2025年7月23日水曜日

図書館移転を決めた会議の議事録がない坂出市


こんにちは、日向です。


本日は、JR坂出駅前にツタヤ図書館を核とした複合施設を建設する件についての続報です。


2025年1月28日火曜日


事業決定からCCCが選定されるまでのプロセスがわかる文書を1月末に開示請求しておりましたところ、4月下旬、市長部局と教育委員会から別々に開示対象文書が送られてきました。

市長部局の分だけで、ざっと2300枚にも。一方の教育委員会のほうは147枚と少なく、いずれもCDに収納したデータで開示されました。なので、手数料はそれぞれ50円、計100円で済んだのは、とてもありがたかったのですが(和歌山市なら、CDで開示しても1枚10円の手数料を取られます)、

私がいちばん知りたかったことが書かれた文書

すなわち、坂出市は、いつ、誰が出席した、どのような会議で、駅前に図書館を移転して複合施設を建設することを正式に決めたのか

――は、どこにもないんです。市民に対するアンケートとか、市民参加のワークショップの記録やコンサルタントによる報告書、各地の視察記録はあるのに、それらの検討を経て、市当局が、いまある図書館を廃止して、駅前再開発の複合ビルに図書館を移転するという事業計画を正式に決定したことが分かる文書がどこにもないんです。

教育委員会のほうからは、事前に、そういう文書(新図書館について検討して決裁したことがわかる文書)は「ない」といわれてましたので、「やはりそうか」で終わるんですが、さすがに2300枚も出してきた市長部局のほうは、なにかしらそれに類する記録があるはずと探してみましたが、いくら探しても、どこにもみあたりませんでした。

そこで、ついさきほど、担当課に電話をして、こう聞いてみました。

――昨年、事業者を公募するにあたって、駅前に図書館を移転して、このような複合施設にするという最終方針が決まったことがわかる文書はどこにありますか?


答えは

そういうのは、ありません。

――えっ、庁内の会議で決まったんですよね?

はい。教育委員会からも出席した検討会議で決まりました。

――その会議録は?

ないです。

――えっ、作成してないの?

はい

――重要なことなのに?

はい

――坂出市には、公文書作成ルールはないの?

ないかどうかは、すべて条例を把握しているわけではないので、わかりません。

――はぁ、坂出市は、重要なことを決めるのに、会議録を作成しなくてもいいということですね。

……。


そもそも、図書館を管轄する教育委員会において、新図書館の建設・移転について決裁した文書が一枚もなく、図書館サイドは「そういうのはすべて公民連携課で決めている」と言ってたのに、結局、市長部局でも、この件に関する検討会議の記録はないということなんですよ。

もちろん、庁内の「検討会議」を経て決定しているというのは事実なんでしょうけれど、行政がその決定を示す文書を一枚も残さないというのは、いくらなんでも酷くないですか。

やっぱり、市長の鶴の一声によって、駅前の再開発ビルに図書館をもってくることが決まったのかなぁという印象を再度持ちました。


そのほか、結果的にCCCが選定されたコンペでの、事業者の提案や選定プロセス・採点等については、例によって黒塗りだらけで、なにがなにやらさっぱりわかりません。

どうでもいい書類を大量に開示することで、市民を煙に巻こうとしているかのような対応だと感じました。

ただし、ありがたいことに、坂出市は市内在住者だけでなく、誰でも開示請求できる自治体なので、不服がある場合は審査請求ができます。

そんな貴重なチャンスを活かさない手はないと思いまして、先月末付けで審査請求書を出しておきました。


とりあえず、教育委員会のほうからは「受理しました」という通知をいただいておりますので、これから審査会の委員の先生方に、一部不開示とされた黒塗り等が適切かどうかをご審議いただけるものと期待しております。

よろしくお願いいたします。





審査請求書

2025630日  

                                     

   坂出市長殿

   審査請求人 

          日向咲嗣                                                       (連絡先 hina39@gmail.com




次のとおり審査請求をします。


1 審査請求に係る処分の内容

坂出市教育委員会の令和7331日付けの公文書開示決定書に関する処分(坂公第5540


2 審査請求に係る処分があったことを知った年月日

   令和年7415



3 審査請求の趣旨

当該文書について、「一部を公開することを決定」「不開示部分については開示しない」を取り消し、「今回、開示請求のあった文書については、全部公開する」との主旨の裁決を求める。


4 審査請求の理由

審査請求人は、20249月頃、図書館等の公共施設の運営管理を受託した先で数多くの不祥事(武雄市・海老名市で住民訴訟3件等)を起こしているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を、坂出市が駅前に建設予定の新しい市立図書館の運営者に選定したことをニュース報道で知り、なにゆえ、そのような問題多発企業を坂出市は選定したのかに大きな疑問を抱いた。

とりわけ20192月、同社は、基幹事業であるTSUTAYA(当時のTSUTAYA代表取締役会長は、増田宗昭CCC社長)に消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)を認定された結果、11753万円もの課徴金を課せられている。そのような社会的不正行為を働いたことが広く認知された以上、今後、同社が対外的に自社の事業成果をアピールする公共の事業に参画する資格は、完全になくなったととらえていただけに、坂出市が新図書館の運営者にCCCを選定したことへの驚きは大きかった。


そこで、坂出市に対して、令和7129日付文書にて「駅前に建設が予定されている坂出市立図書館の運営者にCCCが選定されるまでのプロセスがわかるもの」を請求したところ、4月末頃、2290枚の文書が開示資料として送られてきた。しかし、その送られてきた資料の中には、CCCが具体的にどのような提案を行ったのか、また競合する他社と比較して同社のどのような点が高く評価されて選定に至ったのかがわかる文書は一枚もなかった。それらしき書面はすべて黒塗りされていた。


坂出市は、公募に参加した企業の競争上の利益や、選定委員の意思決定の中立性を理由に、これらの情報を非開示としているのだろうが、その非開示理由は、市民に理解を得ることよりも、公募に参加した企業の競争上の利益や選定委員の秘密を、最優先するという意味にしかとらえられない。全国が注目している今回のような図書館運営の公募において、文書をことごとく黒塗りにしなければならない合理的な理由がみあたらない。決定プロセスを完全に秘匿した「暗黒行政」そのものである。

選定された事業者のプロポーザルは、「これからこのような事業を行います」という市民に対する約束という意味合いもあるのに、その内容すら秘匿してしまうと、ただでさえCCCは、全国の受託施設で問題を起こしていて、その評価に疑問符がついているのに、そのうえ、選定の対象となる提案内容すら知ることができないとなると、ますますCCC選定には、何か裏があるのではないかとの疑念を抱かざるをえない


行政による情報開示の目的は、公費が投入される事業が公正公平に行われたことを市民に広く理解してもらうためである。

しかるに、坂出市は、今回、そうした説明責任を果たそうとする前向きな姿勢がほとんど感じられない。市民へ理解を求めることよりも、受託企業の利益を最優先にしているようにみえる。

ついては、再度、CCCを選定した理由が、誰でも容易に理解できるよう、CCC及び競合他社の提案内容の詳細がわかる書面や、その提案内容を審査した審査委員がどのような評価を行ったのかが詳しくわかる資料を開示していただきたい。

もし、それができないのであれば、坂出市の行政は透明性がきわめて低く、公正公平に事業者を選定していないのではないのかという印象を広く世間に与えることになるだろう。


5 処分庁の教示の有無及びその内容

「この決定に不服がある場合は、この決定があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、審査請求をすることができます」との教示があった。











0 件のコメント:

コメントを投稿