2023年8月5日土曜日

“無印図書館”が会計年度職員を募集の奇怪


 こんにちは、日向です。


先日、少し取り上げた岐阜県可児市が良品計画とコラボして無印図書館を設置するという件で(宇部市が再度CCC選定!~知の基盤が破壊される自治体の危機~)ひとつ奇怪なことが出てきました。


あれれっと思ったのは、可児市が図書館に勤務する会計年度任用職員を募集しておりまして、そのなかで勤務場所として


無印良品ヨシヅヤ店内または本館


と明記されているんですね。その募集が以下です。


https://www.city.kani.lg.jp/23798.htm



無印良品が、TSUTAYAのマネをして、生活者目線の新しいスタイルの図書館を運営すると話題になっていたものですから、当然、運営を市から委託された良品計画のスタッフが実務を担当するのかと思っていたら、これが違うんですよ。市が直接雇用した職員が配置されるというのですから、


いったい、どうなっているの?


と思いました。委託会社のスタッフと市のスタッフが混在してしまうと、指揮命令系統がおかしくなって、最悪の場合、当ブログでも取り上げているように、偽装請負とみなされかねない状況になってしまいます。


運営主体が良品計画ということならば、民間企業のスタッフが市の職員に指示命令を出すなんていうおかしなことが起きるのかも。


というわけで、この点を可児市の図書館に電話して、担当の方に聞いてみました。





まず、わかったのは、無印良品ヨシズヤ店内に設置する分館の運営には、良品計画は関与しないということでした。


どういうことかといいますと、ヨシズヤ店内の無印良品店舗内に開館する分館の店内デザインや図書館の分類・配架までを良品計画が担当し、その引き渡しを受けた可児市が分館を運営するということです。



一部委託かと思っていたら、良品計画は、単なるアドバイザーにすぎないわけです。以下取材メモです。



ヨシヅヤさんから良品計画さんが店舗を借りて、その良品計画さんが出した店舗の一部を可児市が借りて図書館の分館とする


・その図書館を可児市が運営する


・分館に勤務するのは、市が直接雇用した職員(正職員と会計年度任用職員)と、あと派遣社員を配置することも予定している


・派遣社員は、良品計画からではない。これから入札にかける


・無印良品には、図書館をデザインして、図書館の形態をつくってもらう


・図書は、可児市が購入する


・良品計画のスタッフは図書館のなかにはいない、無印の店内にはいるが


・独自分類導入は? 良品計画さんから公民連携ということで、こういう形態でやりませんかと提案を受けている


・配架は、市が行うが、その分類方法を提案してくれる人は、とりあえず良品計画さんが契約したキュレーターさん


・キュレーターさんは、図書館の専門員ではない。その他の分野の専門。図書のコーディネイトする人です。


キュレーターさんとは、(編集工学研究所の)松岡正剛さんのような人? いえ、その方は存じません


・指示命令系統は、市と良品計画の間には発生しない


・派遣社員は、これから入札。専門の派遣会社から? 正職員と会計年度に加えて、派遣でお願いする人は、司書資格あればいいがなくてもいいですよという格好


・指揮命令はうちの職員がする



・開館までの図書館づくりには、無印良品が行うが、その後の運営には直接はタッチしない? そうです。


・選書は、無印サイドのキュレーターさんが担当。うちとの共同で行う。決定権は市にある。アドバイスを受ける。




どうです? みなさんわかりましたか。無印良品は、店舗のデザインまでは担当するけれど、運営にはタッチしない


運営にはタッチしないけれども、図書館の基幹部分である独自分類と配架や選書には、思いっきり関与する


ということなんですが、



これまで公共図書館を運営した実績がゼロの会社が、どこかからキューレターさんという専門家を連れてきて、



その人のご神託を、ありがたく承りながら、市民が喜ぶ図書館をつくっていく


ということらしいんです。



もしこの事例が「賑わい創出」に成功したら、無印良品は、全国各地で自治体とコラボして、同店舗内に、公共図書館を設置。


自分たちが提案する“無印風ライフスタイル”とやらを、布教していくことになるのでしょうか。


そんなのは自社店舗だけにしてほしいと思うのは、私だけなのでしょうか。


自治体とコラボした図書館によって来店客を増やしつつ、自治体からの収益をはかっていくという、ツタヤ図書館のビジネスモデルそのまんまではないのかって、思いました。




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