こんにちは、日向です。
今年10月からツタヤ図書館として開館予定の沖縄読谷村について、ひとつ気になったことがあったので、取り急ぎメモしておきます。
1月5日に、いつもsnsでツタヤ図書館情報をウォッチしている方が、
読谷村が月10万円で図書館長を募集してる
との情報をポストされていました。
鳴り物入りで開館する沖縄・読谷村のツタヤ図書館の館長の給与が月10万円だなんて、いくらなんでも酷い待遇だなぁ
そう思って、読谷村の募集条件を詳しくみてみたら、
“週3日勤務の会計年度任用職員”としての募集でした。
また勤務期間も、CCC運営になる前の今年4月~9月末までとなっていて、その期間中は移転作業のため休館しているはずなんです。
ということは、教育委員会から学校教育関係者を館長に据えて、その人物が10月から横滑りでCCCの職員として、民間委託した図書館の初代館長になるのではないのかと思いました。
2016年にツタヤ図書館としてオープンした宮城県多賀城市立図書館がまさにそのパターンで、地元で校長までつとめた図書館協議会の会長だった人物が、定年退職後に、CCCに入社して新図書館準備室の室長になり、新図書館開館後に初代館長として就任していました。
(ツタヤ図書館、市から「天下り入社」疑惑の新館長を直撃!「市長から声かけられた」)
それと同じパターンで、教育委員会がCCCのお目付け役としての館長を募集しているのではないかな
そうとらえたんですね。
ところが、本日、読谷村役場のあちこち確認したところ、そんな私の推測は完全に間違ってました。
結論から言えば、現在、直営館の館長をつとめている方が4月以降も、そのまま館長を継続する見込みであり
すでに、マネージャーとして現地に赴任しているCCC社員のI氏という人物が10月から館長に就任する予定である
ということがわかりました。
じゃあ、なんで募集しているの?
そう思いますよね。これ、会計年度任用職員というおかしな制度の特徴なんですが、原則単年度の契約(任用)なので、勤務希望者はそのつど履歴書を提出して登録するというしくみになっているらしく、今回の図書館長も、単にその登録者の募集をしていただけということのようです。
https://www.vill.yomitan.okinawa.jp/gyosei_joho/jinji_saiyo/shokuin_saiyo/R5_1/2184.html |
すでに定年退職されていて、再任用のような形で図書館長を務めていらっしゃる方が「4月以降も勤務すると聞いている」とのことです。
なるほど、だから、週3日勤務・月給10万円という条件だったんですね。この条件の範囲なら、受給中の年金が減額されることなく働けるメリットがあるわけです。
さて、ここで注目したいのは、募集条件に「司書資格」が求められていないことです。多くの自治体では、直営の図書館長になるのは、特定の専門畑を歩んでこられた方ではなく、いろんな部署をご経験されてきた、いわゆる行政職ですから、司書資格を持っていないことが多く、読谷村でも、おそらくその例にもれず司書資格のない館長さんがつとめられているんだろうと思います。
現在CCCのマネージャーとして、新図書館の立ち上げを担われている方が、新図書館の初代館長に就任されることが予定されているそうです。ただし、新館長就任については、教育委員会での協議が必要になるとのことで、まだ決定ではないそうです。
果たして、その方は司書資格の保持者でしょうか。直営とは違って、民間企業が運営を受託する場合には、専門知識のあることを証明するために、必ず司書資格のある社員がその任にあたるものですが、CCC運営のツタヤ図書館では、どういうわけか、司書資格のない社員が館長になることがこれまでも何例か(不機嫌な新館長)ありました。
彼らとしては、図書館本体の運営なんかどうてもいいとまではいいませんが、そこでの専門性よりも、派手なイベント企画・開催や組織マネジメント能力を重視しているようなので、商業施設の店長のような役割を果たす人が就任するものと思われます。
そうしたなかで、もうひとつ気になるのが4月から半年間、休館しておこなわれる旧館から新刊への移転作業です。これは、他のツタヤ自治体でも関係者の方が、さかんに指摘されていたことなんですが、自治体サイドの職員がCCCのスタッフと一緒になって、移転作業を行うと、偽装請負になってしまうのは避けられないということです。
蔵書の引っ越しなどは、その業務を受託したCCCが単独で完遂することが求められていますが、しっかりしたノウハウと十分な人員を確保できていないそうなので、どうしても自治体側の職員が現場で手助けしてしまうらしいんです。
自治体職員が、あらかじめ仕様書で定められたこと以外について、業務責任者を通さず現場でで指示命令を出したり、具体的なアドバイトをしたり、作業を手伝ったりすると、それだけで偽装請負になってしまうんです。かといって、なにからなにまで知り尽くした旧館のスタッフが黙ってみているわけにはいかず、結果的には、一緒になって作業をすることが他のツタヤ自治体でもあったそうなんですね。
その点を読谷村の関係者にお聞きしますと、偽装請負に陥ってしまうリスクは認識されている様子でしたが、具体的にどうするかというところまではまだご検討はされていないようでした。
3年前、PFI決定までのプロセスでも、あまたの不正疑惑にまみれ、署名活動までされて要求されてきた住民説明会も一度も開催することなく、今年10月にいよいよオープンする読谷村のツタヤ図書館(説明会開催せずに逃げまくった読谷村の宣伝文句 読谷村のSPCからクレームがきました)。お祭り騒ぎのように新図書館オープンの話題が、これから地元メディアを賑わすと思いますが、その内実は10年前とたいして変わっていないような気がして仕方ないのですが。
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