2024年2月17日土曜日

黒塗りすら出さない富士市・市街地整備課

 

こんにちは、日向です。


2024年2月16日金曜日


のつづきです。



1月17日と1月24日に、JR「富士」駅北口の再開発事業で計画している公益施設(2028年オープン予定)に関する情報開示請求を行いました。


運営企画支援等業務委託の優先交渉権者にカルチュア・コンビニエンス・クラブが選定された経緯がわかる文書


として1/17に請求した後、「CCC運営施設を視察した際の報告書等、関連資料も含まれていますか?」と確認しましたところ、


「それは含まれてません」とのことでしたので、追加で1/24に、視察関連の資料も請求したわけなんです。



その開示資料が一昨日、ようやく届きまして、早速データの入ったCDを読み込んでみましたところ、


まず、開示決定書にある非開示理由に目が留まりました。





富士市情報公開条例第7条3号

視察先の指定管理料及び組織体制、 民間部分の賃料については、公表されていない情報であり、 指定管理者のノウハウや経理・人事等内部管理情報を含むものであり、 公開することによ って、法人等の権利、 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。


富士市情報公開条例第7条6号

施設整備に係る事業費及び施設運営に係る指定管理料、 組織 体制、民間部分の賃料については、現在指定管理を行っている視察先の自治体でも公表していないものであり、公にすることにより、現在の指定管理者との信頼関係に影響を及ぼし、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため。また、富士市としても他自治体の非公開情報を公開することにより、信頼関係に影響を及ぼし、今後の事務事業の遂行において、助言、情報交換ができなくなるなど、適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため。




富士市担当課の職員が周南市でCCCが運営している図書館と賑わい交流館を視察した際に説明された資料のうち、スターバックスと蔦屋書店の店舗が周南市に払っている賃料は、非公開情報であり、そこに指定管理者のノウハウ等が書かれている、つまり企業秘密にあたるため非開示にするとされています。


そんなバカな。指定管理料が非公開情報だなんて、ありえない。その記載がある箇所に企業秘密だとか、それを公にすると相手先の自治体と指定管理者の信頼関係に影響を及ぼすなんていうのも、ふつうでは考えられない理由です。



そこで、すぐに担当課に電話して、こう抗議しました。


周南市の民業部分の賃料は、「公表されていない情報」ではない。現に、私は周南市から聞いて知っている。


公共施設の指定管理料は、新聞報道もされている公知の事実なので、「非公開情報」などではない。


と申し上げたうえで、何故、これらが非開示なのか、議員さんが視察した延岡市のエンクロスの報告書では、初年度の指定管理料も開示してるないじゃあないですか。どうして周南市は非開示にしたんですか?


すると、


周南市にこちらから問い合わせたら、そのような回答だったので


と、おっしゃるんですよ。



――へえー、周南市がCCC店舗の目的外使用料は出さないでほしいとか、指定管理料も出さないでほしいと回答したんですね。


ええ、まぁ…。


――本当に、周南市がそんな回答したんですか。だとしたら、このとき富士市が周南市に意見聴取した記録を開示請求すると出てくるんですよね?



いえ、特に記録はとってないので、出ません。



――それはおかしいてすよ。和歌山市は、開示していいかどうかを相手方に確認した電話聴取記録を開示しましたよ。本当に「民業店舗の賃料と、指定管理料は出さないでほしい」と周南市はいったんですか?


んーと、周南市さんは『出せる情報と出せない情報がある』とおっしゃってまして…。


――なんとなく出してほしくないという雰囲気を感じ取ったので非開示にしたんですか?


……。



そこは曖昧なんですね。


……。





 もうひとつ気になったのは、CCC選定経緯です。


選定経緯がわかる書面として開示されたのは、「実施要項」が15枚、「選定経緯」が7枚の計22枚ありました。


実施要項は、募集時に富士市のサイトで公開されていたもので、肝心の「選定経緯」は、所在地の地図が1枚、仕様書が3枚、選定結果報告書が3枚だけしか開示されませんでした。


選定結果報告のページをみてみると、いきなり審査委員の人数から黒塗りされていました。もちろん審査委員の氏名、所属・役職はすべて黒塗りでした。





その後に、当然あるはずの、参加事業者の提案書とプレゼンテーションの内容に関する文書が1枚もありませんでした。



審査委員会の非開示ついては、担当課に、こう聞きました。


――審査委員が何名かを開示したり、審査委員の肩書や役職を開示すると、今後の業務や意見 照会等に関し率直な意見の交換又は中立的な意見聴取ができな くなるおそれがあるんですか?


非開示の理由については、うちで決めたわけではないので総務部の情報公開担当に聞いてほしい。


――えっ、担当課で非開示部分を決めたんじゅあないんですか?


そのへんは、こちらでよくわかってないので、総務部と相談してお答えします。



――わかりました。では総務部につないでください。非開示理由を聞いてみますので。


はい。ではつなぎます。


(総務部情報公開担当者に代わる)

――担当課では、うちが決めたわけではないとおっしゃっているんですが、どうしてこれらが非開示なんですか? 具体的にどのような支障がきたすと想定されているのでしょうか?


いえ、これらはあくまでも担当課で判断したものです。こちらで判断したものではないので、具体的な詳しい理由まではわかりません。



――わかりました。それでは、担当課と相談して回答してください。←いまこの回答待ちです。



参加事業者の提案書とプレゼンテーションの内容に関する文書が1枚もないことについては、しばらくして、担当課に再度聞いてみました。



プロポーザル? ああ、提案書のことですか。それは、非開示の理由が書いているはずですが…


――だとしたら、提案書とプレゼンテーション内容が黒塗りされた文書として出てこないとおかしいですよね。そういう文書はどこにもみあたりませんが。存在しないあつかいになっているのはどうしてですか?



「選定経緯がわかるもの」ということで請求されたので…(そこまで詳しい文書が必要だとは思いませんでしたというニュアンス)




この後、総務部の情報公開担当と、もう一度話をしました。


他の自治体では「CCCを選定した経緯がわかるもの」として請求したら、たとえ黒塗りはされていても、提案書やプレゼンの内容も、当然のごとく出てくるのに、どうして富士市では黒塗りすら出てこないのですか? 私は事前に、担当課の方に電話で、CCCのどのようなところが高く評価されて選定されたのかがわかる文書を出してほしいと、こちらの真意を説明・相談したうえで開示請求をしたのに。


と申し上げましたが、明確な回答はいただけませんでした。


これ以上、抗議をしても仕方ないので、あらためて、提案書など、あるはずの文書名をいくつか例示したうえで「CCCが選定された経緯のわかる●一切の●文書」として、追加の開示請求をしました。


                ※以下7枚開示された「選定経緯」↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓











ちなみに、運営支援業務委託を受託した後、指定管理者にも選定されるのは、2020年にCCCを市民センター・マルタスの指定管理者に選定した丸亀市とまったく同じパターンです。


丸亀市は、それでも一通り選定までの経緯がわかる文書はすべて開示してきました。黒塗りは少しありましたが、審査委員の名前、各委員の採点は黒塗りでも、審査委員の人数、肩書などは開示されていました。また、CCCの提案書(20枚)については、人員構成部分2か所のみ黒塗りで、あとはすべて丸亀市は開示しました。


富士市は、情報開示に対してかなり後ろ向きな自治体のような印象を持ちました。


市街地整備課の担当者は、「市民からの情報開示請求に対応するのが初めて」とのことで、不開示理由などについては、自ら決定したにもかかわらず、総務課の情報公開担当者と相談して回答したいというばかりで、明確な回答をしていただけませんでした。


人口24万人を擁し、静岡県では、静岡市葵区につぐ規模なのに、情報公開の取り組みに関しては、これまで私がみてきたツタヤ誘致自治体のなかでも、かなり遅れているように思いました。


なお、開示資料は、このページにのちほど順次アップしていきますので、よろしくお願いいたします。


【22時59分追記】

開示資料を以下にアップしました。

富士市・選定経緯・視察資料一括.pdf


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