2020年2月13日木曜日

和歌山市都市再生課との一問一答・前編


こんにちは、日向です。


先日アップしました『南海電鉄との一問一答』は、長い記事にもかかわらず、思いのほか多くの方に読んでいただけたみたいですので、本日は、そのつづきを書いておきます。

その前に、記事の内容が、少しややこしくなってきましたので、一度、これまでの経緯を簡単に振り返っておきましょう。


今年4月24日、いよいよ、南海和歌山市駅前に新しい和歌山市民図書館が開館します。指定管理者は、TSUTAYAの本社カルチュア・コンビニエンス・クラブ。全国で六番目となるツタヤ図書館オープンとして話題を集めるはずです。

当ブログでもこれまでさんざん取り上げておりますように、

この新市民図書館が建設された市駅前のエリアは、総事業費123億円をかけた一大プロジェクトです。

そのうち公費が94億円(うち補助金が64億円)も入っているのですが、その事業プロセスについての情報開示がほとんどありませんでした。

そこで、私が2018年4月から和歌山市に対して、市駅前再開発に関する会議資料を情報開示請求しておりましたところ、

7月に約1400枚の資料が開示されたわけですが、送られたきたダンボール箱を開けてみると、その97%が黒塗りでした。




開示資料を詳しくみてみると、会議には、和歌山市、和歌山県の行政サイドに加え、南海電鉄とアール・アイ・エーというコンサルタントも出席していました。






アール・アイ・エーは、のちに図書館の指定管理者に選定されるTSUTAYAの本社カルチュア・コンビニエンス・クラブが2010年に東京・渋谷区にオープンした代官山蔦屋書店とその一帯からなるT-siteに開発を手掛けた、CCCと密接な関係のあるコンサルタントです。

そもそもツタヤ図書館というのは、壁面に高い書架配置するなど、建物を大規模に改装するか、新築であれば、設計段階からそれ専用に作らないと実現しづらいものと言われています。

事実、多賀城市で暴露された選定前の密談資料のなかでCCCのスタッフが「RIAと打ち合わせてきます」と発言しています。(『選定前の密談記録』参照)


さて、これから公開するのは、市駅再開発プロジェクトにおける南海電鉄のカウンターパートともいえる和歌山市都市再生課の担当者との一問一答です。

先日リリースしました記事で、南海電鉄の担当者が


資料を黒塗りにしたのは、和歌山市の判断であって、われわれは、そのような依頼はしていない


との主旨の発言を繰り返していました。

確かに、南海電鉄もアール・アイ・エーも、企業の競争上の利益を損なう恐れのある個所については、開示しないでほしいとの意見を和歌山市に対して出していますが、


個別具体的に、どの部分を非開示にしてくれとは指定しておりません。

先日の一問一答では、「単価の数字や事例等」については、開示しないでほしいと述べたとのことでしたが、あとは、すべて和歌山市の判断だとのことでした。

そこで、南海電鉄担当者から話を聞いたのと、ちょうど同じ時期に、黒塗りされた開示資料について、和歌山市当局に問いただしたのが今回の一問一答です。

こちらは、前回よりもさらに長いので、前編と後編に分けてリリースします。

それでは、ひとまず、前編をお読みください。



2018年10月中旬取材メモ  
回答者 和歌山市都市再生課・N氏


開示請求した「和歌山市がアール・アイ・エーと話し合った内容」というのでは、不存在になってしまうので、「アール・アイ・エー」という部分を「全国市街地再開発協会」と書き直してほしいとの発言の後から、以下のやりとりが始まる。

【都市再生】・・・会員であって。

--全国市街地再開発協会は、いろんな市町村・都道府県が入っている?

【都市再生】そう。全国市街地開発協会ということでネットで調べてほしい。

--国土交通省の関連?

【都市再生】公益社団法人。

--系列は国土交通省?

【都市再生】と言えるかもしれない。

--で、そこと和歌山市は契約? 加盟?

【都市再生】全国市街地開発協会の会員であって・・・。

--いつから?

【都市再生】そのへんは、ちょっと僕もはっきりしたことは理解してへんので。

--少なくとも2014年の調整会議始まる時点で会員?

【都市再生】会員であって、なおかつ和歌山市の実情を知っているコンサルということで、和歌山市に対して、協会がRIAさんを推薦してくれた。

--いつごろの話?

【都市再生】それは平成24年度。

--2012年ですね。

【都市再生】それくらい。

--調整会議始まったのは2014年。それより2年くらい前から、市は協会に加盟しているかどうかはわからないが、RIAを紹介してもらっていた?

【都市再生】そのときに和歌山市は、協会の会員でなかったと思います。

--あとで確認してほしい。そのときにRIAを紹介してもらったと。

【都市再生】そう。RIAさんは協会の会員さんであって、なおかつ地域の実情をよく知っている。

--地域とは、和歌山市、それとも和歌山県全体?

【都市再生】和歌山市です。

--それまで関係もなかったのに実情に詳しいんですか?

【都市再生】あのー、いろいろ、その関係なかったというのは?

--プロジェクトはやってなかったんですか、そのときまで? 詳しいというのは、過去にいろんなプロジェクトがあって付き合いがあったということなのではないか?

【都市再生】そうですね。協会さんからそういうふうに聞いてます。

--ええっ、ちょっと待ってください。和歌山市とRIAの関係でいうと、RIAは和歌山市の実情に詳しかったとNさんいまおっしゃったんですから、ということはそれまでのプロジェクトでお付き合いあったんでしょうと聞いたら、はいそうですとおっしゃいましたよね。

【都市再生】あのー、そのー、

--間違っているのなら、間違っていると言っていただかないと。

【都市再生】うん、あのー

--なぜ、RIAは和歌山市に詳しいんですか?

【都市再生】前の分は、ちょっと僕もはっきりと・・・。

--とりあえず、RIAは和歌山市に詳しいんですよね? 間違いないですよね、

【都市再生】はい。

--で、詳しいから紹介をされたと。

【都市再生】はい。

--詳しかったら、別に紹介されなくてお互いに関係あるのではないか。和歌山市と仕事しているということは、おそらくあった。お互いに関係があったからRIAは、和歌山市に詳しい?

【都市再生】ふんふん、はい。

--それで紹介されたと。

【都市再生】そうです。それで、協会さんと契約して、その下請けでRIAさんが入って。

--えっ? 協会と契約したんですか。協会の会員になった?

【都市再生】協会の会員だったRIAと。

--あっ、RIAが協会の会員だったと。そのときはまだ市が協会の会員だったかどうかはわからないと。

【都市再生】そうです。

--とりあえず、RIAは会員だったと。

【都市再生】そうです。紹介されて、それでちょうどあのー、そのときというのは、市の公共施設の再編とか、どうするかというのが懸案事項であったので、公共施設の再編など。

--2012年?

【都市再生】2012年というのは、市のホームページにものっているんですけども、2030和歌山構想という構想があって、まあいうたら、市の長期計画みたいな構想になって来ます。

それが平成24年度にその構想を策定した。市から再開発協会さんと、RIAさん・・・。

--その、すみません、なんとか2030~というのを策定したのは誰?

【都市再生】市ですね。

--そのときには、RIAはかんでない?

【都市再生】いや、そこには入ってます。

--そでにそこに入っているわけですね。じゃあずっと付き合いがあるってことじゃあないですか?

【都市再生】そうですね。で、ですね、そういう関係もあって、あのー市の、市民会館をどうするかとか…

--その流れで次の具体的な再開発につながった?

【都市再生】構成とかどうするかということについて、市と検討することを進めていったと。

--通常、そういう場合に、契約も交わさないけども、別件でつきあいのあったところに相談をするというのはよくあること?

【都市再生】別件というのは?

--いまおっしゃた2030は、RIAもからんで計画を立てた。いまおっしゃったのは駅前の南海の再開発。まったく別のプロジェクトですよね?

【都市再生】えーとー、南海和歌山市駅の再開発の業務委託の契約じゃあなくて、あのー、それは2030和歌山構想を策定したのが平成24年度。2012年度。で、いま私がいわせてもらったのは、公共施設の再開発というのは、平成26年度の業務委託ということ。

--平成26年というのは、ちょうどこの調整会議はじまったとき。市長変わったときですよね。

【都市再生】はい。そのときに、いまいわせてもらった公共施設の再配置、市民会館、市民図書館を含めて・・・

--まさに駅前の再開発ですよね?

【都市再生】いや駅前の再開発だけと違って、市の中心的には、結構そのときには古い公共施設が多かったということもあったりしましたので、そのへんをどうするのかみたいなことで協議をすすめていった。

--南海市駅の再開発は、まだ具体的にはなかっていなかった?

【都市再生】そうですね。南海和歌山市駅については、たとえば、市民図書館、市民会館を市駅の再編に組み込むことができるのかとか。そういった協議、話はやったりしました。

--どこからどこまでが市駅の再開発?

【都市再生】市駅の再開発ということで、あのー具体的に話をしたというものではないです。

--時期的には、どんぴしゃで?

【都市再生】どんぴしゃかどうかは別にしまして、公共施設の再編というなかで、市駅というのをし・・なかではひとつのターゲットになっていた。それで市のほうとしても・・・。

--相談はしていたと?

【都市再生】はい。そうですね。市民図書館、市民会館を含めてまぁどうしようかみたいなことの話をやってて、たとえば、ほかの街の事例があったりとか、こういった事例があったりしますとかいうのも紹介してもらいつつ、やっていたなかで、南海の再開発いう話も。

--いつから?

【都市再生】ご存じの通り、調整会議というのは、平成26年の6月からスタートしてますが、■もちろん調整会議の前になにも話をしていないかというとそうではない。議事録とかにはない、ざっくはらんな話を。議事録にものせるほどでもないような非公式な会議というのはやっていることになっています。■

--どういうこと? 都市再生課が非公式に、内緒で? RIAと会議?

【都市再生】いやいや、内緒というんじゃあなくて、調整会議よりも前のときが期間が真っ白かというと、真っ白ではないですよ。

--調整会議の前、それとも後に?

【都市再生】調整会議の前とかに、たとえば、まぁ、■南海和歌山市駅に市民会館が来たらいいねとか、市民図書館がきたらいいねとか、そういったざっくぱらんには話はやっていたことになります。

ちょうどその26年の時期というのは、ちょうど市長が交替する時期、市民図書館どうするか、市民会館どうするかというのが次の市長が変わったときに判断するということになった。

--2014年6月はちょうどそのタイミング?

【都市再生】それで、市長が変わってから絵を描き始めるという。変わったときに何と折りかの案をできるように進めていこうということで調整会議というのが6月に始まった。

--そのときに市民図書館、市民会館をどうするかという大枠の話とは別に、南海市駅再開発両方あったということ?

【都市再生】補足しますと、市の方とも、RIAが公共施設の再編にかかわっていた。

--RIAは一切契約していないけれども、7月の調整会議に呼んで、話もなんの資格もわからないが話をしていた。誰がよんだ?

【都市再生】市の方ともRIAは関係があったが、南海ともRIAは関係があった。

--あっ、南海が契約していた? でも、南海が契約したのは16年8月と言ってましたが?

【都市再生】あのーそのへんは南海に聞いてほしい。

--聞きました。確認しました。何度も確認しました。

はい。

--南海は契約する前に自分ところのお友達を呼んで来ていたという話?

【都市再生】そのへんは契約する前とか後は南海に

--南海の代理人ではないんですよね? 市の代理人でもないんですよね?

【都市再生】代理人?

--南海の代理人として説明。市駅の再開発を説明しているんだろうと議事録をみていた。当然、ところが聞いたら、そのときには契約はしていませんよと。じゃあ、設計の契約はいつですか、16年8月だと。

--市とは、資金計画の当然、RIAがやっているんですよね? 

【都市再生】ええ。

--それはいつ契約しているんですか? 

【都市再生】資金計画ですか? 資金計画というのは、再開発のなかで契約をやっているということになりますので、それは南海さんのほうに聞いてください。

--えっ、資金計画というのは、市が資金計画やっているのでは?

【都市再生】再開発というのは、施行者が南海。施行者がどこかと契約する。

--ええとー、社会資本総合整備計画。国土交通省の。328億円。この算盤弾いたのはRIAだと聞いた。ということは、資金計画を作ったのはRIAだと理解した。

【都市再生】まず、市がそうすることはない。

--他の市町村も調べてみた。(はい)すると、資金計画も全部発表している。基本設計、実施設計、何社、いくらで。和歌山市は一切発表していない。山形県酒田市の光の湊などは。

これは特設ページで同じRIAの資金計画から始まって、すべて発表している。何月何日にどうしたと。一応、民間企業。光の湊。なんで発表しないの? 税金を原資として補助を受けるんですよね。たぶん、光の湊はそういうこと意識して特設ページで、RIAの資金計画等発表。南海と和歌山市はしていないのは事実では? 聞いたら特設ページもない。

【都市再生】おっしゃる通り、そういう詳しい公表はしていない。

--だから情報開示をしてくださいよ。ごまかしたらダメですよ。よそはやっているのに和歌山市はやっていないのは恥ずかしいですよ。資金計画はもし南海がやっていないのでしたら、和歌山市から、いますぐ南海に電話して開示してくださいよ。

酒田市は特設ページつくってやってますよと。光の湊。酒田市はちょうど100億円のプロジェクト。駅の取り壊しない。128億円の和歌山と同じレベル。補助金は和歌山味よりも少ない40億円。四割。

で、当然意識して、細かい発表している。特別だとは思わないが、巨額の補助金受けるのですから。和歌山市は、事業の規模、図書館中心として再開発。瓜二つ。文句も謳い文句も似ている。

片方は発表していない。おかしい。もし南海やってなかったら、和歌山市からやってくださいよというべき。資金計画わかりません、南海に聞いてください、おかしくないですか。私、南海に聞いても答えない。南海がそうするべきだと思うなら、調整会議が言っているのかと思ったら中身真っ黒。

1400枚の1000枚真っ黒。やっぱり和歌山市に対して批判の目を向けると思う。開示しないと。南海は別に自分のお金使うならご自由にですが、公費を使う以上は開示していただかないと。Nさんのいまおっしゃることもなんとなくわかるだけで、非常に曖昧でごまかしが多い。わかるように説明してくれます? ご自分でわかってます?

【都市再生】理解してますよ。

--私が知りたいこともわかってますよね?

【都市再生】はい。

--だから資金計画から一連の流れが知りたい。誰が契約しているの。何か間違っているのなら書き直しますので。

【都市再生】うん。

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