2019年2月1日金曜日

謎の公益法人

こんにちは、日向です。

先日書きました 『RIAの暗躍』について、もう少し経緯を詳しく書いておきたいと思います。


昨年7月、和歌山市が97%が黒塗りで開示してきた(『黒塗りの図書館計画』参照)1400枚の資料を調べていくと、

会議がスタートした翌月の2014年7月以降、毎回RIAのスタッフが出席していました。

RIAは、これまで何度も述べている通り、CCCのフラッグシップとも言える代官山蔦屋書店の設計を手掛けた設計事務所であり、まちづくりの構想を手掛けることが得意な建設コンサルタントでもあります。

なんで、そんな会社がまだ何も決まってもない段階で、再開発プロジェクトの関係者会議に参加しているのか、不思議に思った私は、


「RIAは、どういう資格で調整会議に出席しているのか?」

と、和歌山市の担当部署に問い合わせましたところ

当初「和歌山市がRIAと直接契約を締結して、都市計画に関する業務を委託している」

という回答でした。

前回も述べたように、会議資料を読む限り、RIAは、てっきり南海電鉄側の代理人というかコンサルタントとして会議に出て発言しているような雰囲気でしたので、この回答には、正直、驚きました。

もちろん、市が計画する都市計画もRIAが深く関与しているのだろうとは漠然と思っていましたが、それがすぐに問題になるとは、まだこのときには気付いていなかったのが正直なところです。

で、どちらにしろ、市がそう明言しているわけですから、具体的に市とどういう契約をRIAが交わしているのかを知るために情報開示請求をしました。それに対する回答が以下の書面です。




「和歌山市がRIAと直接契約を締結」していると担当部署では言ってたのに、ふたをあけてみしたら、「契約していない」というんですから、これまた、驚きました。

「えっ、じゃあ、RIAと契約してると言ったのは、ウソだったんですか?」

と問い詰めましたところが、こういうおかしな回答がきたんですね。


「契約を交わしているのは、公益社団法人の全国市街地再開発協会というところ。詳しくはネットで調べてほしい」

えっ、そこってもしかして国交省の関連団体?

と聞きましたところ

「そうとも言えるかもしれない」というなんとも曖昧な回答。

調べてみると、やはりその団体は、国交省系列の外郭組織でした。


いろいろ聞きましたところ、この協会さんの下請けで入っているRIAが、和歌山市が依頼したまちづくりに関する調査や計画立案などを担当したということらしいんです。

じゃあ、その資料を出してよということで、開示請求の文言を担当課の指導の下に書き直しまして再度請求しました。





出てきたのが2012年、2013年、2014年の三度にわかる契約書と発注書でした。



調査報告書等の成果物は、すでに市のサイトで公表されていたため、文書番号を電話で伝えられただけでしたが、最後の2014年に行なわれた調査報告書については、現物のコピーが開示されたのです。


それがBJでも紹介した「和歌山市 まちなかエリア 公共施設の課題整理と再整備の方向性について」です。日付は「平成26年9月」となっています。




この文書をみて、何が驚いたかって言いますと、2012年以来、さんざん行なわれてきた調査報告書には、図書館の「と」の字もでてこなかったのに、一躍、まちづくりの主役に図書館が躍り出てきてるところでした。

すなわち、市駅再開発には、市民図書館を移転させるのが最善の策みたいな話になってるんですよ。

これは、多賀城以降、TSUTAYAを誘致した自治体に共通していることなんですが、長年中心市街地の空洞化対策をさんざん練ってきたけど、なかなか前に進まず苦労しているところに、ある日突然、「そうだ、図書館もってこよう!」みたいな話がどこからか降って沸いてきてるんです。

多賀城、周南、延岡(図書館ではないブックカフェになりましたが)は、どこもそのパターンですね。

延岡などは、市民主導でまちづくりの計画を進めていたことが伝えられていますが、和歌山もそれとよく似たパターンです。

RIAがからんでいたとは言え、図書館の話が出てくるまでは、市民参加のイベントなども開催されていて、まちづくりの構想に関しては、悪くないというと大変失礼ですが、前市長も市の関係者の方もたいへん熱心に取り組んでおられたのだなぁということがわかる文書が続いていました。

それが市長が変わる頃をみはからったように、和歌山市は、市駅前再開発プロジェクトについて、南海電鉄と県庁を含めた調整会議をスタート。

そして、スタートして3カ月後に、新しい図書館を目玉とした都市計画が突然表に出てくるわけです。

長くなりましたので、続きはまた明日書きます。


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