こんにちは、日向です。
和歌山市が9月議会で、正式にカルチュア・コンビニエンス・クラブを市民図書館の次期指定管理者になることを承認する見込みです。
それにあたっては、スタバと蔦屋書店の激安賃料の問題や、第三者への又貸しなど、昨年末に住民監査請求されたスキャンダルを議会で追及する議員さんがひとりくらい出てくると期待していのますが、果たして、とうなることやら。
さて、そんななか、和歌山市民の方の間では、Tカードが、smbc(三井住友)と一緒になって、「Vカード」になるにあたって、図書館では使えなくなるのではとの憶測かが広がっていました。
そこで、担当課長さんに、確認しましたところ、結論からいいますと、そうはなりません。来年4月以降も、これまで通り、ふつーの利用券はもちろん、Tカード付利用券、貸出登録をしたTカードともに、貸出に使えます。
何が変わるのかといいますと、スマホの専用アプリを入れて本を借りたい人については、いま持っているTカードまたはTポイント付利用券は廃止して、アプリに切り替える必要があります。
スマホのアプリを入れる人は、貸出登録をしたTカードまたはTポイント付利用券の機能を停止して、スマホアプリに一本化する必要があるわけです。
そこで気になるのは、じゃあ、専用のスマホアプリを入れたら、どんなの利便性を享受できるのかということ。
担当課長さんは、こうおっしゃいました。
アプリでは、図書券利用のバーコードが表示される。貸出のときにピッと読み取る。そのバーゴードをアプリに表示させることができるので、スマホをかざしてもらって本の貸出をしてもらえる。
――えっ、いままでもセルフ貸出で、窓口を経なくても貸出カードのバーコードは読み取れましたよね?
異なるのは、図書カードとかTカードとかを忘れた場合にスマホで本を貸出できることです。
――そうですか。あまり便利になるような印象はないですが。おそらくこれから、いろいろな機能を付加していくんでしょうね。それが決まるのはいつごろですか?
細かいところは、システムの事業者さんと打ち合わせしているところ。細かいところの仕様を決めていっている。来年の3月の終わりから試運転という形で、2024年4月から正式スタート予定です。
ということでした。ちなみに第1期めの5年が今年12月に満了し、第2期目に突入するにあたっては、1億円を超えるシステム費用がかかるみたいです。果たして、そんな価値はあるんでしょうか。
なお、ふたつだけ気になったことを追記しておきます。
・和歌山市民図書館の貸出カードの有効期限は、5年です。武雄や海老名が有効期限3年で、4年めから登録者数が半減する悲劇は、とりあえず和歌山では起きないようです。そのうち有効期限10年、有効期限なしとかに変更して、ゴールポストを都合のいいようにどんどん移動させやしないかと注視している次第です。
・もうひとつは、TユーザがVポイント利用するにはモバイル利用が必須になります。現在、モバイルTカード利用者はTカードユーザの25%程度。CCCとしては、Vポイントをエサにして、モバイルTカードを普及させないと死活問題。なので、もしかしたら、図書館の利用者には便利なアプリを入れさせて、あとから個人情報をガッツリ抜くアプリに発展させたりという思惑があるのかもしれません。
https://japan.cnet.com/article/35205235/
それから、今年7月の経済文教委員会で、Tカードについて、担当課長がシステム費について説明しているりと、若手の中庄谷孝次郎議員が、なかなかするどい質問をしています。ご参考までに、以下に貼り付けておきます。
よろしくお願いいたします。
◎權藤読書活動推進課長
議案書(その4)の7ページ、議案第19号、委託契約の締結について御説明します。経済文教委員会資料の2ページも併せて御覧ください。市民図書館の市駅前移転に伴い、令和元年度に導入した図書館システムが令和5年度末でリース契約が終了となるため、令和5年2月議会において、令和5年度予算として次期システム構築に係る初期費用と、令和6年度から令和10年度までのシステム保守費用に係る債務負担の承認をいただきました。令和5年5月に市民図書館コンピュータシステム更新及び運用保守業務の入札を行い、仮契約を行いましたので、委託契約の締結について議会の議決を求めるものです。契約場所は和歌山市民図書館、西分館及びコミュニティセンター図書室で、契約金額は2億4,482万1,500円、契約の相手方はNECネクサソリューションズ株式会社関西支社です。契約金額の内訳は、令和5年度次期システム構築に係る初期費用が1億7,610万2,300円、令和6~10年度までのシステム保守費用が1か月あたり114万5,320円の総額6,871万9,200円となります。図書館システムの更新は、現行システムを基調としながら、多くの方がスマホを利用している現在のICT社会を見据え、利便性の向上を図るものです。図書館システム更新に伴うポイントとしまして、図書館アプリの導入やマイナンバーカード、交通系ICカードでの利用ができるようになることで、貸出しや予約など図書館利用がより便利になります。また、西分館にWi-Fiを整備し、来館者の方に御利用いただける環境にします。なお、次期システムではTカードの新規登録はできなくなり、現在Tカードで図書館利用されている方は、次期システムで導入する図書館アプリなど新たな機能を利用するには、利用券への切り替えが必要となりますので、切り替えの案内を行っていく予定です。説明は以上です。
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/wakayama/SpMinuteView.html?council_id=778&schedule_id=2&minute_id=7&is_search=true
◆中庄谷委員
よく行政であるんですけど、スマート化を進めないといけないと国からも言われている。世の中がそういう流れになっているという中で、アプリを作るだけというのがほとんど意味がないというか、全くスマートじゃなくて、やっぱりICTの本来の力というのは離れた場所でもリンクして何かができると。例えば、学校で子供たちがこういう本を借りている、こういう本に類似した本が学校にはないけど、市民図書館にこういった本がありますよとか、そういうおすすめとかをできれば子供たちも勉強がすごくはかどると思うので、スマート化をやる以上、そういう機能の連携というところも考えつつやっていただきたいというところがあります。
この件に関してもう1件ですけど、今までTカードで本も借りられたと思うんですけども、今後Tカードじゃなくてこのアプリを利用されるときは利用券の切替えをしていく必要があるとなってるんですけど、そもそもTカード、今まで使ってたカードをこのアプリと連携させない理由みたいなのはありますか。アプリを利用するに当たって、利用券に切替えさせる理由はありますか。
◎權藤読書活動推進課長
次期で導入するシステムですけれども、標準的なシステムを予定しておりまして、アプリやICカードの導入をする予定ですが、Tカードの連携というところについては、標準的な仕様には取り入れないというところで考えております。
◆中庄谷委員
一番最初にTカードで本を借りられるというふうに、なぜしたか分かりますか。理由を教えていただけますか。
◎權藤読書活動推進課長
図書館が市駅前に移転の際に、指定管理者制度の導入を行いまして、まず第1期については指定管理者の指定をしてからシステムの構築を行いました。ですので、指定管理者の提案する内容について、なるべくシステムに反映させようというところでTカードを導入したという経緯があります。
◆中庄谷委員
そこですよね。別に私はTカードを使えるようにしろとかそういうことを言っているわけではなくて、指定管理、今、結構はやりじゃないですけど、指定管理にどんどん市の業務を振っていくっていうことが結構多くなってきている状況下において、指定管理者に市が振り回されてるんじゃないかっていう懸念が少しあるんですよ。特にこのTカードに関してはその最たるものというか、最初に指定管理者がこういうふうにしたい、だから、Tカードを使えるようにしたいんだっていうふうに言われて、市はそれに従ってやったと。数年たって、スマート化、新しいシステムを導入するとなったときに、これも多分相手方ですよね、業者がTカードを導入するんだったらそんな標準的なシステムを組めない。だから、Tカードじゃなくて切り替えていくというふうになると、結局市が何をやりたいのかじゃなくて指定管理者とかその都度入れる業者の思惑にちょっと振り回され過ぎてるような気がするんですよね。本来、本当にTカードを使うことが市民にとって非常に便利である、だから、最初の段階で使うんだということを市が本気で思ってたんであれば、それを変えること自体がちょっとずれてるんじゃないかなって思うんですよね。多分最初の頃から、指定管理者に言われたから取りあえずやっている。市として、本当に何が便利なのかっていうのを決めずにやっていたのじゃないかなっていう懸念が生まれてくるんですよね。だから、指定管理とかそういうふうに出していくっていうのもいいんですけども、その前にやっぱり市として本来何をすべきなのかをしっかりと考えて、その軸がぶれないようにしていくべきだと私は考えるので、今後、こういったことがないように--今までTカードで借りていた人が急に使えなくなるのは完全にこっちの事情じゃないですか。となったら、やっぱり利便性の面でもよくないし、振り回されてると思われても仕方がない。しっかりと市として何がしたいんだっていう軸を持って指定管理とか事業に当たっていただきたいと思います。これは要望にしておきます。
◆堀[良]委員
私もこの議案第19号の委託契約の更新についてお尋ねしたいと思っておりまして、中庄谷委員からの質問も重なりますのでその部分は抜かせていただきますが、Tカードを今お持ちの方っていうのは、先ほどの御説明にもありましたように、市駅のところにグランドオープンした以降の方々ばかりです。まずTカードをお持ちの方--Tカードの発行は今、数的にはどのぐらいありますか。
◎權藤読書活動推進課長
令和4年度末でTカードの利用登録者数は1万4,288人となっております。
◆堀[良]委員
1万4,288人の方の中には、利用券をお持ちの方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、先ほど申し上げたように、新しくこの前作ったばかりという方ばかりだと思います。市民また利用者の方々の立場に立てば、こちらの事情でそういうふうに比重が変わっていく。Tカードから、またシステムの更新によって変わっていくというのは、意味の分からないまま過ぎていくという可能性は高いんじゃないかなと思うんです。今の議案の御説明の中に、多くの市民の皆様もスマホを利用しているので、現在のICT社会を見据えて、さらなる利便性の向上を図るということですが、それがイコール今まで使っていたものが使えなくなる、Tカードから離れる--Tカード自体私もどうこう言うつもりでこれを発言してるんではないんですけども、その利便性を図るがゆえに説明不足があってはいけないということと、円滑に乗り換えていくというか方向性をしっかり市としても持っていただいた上で、このICT社会を見据えてっていうこと自体、私も別に反対でも何でもないんですが、使ってる方々が面倒だなとか、すぐに使えなくなるわけではないですけれども何か頭の中が分からなくなるとか、ちょっと利便性に欠けるな、実際このTカードだけを持っていても、アプリは使えないわけですから。そういう点をよく考慮していただいて、問合せがあっても説明なりを丁寧にしていただけたらということを要望したいと思います。
◆中谷委員
基本的なことを教えていただきたいんですけど、利用券だけで利用できるということですよね。別にひもづけしなくても大丈夫ということですか。
◎權藤読書活動推進課長
そうです。利用券だけで貸出し等利用いただけます。
◆中谷委員
利便性を含めてアプリの導入であったり、マイナンバーカード、交通系カードをひもづけてということですね。それでちょっと分からないのが、このひもづけのやり方なんです。どういったやり方でされるかを教えていただけたらと思います。
◎權藤読書活動推進課長
例えばですけれども、ICOCA--IC系のカードですね、そちらと利用券を市民図書館の窓口に持ってきていただいて、そちらで窓口の者がひもづけの処理--システム上でピッとして、まず利用者の方の情報を確認した上でICカードをICカードリーダーで読み取って、この方の利用券はこのICカードについても同じように利用できるというようなひもづけの処理を行います。
◆中谷委員
これはマイナンバーカードも同じような形で図書館に行かれて窓口でという形ですか。
◎權藤読書活動推進課長
マイナンバーカードについても同じような登録の仕方になります。
◆中谷委員
アプリは取り入れて自身でできるということですか。
◎權藤読書活動推進課長
アプリについてはGooglePlayやAppStoreのほうからダウンロードしていただけます。ホームページにもQRコード等を載せる予定にしております。
◆中谷委員
このひもづけに関してですけど、今、利用券を持たれてる方はどれぐらいの割合でこのひもづけをされるだろうと想定されていますか。アプリでは何割、マイナンバーでは何割、交通系カードでは何割という想定はされてるんですか。
◎權藤読書活動推進課長
すみません。具体的にどのぐらいというのは想定していないです。
◆中谷委員
1万4,000人の方がどれぐらいというのは--これ以外でも利用券だけを持ってる方は何人ですか。
◎権藤読書活動推進課長
令和4年度末で利用券の登録者数が9万9,487人で、先ほども説明しましたが、そのうちのTカードの利用登録者が1万4,288人となっております。
◆中谷委員
窓口でこれどれぐらいの時間でひもづけできるんですか。
◎權藤読書活動推進課長
システム上で取り入れるっていうところは、2、3分を予定しております。
◆中谷委員
基本的なことを聞かせてもらうのですけど、利用券の有効期限ってどれぐらいですか。ないんですか。
◎權藤読書活動推進課長
利用券の期限は5年になっております。
◆中谷委員
利用券の有効期限もあります。交通系カードはないと思いますが、マイナンバーは有効期限がありますよね。また、26年に新デザインという話もある中で、マイナンバーにひもづけたら利用券の有効期限がある、マイナンバーの有効期限がある、またデザインも変わるっていったら、何回も何回も更新しないといけないと思うんです。マイナンバーをひもづけするときっていうのは、利用者に対して何か啓発的なことを考えられてるんですか。有効期限にずれがあるので多分何度も更新していかないといけないのかなと思うんですけど。
◎權藤読書活動推進課長
期限があるものですので、その都度登録の必要がありますというようなことは、窓口で説明が必要かと思います。
◆中谷委員
できたら本当にそういう有効期限があるもの同士をくっつけるのは避けたほうがいいかなと思うんで、それだけちょっと苦言を呈しておきます。
◆南畑委員
私、かなり時代遅れな人間ですけど、今、私は利用券を使って本を借りています。市民図書館っていうのはなかなかちょっと使いづらくて、いつもコミュニティセンターで借りているんですけど、それは市民図書館に連絡を取って、この本がありますか、あればそれをコミュニティセンターに届けてくださいっていうやり方で、すぐにその本を手に入れるっていうことではないけれども、私にとってはそれが便利だということでこの間ずっとそういうことをしてきました。利便性とかスマート化っていう表現ですけど、今、Tカードでも借りられるとかいろいろこれからその幅が広がっていくということで、ずっと議論があったわけですけれども、利用券を持っている者にとったらどんな利便性が出てくるのかっていうことがもう一つよく分からないんですけど、その辺を教えてください。
◎權藤読書活動推進課長
利用券を持ってる方については、例えば、アプリをダウンロードしていただいた場合、そのアプリの画面に利用券のバーコードが表示できるようになりますので、そちらのバーコードを貸出しのときにかざしていただくと、利用券代わりに使っていただいたりということができるようになります。
◆南畑委員
とても初歩的な借り方でずっとやってきた人間というのは、スマホを持ってない人もいると思うし、高齢の方は近くのコミセンで借りるというようなこともやっておられると思うんですけれども、そういった方については利用券だけでスマホも持ってないっていうような方もあるかと思うんです。その方については別段変わらないという、こういう理解でよろしいんですか。
◎權藤読書活動推進課長
そういった方についてはあまり利便性を感じていただけないかなという感じです。
◆南畑委員
それと、各コミュニティセンターの図書室と連携するっていうのもありましたけど、移動図書館でも利用できるんですか、この利用券っていうのは。私も何回か学校の校庭に来る移動図書館を利用したこともあるんですけど、それも変わりないということなんですか。
◎權藤読書活動推進課長
移動図書館については利用券で貸出し等、今、利用いただいてると思うんですけれども、新しい機能となるICカードやマイナンバーカードにひもづけたものの利用券で貸出し等ができるように、今、システム担当のほうと話をしている段階になります。
◆南畑委員
そうしたら、今のところはまだレールに乗っかってなくて、どうなるか分からない--恐らく使えるようにはなっていくかとは思うんですけど、まだそういうことは決定されていないということですね。
◎權藤読書活動推進課長
移動図書館のところについてはちょっとまだ確定ということではないです。なるべく導入できるようにというところで進めております。
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/wakayama/SpMinuteView.html?council_id=778&schedule_id=2&minute_id=7&is_search=true
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◆中庄谷委員
返信削除例えば、学校で子供たちがこういう本を借りている、こういう本に類似した本が学校にはないけど、市民図書館にこういった本がありますよとか、そういうおすすめとかをできれば子供たちも勉強がすごくはかどると思う
この議員さんは、図書館の自由に関する宣言をがっつり無視し、「図書館で誰がどの本を借りている」という情報を収集することを是としてしまっていて、ツタヤ館の問題の根幹を全く理解していないボンクラですな。