2024年2月16日金曜日

次の“ツタヤ図書館もどき”は、静岡県富士市にできる

 

こんにちは、日向です。


静岡県富士市が、JR「富士」駅北口の再開発事業で計画している公益施設(2028年オープン予定)のデザイン案を発表したというニュースが1月13日の東京新聞に出ていました。


https://www.tokyo-np.co.jp/article/302528より




早速、ツタヤ図書館ウォッチャーの方が


富士駅の公益施設はカルチュア・コンビニエンス・クラブに運営を発注予定なのにどこも書かない


とsnsで指摘されていました。


どういうことかといいますと、昨年6月に、富士市がこの施設に関して、運営企画支援等業務を委託する事業者を募集してまして、8月には、すでに、優先交渉権者としてカルチュア・コンビニエンス・クラブが選定されていたんですね。


企画提案書等審査結果について

優先交渉権者カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
次点者株式会社丹青社

https://www.city.fuji.shizuoka.jp/sangyo/c0207/rn2ola000004rdtl.html


私もうっかり、そのことを忘れてました。


運営企画支援等業務というのは、富士市の発表では、


“市民の認知度向上・機運醸成を図るため、開業前イベントの企画・実施を行うことに加え、利用しやすく、管理運営しやすい施設設計を実現するため、基本設計者に対して、管理運営者の視点で提案等を行っていただくもの”


ということなんですが、ウォッチャーの方が仕様書にこんな記載があることを指摘されていました。


本業務の受託者には、本業務内容を踏まえ、令和6年~7年度に予定している本施設の運営・企画等に関する業務を発注する予定


 

https://web.archive.org/web/20230612164248/https://www.city.fuji.shizuoka.jp/sangyo/c0207/rn2ola000004iaka.html



な、なんと、運営企画の支援等業務を受託したら、その後の「運営・企画」業務も発注してくれるというんですよ。ということは、施設の運営もCCCで決まり、駅前の公益施設は、延岡市のエンクロスや丸亀市のマルタスと似たような、CCCによるツタヤ図書館もどきになることが、この時点で確定したのか。


そう思いますよね。


そこで、すぐに担当課に電話して確認しましたところ、


いや、そんなことはないです。指定管理者はまた別に公募する予定です。イベントとかの企画をお願いするだけです。


と担当課の方がおっしゃってました。


そうですよね。まさか、開業準備の支援業務を受託すると、おまけに本体の運営業務まで受託できるなんことになったらタイヘンですよね。


CCCがからむ事業は、いつも「出来レースか!」といわれるのに、また富士市もそうだったなんてと指弾されかねないわけですよ。



そこで、いったいこの事業はどうなっているのかと、富士市に情報開示請求をかけました。その結果は、後日、別記事に書きます。



で、先に整理しておきたいのが、この公共施設の基本設計とデザインは、2023年5月に公募型プロポーザルで


アール・アイ・エーとマウントフジアーキテクツスタジオが受託していました。


アール・アイ・エーといえば、当サイト読者のみなさんには、すっかりお馴染みのCCC御用達の建設コンサルタント・設計事務所です。


古くは、渋谷スクランブル交差点前のTSUTAYAが入っているQフロントビルを皮切りに、CCCのフラッグシップともいえる代官山蔦屋書店を手がけ、図書館では、海老名市の中央図書館をツタヤ仕様にするための大規模改修、巨額の公費を注込んだ初の新築ツタヤ図書館となった宮城県多賀城市、さらには当サイトでしつこく追いかけてきました和歌山市民図書館については、事業計画から設計までをすべて手がけてきておりまして、CCCと二人三脚でツタヤ図書館構想を実現してきた立役者でもあるわけです。


そんなコンサルタントが富士市の基本設計を手がけているんですから、その時点で、令和10年度にオープン予定の富士市北口公共施設の運営もCCCが担うことが内定していると言ってもいいんじゃあないかと思いますね。


とはいえ、世の中、なにがあるかわかりませんので断言はできませんが、少なくとも、これだけの出来レースを疑われる材料がそろっていたら、ライバル企業は、まずガチでは応募してこないのではないでしょうか。もしコンペになったとしても、ダミーまがいの事業者が参加して一応形だけ、コンペになったようにみせるのではないかと思いますね。


運営支援業務といえば、昨年、当サイトでもさかんに報じました千葉県木更津市の市民交流プラザを受託した船場さんが、CCCとコンソーシアムを組んで基本設計・基本計画を策定するプロセスで官製談合が疑われる行為があって議会でも取り上げられる大問題になりました。運営支援業務を受託したら、東京オリパラの事業者選定をウラで差配した電通と同じポジションにいられるわけですから、これは、また同じようなことが富士市でも行われているのかと思わざるをえないんです。



これ、ずうっと言い続けていることですが、PFI事業(整備から運営までを一括して民間に任せる方式)で、運営者が施設建設の設計段階から関与することで、より使いやすい施設ができるといわれる「デザインビルド」と同じ方式を、PFIでもないのに、CCCは2013年の元祖ツタヤ図書館の武雄市以来やっているんです。


もちろん指定管理者としてコンペで選定される前に、ウラでは、設計段階から事業に関与なんかしていたら、完全に官製談合として関係者は全員逮捕されてしまいます。


なので、今回の富士市のように、開業準備などの支援業務で入り込む(もしくは連携協定締結して設計助言する)ことで、かろうじて施設の設計段階から運営者が関与できるんですが、本当は、もっと前に「CCCでいく」と政治決断がなされており、あとの手続は、いかにその結論に合わせて密かに進行していくかというのが、和歌山市でも、木更津市でも、丸亀市でも、宇城市でも、門真市、読谷村でも行われているのではないのかっていうのが、当ブログの大きなテーマでもあるわけなんです。


官製談合なんかどこでもやってるよ


そんな声があちこちから聞こえてくるんですが、市民不在で、ロクに議論もしないまま、裏で癒着している政治家と一事業者が決めたことを行政の現場が推進していくという醜悪な構図を、いったいいつまで続けるのかな


そう思うわけなんです。それで「賑わい創出」が実現できたのかというと、みなさんご存じの通り、CCCが運営するツタヤ施設のある街は、どこも中心市街地のシャッター商店街は変わらず、人口も減る一方で、激安賃料で優遇されたスターバツクスと蔦屋書店だけで儲かり、施設の運営費負担が年々重くのりかかるだけです。


というわけで、図書館機能は劣化し、地域の文化は廃れ、ただオシャレで空虚な雰囲気だけが残るまちがまたひとつ増えそうです。



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