2025年1月10日金曜日

地元企業とタッグを組むCCC

 

こんにちは、日向です。


近く完成する和歌山市の西コミュニティセンター(コミセン)の指定管理者にCCCが選定されていた件、本日は、私の感想を少し書いておきたいと思います。


まず、事実関係を簡単に整理しておきますと、


和歌山市にはすでに、公民館的機能を果たす地域交流の場として市内7か所にコミセンが設置されています。


地元の方によれば、そのうち6か所には図書室が設けられていて、いずれも和歌山市民図書館とオンラインで結ばれて互いに貸出・返却などのサービスを受けることができるそうです。つまり、和歌山市のコミセンは、一館をのぞいて、実質的には地域の図書館機能も担っているわけです。


ところが、新たにできる8館目の西コミセンは、なぜか、この図書館機能が設けられていません。


にもかかわらず、そこの指定管理者に選定された団体にCCCが入っているのは、とってもヘンだと思いませんか。


前にも述べたように、CCCが延岡市エンクロスや丸亀市マルタスで運営している、本の貸出はせずに閲覧だけに限定した“図書館もどき”市民センターを、和歌山市でも設計段階から関与できれば、1円の投資もせずに、自社の思うままの施設を作りあげることができるメリットがあります。しかし、和歌山市からすれば、CCCにコミセンを任せるメリットなんかあるのでしょうか。


そう疑問に感じていたところに、昨年11月の選定結果の表をみて「なるほど、そういうことなのか!!」と思ったのが、阿形教育長とつながりの深い㈱KEGキャリア・アカデミーが、指定管理者に選定された団体・ぶんきょうの杜舎の代表企業になっている点でした。





この団体にCCCが参画した時点で、選定結果は、もう決まったようなものでした。


採点結果をみてみれば、その点は一目瞭然です。ぶんきょうの杜舎がほかの2団体に大差をつけているのは、CCCがいつものようにツタヤ図書館もどきの実績を、広告宣伝風に提案書で過大にアピールしたからでしょう。同社の運営実態をご存じない選定委員の方々にとっては、「延岡市エンクロス年間200万人来館!」という誇大宣伝(読谷山市長が暴いた来館者数のカラクリ)をすっかり信じ込ませられたであろうことは想像に難くありません。



一方で、2020年度から、“若竹学級運営委託事業”と呼ばれている学童保育を受託している㈱KEGキャリア・アカデミーは、「天の声」(天下りした企業を選定した和歌山市・阿形教育長)を受けていてもおかしくないポジションにはいましたが、コミセンの運営を一社で任せるとなると、やや疑問符がつきます。


ということは、㈱KEGキャリア・アカデミーとCCCをくっつけた人物がいて、その人物の思うままに、今回は、ことが運んだんだろうと思いました。それが誰なのか、地元の市議なのか、市長の関係者なのか、それとも民間の人物なのかはまだわかりません(ご存じの方はぜひ、コメント欄に情報をお寄せください)。


なお、和歌山市のコミセンは、現在、一館のみ直営で、残り6館は、公益財団法人である和歌山市文化スポーツ振興財団が非公募で選定され、運営にあたっています。いわば半官半民のような形で運営されてきたわけです。そこに新たにできる西コミセンを民間企業の指定管理にするということは、いずれ8館すべてを民間委託しようという腹積もりなのでしょう。


CCCからしてみれば、図書館運営は結構な人件費がかかってしまうため、たいしてうま味はないと感じているのかもしれません。その点、市民センターであれば、本の貸出をしないので図書館ほど人手をかけることなく、本を納入するだけで利益率は高くなるでしょうし、何より、すでに市民図書館の運営を担っているマネージャーに、新しいコミセンの立ち上げも担当させることもでき、司書資格のいらないスタッフを兼務させることもできなくはないでしょう。


そうして、和歌山市の行政に、より深く入りこむことで、周辺の事業を受託することも容易になるという計算があるのかもしれません。


全国のTSUTAYA店舗が大量に閉店したり、TカードブランドがsmbcのVカードと合併して消滅する一方、次の事業の柱になるはずのシェアラウンジ事業や海外展開での苦境が伝えられるなど、本業は衰退の一途をたどっているCCCにとっては、唯一の成長分野が公共サービス部門なのだろうと思いました。


役所の中の人も選定委員も、特定企業を優遇した民間委託であることは百も承知で、ただ流れに身を任せているだけなのかもしれませんが、市民の大切の公共施設が民間企業の食い物にされることの意味をもう少し真剣に考えてほしいと思うのですが…。




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