2019年1月7日月曜日

不動産屋さんとボク

 こんにちは、日向です
 本日は、ツタヤ図書館に関する話題はお休みして、不動産についての話を書きます。

 ツイッターの不動産関係者の投稿をみていたら、「深田恭子さんの新恋人に、あの不動産会社の若手社長」と「生活保護利用者の住まい」のニュースが同時に流れてきました。

 芸能人とのスキャンダルや、貧困ビジネスの温床になりやすい狭小アパートについてのニュースは興味深いものですが、一般人が不動産のしくみについて知ることができるプレーンな報道は、あまりおめにかかれません。その様子がこのふたつのニュースに象徴されているように感じました。


「不動産業界には、客観報道はない」
と思いませんか?

 あるのは、「大家さんになって大儲けする方法」とか、「はじめての一人暮らし入門」「持ち家VS賃貸どっちがトク?」【広告記事】などなど。不動産会社にとって都合のいい情報をならべたステマばかり目に付きます。

 定期的に発表される不動産動向のデータにしても、上がったときは派手に上昇率を出すのに、下がったときは「下落率縮小」など、戦争中の「大本営発表」かと思うくらい業界の利害を優先しているので、あまり参考にはなりません。

 いい部屋をみつけるノウハウ、家賃を安くする法、賢いマイホーム購入法など、タイトルとしては、雑誌やネットニュースにも、たくさんの不動産関連の記事をみつけることはできますが、それらもよく注意してみると、不動産業界の利害関係者のコメントを必要以上に頼りにした残念な記事ばかりです。

 その結果、なにが起きているかというと、結構な収入があり、決して世間知らずではない中堅サラリーマンが、おかしなアパマン投資詐欺に、いとも簡単にひっかかったり、

マイホームでは、バカ高い物件をつかまされたり、物件は良くてもローンの組み方が無茶苦茶だったり、賃貸にしても、明らかに家賃と物件価値がバランスを欠いていたり、

あげ出したらきりがないくらい、お金をムダに払っている人があとをたちません。

そうなるのは、仕方ないことなのかもしれません。ちゃんとした知識が流通していないのですから。

マスメディアは、プロの事業者を情報源とした記事を書きますので、刑事事件でもならない限り、不動産事業者サイドがいくらおかしなことをしても批判なんか一切しません。

大スポンサーである、大東K託とか、江井ブルとかが、トラブル起こしてもマスメディアは、まったくといっていいほど報じません。

 明らかに供給過剰に陥っているにもかかわらず、部屋を借りるのに、いまだに高額な敷金、礼金、仲介手数料等がかかるのに、店子は、疑問を持たないように“教育”されています。

人口減少社会では、年々空室率は高くなります。それによって、賃貸物件の市場性や流動性が著しく損なわれ始めていることに、プロの事業者たちも、うすうす気付いています。

借り手市場になれば、家賃は劇的に下がり、礼金や更新料など貸し手市場時代にできた慣習は次々となくなるのが、市場原理のメカニズムなのですが、なぜか現実は、そうなっていません。

不動産事業者は、自分たちの利益が減ることは、死んでもしません。もしなにか大きな変動があれば、オーナーだけがソンをするしくみになっているからです。

不動産事業者は、基本オーナーにはならず、コミッションフィー=手数料商売に専念します。不思議じゃないですか? 手数料商売なんてたいして実入りもないのに。

そこは、数がモノをいうんです。5%の管理費を取っていると、20件管理物件を持てば、一軒の賃貸物件を所有しているのと同じ収益をあげられる計算です。1円も投資せずに、もしものときのリスクもゼロで、です。だから、彼らは、自分では買わず、ひたすら人に買うことを勧めるわけです。



「更新料」は誰のためにある?


「大家さんとボク」が昨年ベストセラーになりました。大家さんとの日々の交流をほのぼのしたタッチの漫画で描いた世界は、日本人好みと言ってしまえばそれまでなんですが、立場や利害を超えて仲良くすることがなくなった、いまのご時勢だからこそ、ヒットしたといえるのかもしれません。

でも、仲良くすることを必要以上に優先していたら、立場の弱い人だけがソンをしてしまいます。

「大家さんとボク」は、一見して立場が真逆のように思えますが、実は、運命共同体なんです。

適正な家賃でより長く住んでもらえたら、大家さんとしても嬉しい限りです。店子さんとしても安定した生活基盤を築けます。なので、2年ごとの更新料なんてのは、大家さんからしても、どうしてもほしいものではありません。

大家さんにとっては、更新料もらっても、2年ごとに出ていかれるのではないかとビクビクするよりも、自動更新でそのまま長く住み続けてもらったほうがずっと安心です。その分、空室で無収入になる期間を短くできるからです。

更新料というのは、仲介する不動産会社のためにあるんです。2年に一度契約を更新する事務手数料をもらいたいですし、ただ長く住み続けられると客は減ってしまいますので、

2年に一度くらい引越してもらって、そっちで仲介手数料と大家さんからは広告宣伝料、保険料の代理店収入、リフォーム業者からのキックバック、鍵交換費、一括借り上げでしたら転居先での礼金なども不動産会社の貴重な収入源です。

賃貸で、そういう費用をただ言われるままに払っていたら、いつまでたってもお金なんてたまりません。少し収入がアップしても税金が高くなったり、家賃をあげられたりしたら、一生生活はラクにはなりません。

そこで、ズバリ、ゼニになる知識なのが、利用者本位の不動産ノウハウです。

拙著『家賃は、今すぐ下げられる!』は、そんな数少ない利用者本位の虎の巻です。

特別なことはなにひとつ書いてませんが、誰もが知っておいて絶対にソンはないというか、これから賃貸に住むときに確実に費用を抑える知識がテンコ盛りにしてあります。

ぜひ、一度手にとってみてください。


↓ダビンチ・ニュースで紹介していただきました。
知らなきゃ損する! 家賃をちょっとでも下げたい人のための交渉術

「大家さんと闘うボク」(1)
「大家さんと闘うボク」(2)
でも、本書の中身を解説しています。

『家賃は今すぐ下げられる!』



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