2024年2月18日日曜日

CCC絶対有利な採点基準をつくったのは誰なのか?

 

こんにちは、日向です。



本日も富士市が北口再開発事業で計画している公益施設(2028年オープン予定)についてです。


開示資料にある運営支援業務の募集要項をパラパラとみていたら、


んー、これは。


と思った個所がありました。たとえば、以下のような箇所です。


図書スペースの運営方法の具体性、独自性



カフェブランド選定、単価、客数見込みの具体性、賑わい創出や諸機能連携に貢献できるカフェ提案になっているか


富士市・選定経緯・視察資料一括.pdf 13ページ


ほかにもたくさんあるのですが、特にこのへんは、あきらかにCCC運営の延岡エンクロスや丸亀マルタスをイメージした作文です。


市民センターで「図書館スペース」を設置しているのは、これらCCC運営のツタヤ図書館もどきならではの独自性ですし、「カフェブランド云々」についてもCCCがライセンス店舗で運営しているスターバックスを意識したものに思えます。


まだどのような施設にするのかはっきりとしたコンセプトが決まっていないのに(少なくとも募集要項では明確にされていない)


なぜか、提案書の評価基準にこういう偏った内容をもってきているんです。



これみたとき、私は、こう思いました。



この募集要項そのものをCCCが作成したのかな?


そんなバカな。これから応募しようとする事業者が、募集要項を作成しているなんて、まるで入学試験の問題を受験者がつくるみたいなことするわけない。



そう思いますよね。私も、なんの先入観もなければ、そう思います。



ところが、あるとき、もしかして、CCCが選定される自治体の募集要項は、CCC自らが作成している


としか考えられない出来事があったからなんです。



疑惑の業務要求水準書



あれは、3年前の4月のことでした。前年にツタヤ図書館としてオープンした新和歌山市民図書館について


NHKが地域版のニュースで、「ツタヤ図書館になってからも、運営費は直営時代と変わらない」という、運営者サイドのコメントをなんの検証もなしに垂れ流していましたので、そのウソを暴く検証記事を当ブログに書きました。


2021年4月15日木曜日

このなかで、改めて問題視したのが、


指定管理者が満たすべき司書資格率を


パートを除く、全従事者の50%以上


としていた件です。


2015年にツタヤ図書館になった海老名市では


全従事者の50%以上」としていました

(CCCは、この要件をクリアできていなかったことが2018年6月議会で発覚)



当然、和歌山市でも同じ基準でいくんだろうなと思っていたら


全従事者の50%以上


の前に


●パートを除く●という一文を入れることで、劇的に司書資格者を少なくできるようにしていたんです。



たとえば、和歌山市民図書館の総スタッフ数は、2020年6月のオープン時には77人いましたので、


「全従事者の50%以上」なら39人司書資格者がいないと基準を満たせませんでしたが、26人しかしませんでしたのでアウトでした。


ところが、「パートを除く、全従事者の50%以上」としたら、フルタイム勤務者は20人のうち10人が司書資格者であればセーフです。


実際は、フルタイム勤務者20人のうち16人が司書資格者でしたので、かろうじてセーフになっていました。


本館と西館の合計


スタッフ総数

パート

フルタイム

フルタイムのうち司書資格者

パートのうち

司書資格者数

司書資格者計

有資格率

2019/3/31(※)

37

23

14

10

22

32

86%

2020/03/31

77


56

23

18

10

28

36%

2020/6/30


77

57

20

16

10

26

33%

(※)便宜上、「非常勤」を「パート」、正規職員を「フルタイム」にそれぞれ分類して比較したが、実際の勤務時間でみると、この当時、短時間勤務者はおらず、全員がフルタイム勤務だったことがあとから判明した。


こんなバカなことがあるのか。わざわざCCCの都合に合わせて基準を変えるなんて、和歌山市教委の職員は、CCCにワイロでももらっているのか?


そう憤慨していたんですね。



で、少し考えているうちに、そもそもこの基準はいつどの書面で示されていたのか? もしかして、CCCを選定した際の募集要項の時点で、すでにそうなっていたのかもと思ったんです。



そこで、募集要項を作成していた職員を電話で直撃しまして、この点を聞きました。



すると、私がもしかしてと思っていた通り、募集要項に添付されていた業務要求水準書で、すでにこうなっていました。


パート職員や施設の維持管理を主たる業務とした従事者を除く、全従事者の50%以上とする


和歌山市民図書館 指定管理者業務要求水準書 和歌山市教育委員会 生涯学習部 市民図書館 平成29年10月 より


つまり、CCCのためにこうしたのではなく、すでに応募の募集要項を作成する時点で、要件を緩和していたというのです。


いったいなんのために?



そう思って、この担当者に、このような緩い基準とした理由をお聞きしましたところ、


しどろもどろになっちゃったんです。



このときのやりとりを以下に再録します。



いったい、何を根拠にそのような基準にしたのかを、改めて聞きましたところ、こういう回答でした。


よく覚えていないけれど、CCCからひな形を提示されたということはない。


他の自治体のケースをおそらく参考にして、こういうのにしたんだと思う。


パートを除く、全従事者の50%以上としていたところがほかにあったかどうか記憶にない


どこかで、いまは司書を確保するのが難しくなっているという話があったので、その水準にしたんだと思う


――すでに直営での非常勤スタッフのほぼ全員が司書資格者でしたよね。その非常勤は、指定管理以降の継続雇用される方針だったことからすると、もう少し高い水準に設定するのが自然だと思うが?


和歌山市では、確かにそうだったが県内の他市は難しいという話だった。たとえば岩出市とかは。

 

――えっ、なんで他市のことが関係あるの?


……


→このあと、私の質問がいい加減しつこかったのか、


すみません、長くなりすぎたので、このへんでいいでしょうか?

 

 参考のために追記しておきますと、和歌山市が指定管理者の募集要項に添付していた業務要求水準書を作成したのは2017年10月です。この翌月に、指定管理者の選定委員会がCCCを選定するのですが、この時点ではまだ司書資格者の採用が困難という状況にはありませんでした。直営で運営していた旧館では、現場スタッフはほぼ全員が司書資格を保持していましたし、2年後にCCC運営になっても、雇用は継続される予定でしたので、司書資格者が激減する恐れもありませんでした(※1)。それなのに、業務要求水準書で司書資格率を極端に下げていたのは、どう考えても説明がつきません。


(※1)現実には、指定管理移行時にCCCが提示した条件が極端に悪かったため、多くの非常勤スタツフ(ほぼ全員が司書資格者)が退職することになった。



このやりやりを経て、私には、確信めいた気持ちが沸きあがってきました。



募集要項とその添付書類は、CCCが作成して和歌山市に送ったのではないか、和歌山市の担当者は、その内容をロクに検討もせずに、そのまま使用したのではないのか。



すみません。ずいぶんまどろっこしい話になってしまいましたが、富士市の募集要項も、CCCが作成したと考えれは、前出の評価基準がどうして、あそこまでCCC有利になつているのかは、きれいに説明がつきますよね。


要するに、特定のプレイヤーが得意な方向にゴールポストを動かしていたんです。


そもそも、こんな一事業者が絶対的に有利になるような採点基準をもってくるなんて、ふつうに考えたらありえないことです。



こんなことを申し上げたら、たいへん失礼ですが、再開発などにかかわる各自治体の職員の方は、みなさん優秀な方ばかりなのは間違いないんですが、いかんせん、図書館とか市民センターについては、そのあるべき姿といいますか、本来の設置目的を十分に理解しているとは思えないような事業計画が目立ちます。


悪く言えば、民間事業者に、なにからなにまで丸投げするばかりで、自分たちのまちの施設を、市民本位に運営していくにはどうしたらいいのかという考えが決定的に足りないように気がするんですね。


ほんとにしつこいようですが、そんなことばかりしていたら、ほんと一歩間違えれば、官製談合で逮捕されかねないようなことまでも平気で手を染めるといいますか、あきらかに一線を超えているように思います。


この件に関しては、内部の方からの情報提供に期待します。

(コメント欄もしくは右上のメールアドレスまでお願いします)


いまならまだ間に合います。特定事業者の意向を優先するようなことやめて、これから予定されている指定管理者の選定は、公正公平にお願いします。



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