が休刊してることについての近況報告

 

こんにちは、日向です。


本日は、昨日の講演会告知で予告しました“四方山話”を書いておきたいと思います。


昨日の更新は、今年1月28日以来のことでした。


2025年1月28日火曜日

教育委員会を徹底排除? 坂出市ツタヤ図書館の衝撃


それから5か月ちょっとの期間、新しい情報を発信することができなかったのは、


第一に、先月発売となりました、私の専門といいますか、本業としているビジネス書籍の改訂作業に2月から3月にかけて専念しておりまして、ブログを更新する余裕がなかったためです。


第10版 失業保険150%トコトン活用術 (DO BOOKS)

2025年5月31日 同文舘出版刊

https://www.dobunkan.co.jp/books/detail/003458


ゼロから書き下ろすのではなく、すでにある本の改定でしたので、原稿執筆作業自体は、そんなに手間どらないのですが、5年、10年に一度の法改正となりますと、確認すべきことが多くあり、法改正によってなにが変わって、何が変わらないのかをひとつずつ調べていく根気のいる作業に時間がとられておりました。


一方、ツタヤ図書館関連で、まったくネタがなかったわけではありません。開示請求もつづけて行なっておりますし、和歌山市などツタヤ自治体の方からの情報提供もいただいておりますので、随時、それらをアップするべきでしたが、ちょうど本の改定作業が一段落した、4月になった頃に、今度は、体調を崩しまして、ほぼ一か月間丸々休養することになりました。


といっても、大病したわけではありません。泌尿器科系の病(抗ヒスタミン薬の副作用が引き金)で、一週間くらいは悶絶したものの、おかげさまで、その後は、通院と投薬でなんとか普通の生活に戻ることができました。結果、大きな支障はなかったのですが、一度休みますと、本調子に戻るまでには少し時間がかかったということでした。


あとは、諸般の事情(近隣工事が原因で自宅建物が損傷)により、6月に自宅の引っ越しを余儀なくされまして、その対応に大わらわだったという事情もありまして、仕事場の資料や本の整理はまだまだこれからですが、とりあえず生活は落ち着いたという感じです。


そうして気が付いたら、2025年も半分が過ぎてしまい、これはいかん、なんとか後半戦に向けてエンジンをかけないとと焦っている次第です。


それから、ビジネスジャーナルの連載はどうしたの?とご心配いただく方もいらっしゃる方もしれません。その件は、すこしややこしいので、別のエントリーを立ててご説明します(といっても、なにか取り立てて問題があったわけではありません。


できるだけ早くご報告したいのは、今年1月に行なった情報開示請求について坂出市が4月に文書を開示してきまして、それに対して6月末付けで、不服を申し立てる審査請求を行なった件です。


後日、ご報告するつもりですので、少し気にかけておいていただければ幸いです。


ということで、本日は、近況報告のみさせていただいて、明日以降、少しずつエンジンをかけていきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。


2025年7月8日火曜日

7月13日日曜日に「東京の図書館をもっとよくする会」で講演します

 

んにちは、日向です。


しばらくブログの更新をしておりませんでしたが、なんとか無事に生きております。


さて、本日は、緊急でひとつお知らせをしたいと思います。


タイトルにある通り、7/13日曜日午後1時半から、「東京の図書館をもっとよくする会」の総会において講演をします。


タイトルは、近著と同じく『黒塗り公文書の闇を暴く』です。いまのところ、新書に書いた内容をダイジェストにしてお話しようと思っていますが、もし時間が許せば、質疑応答等で、本には書けなかったことなどもお話したり、また、黒塗りされた公文書の現物を会場に持ち込んで、可能な範囲で、参加者のみなさんに“海苔弁”をご鑑賞していただこうと思っています。


会場は、東京・中央区茅場町にある日本図書館協会です。「東京の図書館をもっとよくする会」の総会での開催となりますので、会員限定かと思いきや、事務局に確認しましたところ「どなたでも参加可能」(無料)だそうです。


オンライン配信(Zoom)もあるそうですから、来場は難しい方は、そちらに申し込んでいただけれ、ご自宅からも視聴可能です。


事前申し込みも不要で、オンライン視聴の申し込みも当日まで可能だそうです。


当ブログの読者の方と、直接お話する機会はめったにありませんので、もしよろしければ、これからでも、ご検討いただければと思います。


ブログ更新を怠っていた期間についての、よもやま話は、この後、別の記事に書きたいと思っています。


よろしくお願いいたします。







詳細は、「東京の図書館をもっとよくする会」のサイトをご参照ください。