2018年12月15日土曜日

「『CCCの営業マン』~」を検証する(3)

こんにちは、日向です。

本日も、続けて「『CCCの営業マン』 と呼ばれた話題の市議を直撃!【後編】

の内容を検証します。



「指定管理者制度導入のときに大きく議論すべき。いちばんのねっこはそこ。直営から指定管理者制度の導入のときにいろいろと注文をつけるべき。一年間で公募するだとか。指定管理者に導入するならこういったタイムテーブルでやるべきではないかと。それができないのなら指定管理者制度はなじまないというような注釈つけて議論すべき」


CCCの指定管理者選定の妥当性を問う前に、そもそも新図書館の運営者を民間企業に委ねる「指定管理者制度」の導入するときに、その是非を市民は議論するべきだった。

もし異論があるのなら、そのときに公募期間を長くとるとか、そもそも図書館のような社会教育施設は、指定管理者制度の対象にすべきだはないといった議論があってしかるべき。

事業者の選定で文句を言うくらいなら、最初から制度導入時に反対しとけよというわけです。


理屈としては、確かに一理ありますが、和歌山市の場合、指定管理者制度導入も、一般の市民がなにがどうなっているのかよくわからないまま、あっという間に決まってしまったという事情を考慮しなければなりません。

形式的には、アンケートを行ったり、市民参加型のワークショップを開催したりして市民の意見を聞いたことにはなっているのですが、

地元市民の方に聞くと、ほとんどなんの議論も起きないままとんとん拍子に指定管理者制度の導入が決まってしまった印象が強いと言います。

そのあたりの顛末については、文末に紹介しています週プレNEWSに詳しくレポートしましたので、そちらを読んでいただきたいのですが、

実に巧妙な仕掛けがあちこちに施されていて、気がついたら、図書館は民間企業に運営させる流れができていました。


市民の要望や意見がキチンとした形で聞き入れられた形跡はほとんどみられませんでした。

しかも、その際の住民対策は、CCCが担当したわけではありません。

後にプレゼンでライバルとなる図書館流通センター(TRC)が、役所に代わってきれいに道筋を整えてくれていたのです。

全国に3500ある公共図書館のうち、一部委託も含めて500館を受託しているTRCは、この業界では圧倒的なシェアを誇るガリバー企業です。

図書館を民間に任せたい自治体にとっては、不動産を購入するときに、ローン申請からややこしい地権者との交渉まですべて代行してくれる業者さんのような便利な存在といえるでしょう。

なにゆえ、ライバルTRCが指定管理者制度導入までの道筋をきれいにしいてあげたのについては、あえてここでは述べませんが、戸田議員は、そういった経緯もある程度知ったうえで、指定管理導入のときに議論すべきだったと言っているのは、ズルイなぁと思いますね。


持論がコロコロ変わる

で、もうひとつは、クラスタの方からも、ご指摘がありましたように、指定管理にしたときの人件費についてこう述べている点です。

「定年退職前の年俸1000近くある職員が30人配置されて、それが人件費として配置されるのと比べたら、はるかに安いと思う」


「昔と比べて団塊の世代多く退職されてきているのて、人件費下げてきているけれども、いままで出先機関の問題というのが、たとえば年俸1000の正職員10人雇うだけで1億円。そういった議論で言うと、一概に安い高いとかいう論点になりますか」

市のベテラン職員を30人も雇用している直営の図書館なんてあるでしょうか? 

直営でも、館長と数人の正規職員を除けば、あとはすべて「非常勤」と呼ばれる時給でフルタイム働く人と、週20時間程度のパートタイマーなどの非正規スタッフを直接雇用しているところがほとんどのはず。

なのに、いまだに高額給与の公務員を抱えていると言い出すのには驚きました。


そのあたりの矛盾点をつかれると、新図書館とは規模が違うので比較が困難と言い出したり、それも苦しいと思ったのか、市民に喜ばれるのなら高くてもいいと、コロコロと持論が変わるのです。

「安いけれども、市民にとってこんな図書館なんか行きたくないわぁ、たとえばこんな公共施設なんか行きたくないわあ、職員だけがいつも座ってて、誰も市民がよりつかない公共施設もたまにはある。そんなところでかかる費用がどれだけ安くても、その建物自体が無駄ではないかという・・さえおこるしね」

「多額の費用かかってても、来館者数が多くて、市民にとってはシンボリック的なさまざまな目的の公共、図書館に限らずですよ、公共施設ならば、高い安いの議論ではなく、非常に市民にとって愛されて、市民に活用されていることにおいなら、非常にいい物件、お金のかけかたしているなぁと」


市の直営は、公務員の人件費が高い→非正規だらけで人件費高くない→高くても質の高いサービス・企画力が期待できる

というところまできました。CCCの運営が「質の高いサービス・企画力」を提供していると受け止めている人は、残念ながら、あまりいませんので、最後の持論が崩れるのも、時間の問題でしょう。

吹き抜けスペースの高い飾り棚に空箱を大量にならべた雰囲気のなかで、タダで雑誌や本をパラパラめくれるというだけの施設に、物珍しさで、大量の見物客が来るのです。

しかし、そのような時間を消費するだけの空間には、誰しも、やがては飽きるものです。

巨額の税金が使われるわけですから、飽きた後に、いったい何が残るのかが、厳しく問われるのだと思います。


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