2018年12月1日土曜日

“和歌山陥落”から1年を振り返る

こんにちは、日向です。

昨日プログを書いていて、ふと気づいたんです。ちょうど1年前、「まさか和歌山市がツタヤ図書館とは!」と驚いたのは確かですが、よくよく思い出してみると、その半年以上前の5月にCCCの代官山蔦屋を手がけたRIAによる基本設計が発表された時点で、「もしかしたら」という気持ちは、強くありました。




でも、いつのまにか、それを忘れているんですね。希望的観測なのか。もう増えてほしくないという気持ちが記憶を消してしまっていたというか。

冷静になって情報を組み立てていけば、当然、年に一件くらいのペースでCCCは、受託先を増やしていくと予想すべきでした。

ツイッターでは、「CCCの営業マン」と呼ばれた某市議がツタヤ礼賛の言動を繰り返しては炎上していましたから、次期有力候補は、和歌山市であることは、誰の目にも明らかだったはず。

しかし、それにしても、和歌山市のケースは異様でした。週プレNEWSにも書きましたように「正式にTSUTAYAの名前が出てから、選定までたったの2週間」しかありませんでした。

市民グループが反対運動をしようにも、2週間では議員への申し入れどころか、チラシすらつくれません。2015年に愛知県小牧市で、TSUTAYA図書館建設が住民投票で否決されたことを教訓にしているのは、間違ないでしょう。

2014年にいま市長が就任してからの政治状況とまちづくりの施策等を調べていくと、図書館のツタヤ化は、かなり前から用意周到に準備されたものであるという疑いを強く持つようになりました。そのへんのプロセスは、ビジネスジャーナルで現在連載中の「黒塗りの図書館」で、いまも詳しく追っているところです。

一年前、慌しく取材をスタートしたとき、いちばん意外だったのは、キーマンだと思っていた人物がこの選定に関与した形跡がみられなかったことでした。


「TRCが選ばれると思ってた」

ご本人自ら、そう告白されていたのですが、このときは「役者やのう」と思ってました。

そのうち「あれっ、これ見込み違いかな」と思い始め、別の方面から取材していくと、考えていたシナリオとまるで違った展開にぶちあたりました。

この展開は、最近リリースした海老名市の指定管理者更新の事情とも一部共通していて、途中までは、CCCのライバルであるはずのTRCが指定管理制度導入を主導するなど、まったく予想もしなかった事実が次々と出てきました。

そして、猛暑の夏に突入して、ぶちあたったのが情報開示の「壁」でした。新図書館が入る駅ビルの施主は、法的には情報開示義務のない南海電鉄であるため、駅前開発ブロジェクトに関する資料は、ことごとく黒塗りで出てきたのです。和歌山市は、市内在住者でないと、不服申し立てもできません。

しかし、ここで諦めるわけにはいきません。

市民図書館という郷土の文化を育む施設に、これから東京資本の「進駐軍」がやってきます。自分たちで決める自由を根こそぎ奪われそうになっている和歌山市民がレジスタンスの活動を続けていくのに欠かせないのが゛メディアによる事実報道です。

時間はかかっていますが、和歌山市民の方たちの力をお借りしながら、再度別の角度から開示請求をかけて、事実はどうだったのかを、ひとつずつしつこく詰めていっているところです。

なお、ブログのタイトルを今週から「ほぼ月刊ツタヤ図書館」(もとは「記事に書けなかった話」)に変えました。

和歌山市の内幕レポートができるまで、もうしばらく、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

追記 みなさまからの情報提供を随時受け付けています。

「黒塗り」資料に隠された重大な疑惑…和歌山市“ツタヤ図書館”は官製談合の産物なのか?

『和歌山市、ツタヤ図書館に64億円税金投入…関連文書の情報開示請求に全面黒塗りで回答』

0 件のコメント:

コメントを投稿