2023年8月30日水曜日

11年前の悪夢を再現した無印図書館~のり弁すら出てこない岐阜県可児市~

 

こんにちは、日向です。


岐阜県可児市に開示請求していた無印図書館の件、該当する資料が昨日ようやく開示されました。


送られてきたCDに収録された資料は、6つの文書に分かれていましたので、これは膨大な資料が出てきたのかなと恐れおののきながら、データをひとつひとつ開いてみましたところ、開示文書の総枚数はたったの10枚でした。





あれっ、これですべて? 肝心の事業者からの詳しい提案内容や、それを評価した行政サイドの審査の詳細についての資料は、一枚もないのです。


これはやられたかな…。


そう思ったのは、担当部署に電話して内容確認してからでした。


改めて、自分請求した文言を確認してみたところ、こうなっていました。


無印良品ヨシヅヤ店内に開館予定の市立図書館分館

の事業決定までの経緯がわかるもの







“事業決定までの経緯”ですから、行政のブロセスとして、事業者から提案を受けてそれを検討して決定した過程におけ決裁文書だけを抜き出すと、こういうことになったんでしょうか。それにしても、良品計画から提出された詳しい提案内容がわかるものがなにもないのは、納得がいきません。(私は、「~に関する一切の文書」というような請求文は、あまり使いません。事前に担当部署にこちらの請求の主旨を伝えて、迅速に対応してもらうため)


提案書が不開示なら、そうあらかじめ通知されてないとおかしいのでは?


そう担当者に指摘しましたところ「開示決定通知書をよくみてください」と言われまして、改めてそれをみてみましたところ、そこには確かに「一部公開」となっていました。そして、「非公開とする部分及びその理由」の欄には、確かに、こう明記されていたのです。


・提案書の内容、審査会の合計審査点


ん?


そんなバカな。もし提案内容が非開示だとすれば、その部分は、通常は全面黒塗りされた、通称のり弁になって出てくるはず。そうしないと、不開示部分の公文書が存在していることすら明確にはなりません。しかし、どこにも全面黒塗りされた書類はありません。


事業者からの提案内容を審査した際のプロセスについても、それと同様に、黒塗り文書が出てきてはじめて「なるほどそういう評価があったのか」ということがわかるわけですので、一言「非開示」としただけでは、情報公開としては不完全ではないのかと指摘しまして、現在、追加で黒塗り文書を出してもらえるよう交渉中です。


ちなみに、私がこれまで開示請求したなかで、事業者の提案内容(採用された)すら非開示になったのは、「史上最悪のツタヤ誘致自治体が熊本県宇城市」とした熊本県宇城市でのCCC提案だけでした。情報開示に消極的な和歌山市ですら、メチャクチャ黒塗りされてはいても、提案書そのものは開示されているのです。


●時計を11年前に戻した無印図書館計画


では、開示された資料の中身はどうでしょうか。


ざっとみたところ、いくらなんでも、こんな経緯で市民の大切な図書館が一民間事業者の思い付きのような企画にふりまわされるのか、というのが率直な感想です。


まずスタートラインが、可児市が突然、今年1月4日、「公民連携ワンストップ対話窓口」を設置したことでした。


市政について、なにかいいアイデアがあったら民間事業者の方は、どしどし提案してね


――とした窓口に、2日後の1月6日、無印良品の良品計画からこんな提案がありました。


社会課題の解決に関する連携協定について


そう題した「対話申し込みシート」には、


11月にオープン予定の自社店舗内に、地域課題解決のためのコミュニティスペースを設置して、そこに図書を配架するとされていました。






図書館とは書いてないものの「買い物ついでに本を借りる」とされていることからして、明確に図書館のボランチ(分館)を想定していることがうかがえます。


ここで注目すべきなのは、なにゆえ、良品計画という物販事業者が


地域の課題を解決するために自治体と連携協定を締結


するという話になっているか、です。


図書館など、これまで運営した実績や経験は一切なく、カルチュア・コンビニエンス・クラブのように本を販売する書店としての実績すらもなく、ましてや地域課題を解決してきた実績があるとは思えない事業者からの唐突な提案に対して、なぜか可児市は、驚くほどのスピートと熱意で実現へと邁進していきます。


3カ月後の4/18には、正式な提案書が市に提出され、この時点では、ほぼ内定していたのではないのか?と思えるほどトントン拍子で進んでいきます。





提案書を提出したと同時に、事業提案に関する審査会の設置とその審査を担当する審査委員のメンバーについて伺い書を起案。かと思ったら、驚くべきことに、その当日決裁がなされています。

ふつうでしたら、ここにいたるまでに庁内で検討会議が開催されて、その会議録等が出てくるはずですが、そういった経緯は一切ありません。


そして、正式提案から一カ月もたたない5月10日に審査会がか開催され、5月15日に開催された庁議において、良品計画からの提案が正式に了承されています。









これが“事業決定までの経緯”のすべでです。


ふつうでしたら、役所がまずは、市民や有識者の意見を聞いたうえで、その意見をもとにした新しい図書館の構想をあきらかにし、その事業を担う事業者が公募され、それに応募してきた複数社が参加したコンペにおいて選定された事業者の提案が採用される、という流れになるはず。

なのに、可児市の場合は、良品計画の一社の提案のみが俎上にあげれて審査が行われ、同社の店舗が11月に出店するショッピングセンターのスケジュールに合わせるかのごとく、事業が決定するという、市民にとっては「市長の個人的な趣味で図書館をつくってんの?」と疑ってしまうほど、市民を無視したプロセスだったことがよくわかります。


いまから11年前の2012年5月4日、当時の佐賀県武雄市の樋渡市長が、市民の意見も聞かずに、突然、TSUTAYA図書館を宣言した事件をほうふつとさせます。(代官山T-SITEで派手に記者会見)


武雄市立図書館の企画・運営に関する提携基本合意について。武雄市立図書館を指定管理者制度を活用して、CCCにその運営を委託する


みなさんご存じのように、これがツタヤ図書館騒動の始まりでした。図書館について何の実績もないカルチュア・コンビニエンス・クラブが、コンペも経ずに、市長の鶴の一声によって随意契約で武雄市と連携協定を締結。翌年4月からは、自分たちの好きなように図書館を運営するのです。


当時、「9つの市民価値」とぶちあげた武雄市図書館のセールスポイントは、その後どうなったか、知ってますか? 


  • 説明会開催せずに逃げまくった読谷村の宣伝文句・その3~武雄市「9つの市民価値」の残骸~

    • ロクにコンペもせずに、良品計画の提案を丸飲みした可児市は、11年前にさんざん批判された武雄市のテツを、いま踏もうとしているのです。



      ●民間の商標を図書館名に採用した可児市



      ちょうどこの情報開示を精査していたときに飛び込んできたのが、可児市が良品計画の提案通りにショピングモール(ヨシヅヤ店舗内)に設置しようとしている、いわゆる無印図書館の名称が決まったというニュースです。


      「無印図書館」こと可児市のショッピングモール内に開館する図書館分館の名称は「市立カニミライブ図書館」に決定した(8/24岐阜新聞


      ん? 公共図書館の分室なのに、なんで名称がカタカナなの? 愛称なの?


      そう思って担当部署に聞いてみたところ、これも良品計画からの提案らしいんです。可児市が同社から提案を受けたのは、店舗内に図書館を設置することに加えて、もうひとつ地域活性拠点となるスペースも店舗内に立ちあげるというものがあったそうなんです。

      で、その地域活性化拠点の名称が「カニミライブ」となるそうで、こちらの運営には役所は直接関与せずにあくまでも良品計画が独自に展開する施設。その施設の名称「カニミライブ」、しかも、隣接する図書館もその名称を使って「カニミライブ図書館」と、正式に設置条例を改定しているんです。


      https://www.city.kani.lg.jp/secure/25807/R5.8.23.pdf#page=10



      いや、民間が勝手にやることでしたら、市民は特に文句は言わないと思いますが、これが図書館の名前にもなるというと話は別。どうしてその名称を一般公募するなりして、市民の意見を聞かなかったのか?そう指弾されかねないことだと思います。

       

      しかもですよ。この「カニミライブ」という名前、すでに良品計画が商標登録を申請しているものであることが判明。つまり、民間が権利をもっている名称を役所がタダで使わせてもらうという約束になっているそうなんです。


      可児市が良品計画の提案を庁議で正式に了承する2カ月近く前の3/6の時点で、「カニミライブ」という名称の商標登録の申請がすでに出されていた。



      しかし、今後この「カニミライブ」という名称を市民がなんらかの目的で使用(たとえば「カニミライブスポーツクラブ」とか)しようとした場合、権利者から使用料を請求されたりするおそれはないのでしょうか? あるいは、同名のキャラクターがこれから登場したりしますと、そのグッズの販売等で利益をあげることも想定されますから、そのキャラクターの使用料を請求されたりするおそれはないのでしょうか?


      そもそも図書館ではない「カニミライブ」という施設はいったい何をするのでしょうか?


      地域の住民が困っていることについて相談にのる窓口


      だと担当部署では説明していますが、そこに市の職員を配置するのか、それともソーシャルワーカーなど専門職を配置するのかなど、具体的なことはこれから協議するそうで、なにも決まっていないんだそうです。


      地域の課題を公民連携して解決する窓口を設置する


      そう言えば聞こえはいいですが、無印良品がほぼ最低賃金で雇用する(おそらく)非正規スタッフが、相談窓口で対応して、空き家問題とか健康問題とか、市民の困りごとを解決できるのでしょうか?


      設置するなら、図書館司書と同じく、それなりに特定分野に精通している専門職か、あるいは市の出先機関の職員を設置しなければならないはずですが、果たして民間施設で、そんなことはできるのでしょうか?


      これは、ツタヤ図書館問題でさんざん体験してきたことなんですが、まるで広告代理店が作成したかのような美辞麗句が並べられた民間の提案書は、イメージ先行で、実態といいますか、中身が不明なことがほとんどです。


      要するに、「公民連携」という大義名分のもとに、単に民間事業者が行政に簡単に入り込むための、「バックドア」を設置しているだけではないのか? としか思えない事例ばかりをみてきたものとしては、「公民連携」して「地域の課題を解決する」イコール、民間が公共を食い物にしていくために行われる公共事業の不適切な推進ではないのかって思います。


      それを可能にしているのは、透明性がまるでない、密室で決められた政官財の癒着構造があるのではないのか、というのが、今回の開示資料を読んだ感想です。


      また、なにかわかりましたら、おしらせします。


      よろしくお願いいたします。




      (以下、関係各所とのやりとり・取材メモ 単なる忘備録ですので、内容は不確実です)



      図書館の分館を一緒にやりませんかとは別の提案として、


      地域のコミニティセンター 地域課題に一緒に対応 地域の課題 いろいろ


      空き家 健康 年寄りの介護 相談窓口 図書館とは関係ない


      図書館が入る。核として。地域の住民が困っているこを相談する窓口。市とか良品計画 ソーシャルワーカー? 場合によっては。そうでない人。職員もありえる。決まっていない。場所を。提供してくれる。隣接? 店舗の中。可児市ではなく良品計画が自前。市の職員おくかどうかわからない。


      地域の課題を解決する場所。カニミライブと命名。地域の拠点の中にある図書館ということで、カニミライブ図書館。正式名称? その予定。


      市民の相談窓口。ネーミングライツではなく、図書館も地域の拠点の中に含まれている。施設というほど大きくない。市民活動センター。市が直営でやるわけではない。


      カニミライブ図書館。図書館の名前がそれになるのは理解できないが? 拠点がカニミライブ。総称。使用料は払いません。無償で。そういう約束で。


      今後使うたびに良品計画の商標を使用? カニミニイブのキャラクター商品、グッズ商品を可児市がオーソライズ? そこで金儲けすることができると。 市がそれを支援する?


      一緒に、公民連携して地域の課題を解決していこうと。拠点の名前カニミライブ。商売。権利発生。どのように対処。グレー。請求されかねないのでは? 市が使っていく分には費用発生しませんと約束。市民がカニミライブで団体拠点。使用料。カニミライブクラブとか。ドカンと。キャラクターもつくるとしたら? 販売権利。まだなっていない。想定。自治体は。クマモン無料。市民が勝手に使ったら有料では?


      図書館に命名するのが違和感あるが? グレーにする。施設の名前を民間。検討がなにもない。権利関係。なにもない。使うと言うと約束。無償で?


      市民に名称案募集していない。提案。市民は口出しできない。名称募集。愛される施設で募集。民間なにもなしに。参加できない。そこが時間的なところ。タイトスケ。そこもふくめて。地域拠点を一緒にやりましょう。


      短い期間にいいなり? 市民の声を聞かずにやった?市長の独断? 庁内では。選考委員会。提案事項ない。黒塗りもない。プロセスもない。勝手に決めたわけではない。市民が知らない。なにもない。可児市では、いつもこう? 市が自分でつくる場合は、意見募集する。建物建てるのならどういう図書館に。建設委員会検討するのが通常のプロセス。これは、企業のなかで提案受けて決めていったもの。


      こういう提案受けてますがと、市民の意見は聞かない? 時間的猶予があればそうする。なぜ。(11月の)開店に合わせて? 良品計画が店舗を開店するのにあわせて。そのなかに入る。いいなりでは?


      競合の企業があって、うちはこれとコンペ。店舗出す決める。図書館を分館をつくるという計画があって、どこかありませんかとこちらが主体で動くことがあれば、今回は公民連携のなかで進めた。


      図書館が主でやったわけではない。主は公民連携の事業。なんのために? 開店に合わせて。そこらへんの詳しい資料があるはず。主旨は市のホムペにのっけている。それにあわせてやった。


      ネーミングはあわててやらなくても。図書館の名前を決めないと。設置条例。名前まで丁寧に。議会からの意見。付帯決議。異議はあった。ユーチューブ。付帯決議。分館も位置づけなさいという意見。それを受けて条例改正。いままでは規則の委任事項でうたっていた。9月議決がないと正式にならない。


      開示請求の仕方悪かった? 担当者とよく話をしてもらって、こういうのないのか。あるないと詰めていかないと。一回では難しい。真っ黒な紙すらないですが?


      良品計画さんと一緒に地域の課題解決。これから決めていく。名前もハコも誰かを置く。コアがこれから決めていく。解決できる人がそこにいる。図書館の本が解決。がんになったときに読む本など、医療であぶない行為がたくさんあるのでは? 専門家がいないと本を紹介するのもあやういのでは? 問題解決してるんだというとんでもない話では? そんなこと言い出すとなんでもそう。安易に市民の問題解決するなんて言わない。相談。解決するとは言わない。こころの不安を少しでもやわらげる。それにしても訓練受けた人いないと。民間のレジの人では対応できないのでは? 別部署がやっている。市は責任もてないのでは?



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