こんにちは、日向です。
本日も、香川県坂出市のツタヤ図書館について、情報開示請求を行なった結果、開示された公文書について書いておきたいと思います。
開示されたのは、市長部局(公民連携DX課)が約2300枚、教育委員会が約140枚の計2400枚でした。
一刻も早く一般公開して、みなさんにみていただこうと思っていたのですが、これだけの分量があると、グーグルドライブの容量が逼迫しかねないので、市長部局の分は後回しにして、とりあえず先に教育委員会が開示した分だけ、公開したいと思います。(大容量のデータを公開するのに、なにかいい方法があったら、みなさん教えてください)
坂出市教育委員会が開示した資料の一覧 |
↓全文は、ココにあります。
ざっとみていただければ、わかると思うのですが、肝心要の教育委員会が市立図書館の移転について決裁した文書は一枚もみあたりません。
各地の視察報告(私が例示して開示を求めました)と市長部局からの要請で作成したと思われる新図書館の業務要求水準書が冒頭にきいています。そのほかは、ふだん通り定例的に開催されている図書館協議会の会議録がほとんどです。そこには、途中から駅前に移転する図書館に関して、関係者が説明していることがわかる文書は出てくるものの、教育委員会として、この問題を正式に検討したことがわかる文書は、どこにもありません。
通常の協議会の議題が次々とこなされていくなか、唐突に新図書館構想のパンフレットが出てきたりします。また図書館利用に関する調査結果が出てきたり、著名な講師を呼んだ勉強会が開催されていたり、ワークショップが開催されていたりはするものの、正面切って、いまある図書館を移転すべきかどうか、移転するならどこにすべきか、さらには駅前移転の計画は適切かなどについての議論が行なわれた形跡は微塵もありません。
なのに、CCCが運営者に決まった後、新図書館での図書館ボランティア活動の意見交換会が開催されていたりします。その意見は、ご丁寧に、ほぼすべて黒塗りという有様です。
だとしたら「教育委員会内部で新しい図書館について検討したことがわかる文書」等については「不存在」決定を出すべきです。そうせずに、関連文書だけ大量に出してきてお茶を濁すというか、目くらましをするというか、市民を煙に巻くというか、とにかく、さんざんお願いして「こうしう文書がほしいんですよ」と要請しているにもかかわらず、その文書についての存否すら答えずに、どうでもいいものだけ大量に出してくるという不誠実な対応には、ほとほとあきれ返ります。
坂出市教委は、ちゃんと正式な議題に上げて、この件について委員が意見を出した結果、教育委員会として新図書館建設・移転を承認していないのですから、行政の手続きに重大なる瑕疵があるというべきでしょう。
市立図書館を管轄する教育委員会での決裁がないわけですから、この後、市長部局で出された図書館建設・移転に関する決定はすべて無効ということになってしまいます。
市民の方は、ぜひ、住民訴訟を提起されることをおすすめします。
しつこいようですが、これまでもさんざん述べてきたように、図書館の権限を市長部局に移管していないのですから、いまある市立図書館を閉鎖して駅前に新しい図書館を建設するということになりますと、教育委員会での手続きは必須のはず。
そんな手続きはいらなんいんだ、みんな賛成して喜んでるんだから
そう有福市長は言うかもしれませんが、行政として最低限守らなければらないルールを強引に捻じ曲げたのだとしたら、まさに前代未聞の出来事です。
そして、そのような経緯をまったく報じることなく、ツタヤ図書館礼賛記事をこれから書くであろう地元メディアも同罪でしょう。
ということで、取り急ぎ、坂出市教委の開示文書をアップしておきますで、なにかお気づきのことがありましたら、教えていただけると幸いです
よろしくお願いいたします。
日向
↓市長部局の開示と同じく、教育委員会の開示についても、6/30付で審査請求を行いました。
審査請求書
2025年6月30日
坂出市教育長殿
審査請求人
日向咲嗣
(連絡先 hina39@gmail.com)
次のとおり審査請求をします。
1 審査請求に係る処分の内容
坂出市教育委員会の令和7年3月28日付けの公文書開示決定書に関する処分(坂教図第5046号)
2 審査請求に係る処分があったことを知った年月日
令和年7月4月15日
3 審査請求の趣旨
「一部を公開することを決定」「不開示部分については開示しない」を取り消し「全部公開する」との裁決を求める。ただし、請求分のうち「教育委員会が新しい図書館について検討したことがわかる文書」については、「不存在」とする裁決を求める。
4 審査請求の理由
審査請求人は、2024年9月頃、図書館等の公共施設の運営管理を受託した先で数多くの不祥事(武雄市・海老名市で住民訴訟3件等)を起こしているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を、坂出市が駅前に建設予定の新しい市立図書館の運営者に選定したことをニュース報道で知り、なにゆえ、そのような問題多発企業を坂出市は選定したのかと大きな疑問を抱いた。
とりわけ2019年2月、同社は、基幹事業であるTSUTAYA(当時のTSUTAYA代表取締役会長は、増田宗昭CCC社長)が消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)を認定された結果、1億1753万円もの課徴金を課せられている。そのような社会的不正行為を働いたことが広く認知された以上、今後、同社が対外的に自社の事業成果をアピールする公共の事業に参画する資格は、完全になくなったととらえていただけに、坂出市が新図書館の運営者にCCCを選定したことへの驚きは大きかった。
そこで、審査請求人は、坂出市に対して、令和7年1月29日付文書にて、駅前に建設が予定されている坂出市立図書館事業について、教育委員会内部で検討したことがわかる文書」等を請求したところ、4月末頃、147枚の文書が開示資料として送られてきた。しかし、その送られてきた資料の中には、坂出市教育委員会内部において、駅前に新しい図書館を移転することの是非や、その必要性、駅前移転の優位性とデメリット、今後の課題、あるいは新しい図書館はどうあるべきかなどについて、詳細な議論したことがわかる文書や、そのプロセスを経て新図書館の移転を教育委員会が正式に承認・決済したことがわかる文書は一枚もなかった。詳細な検討プロセスはなにもないまま、唐突に新図書館構想に関するリーフレットが出てきたり、まだなにも決まっていない段階のはずなのに、駅前再開発エリアに図書館をつくることがすでに内定されているかのごとく、外部の専門家を招いた職員向けのワークショップに関する資料が開示されたにすぎない。
これが同市教育委員会が保持している、審査請求人が請求した内容に関連する文書のすべてだとしたら、図書館を駅前に移転して建替え、いまの中央図書館は廃止し、その運営を民間企業に委託するという、地元市民にとっては、このうえもなく重大な事柄について、所管する教育委員委員会では一度も議題にのぼることがなく、もちろんその承認も一切経ておらず、民間委託へ向けた条例の改正もなく進められていたことになる。
坂出市は、市立図書館等の教育文化施設の権限を市長部局に移管しておらず、新しい図書館を建設するのであれば、所管する教育委員会での承認・決済が必須のはずである。
そうした必須の手続きを経ていないならば、審査請求人の開示請求に対して「不存在」決定を出すできである。にもかかわらず、請求されていない文書ばかりを出してきた市教委の対応は、そのような不法行為をごまかすために市民を煙の巻く行為をしたのではないかと指弾されても仕方ないだろう。
また開示された文書についても、企業の競争上の利益や、未成熟情報であることを理由に一部黒塗りされているが、その非開示理由は、情報公開条制度の主旨からはかけ離れたものばかりである。全国が注目している今回のような図書館事業において、文書を黒塗りにしなければならない理由はみあたらない。このような公文書の恣意的な黒塗りは、決定プロセスを完全に秘匿した「暗黒行政」そのものである。
行政による情報開示の目的は、公費が投入される事業が公正公平に行われたことを市民に広く理解してもらうためである。
しかるに、坂出市は、今回、そうした説明責任を果たそうとする前向きな姿勢がほとんど感じられない。市民へ理解を求めることよりも、受託企業の利益を最優先にしているようにみえる。
このままでは、坂出市の行政は透明性がきわめて低く、公正公平に事業者を選定していないのではないのかという印象を広く世間に与えることになるだろう。
5 処分庁の教示の有無及びその内容
「この決定に不服がある場合は、この決定があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、審査請求をすることができます」との教示があった。
0 件のコメント:
コメントを投稿