2025年10月20日月曜日

坂出市の情報公開はどうなっていてるのか?

 

こんにちは、日向です。


前回と前々回は、昨年ツタヤ図書館誘致を決めました坂出市の審査請求・弁面書に対して送付した反論書を公開しました。




 これを読まれて、自治体の情報公開って、そんなに欲しい情報が開示されない役立たずなの?と思われた方も多いと思います。


 そこで、本日は、坂出市の情報公開って、どういうふうになっているのかについて、これまでにわかったことをまとめておきたいと思います。


 まず第一、坂出市は、市内在住・在勤者の限らず、どこの誰でも情報公開請求をすることができます。いわゆる「なんびとも~」と呼ばれるフルオープンの体制です。


 ツタヤ誘致自治体のなかには、和歌山市のように市外の者からについては、任意的に受け付ける「情報開示申出」のみ自治体もあるなか、対象者に一切制限を設けていないというところは、高く評価できるのではないかと思います。「情報開示申出」の場合は、市外の者はあくまで恩恵的に情報を提供してあげているというだけなので、不服の申し立てイコール審査請求ができませんので、黒塗りされたり不開示決定が出たら、それまでです。

 しかし、よくよく調べてみると、坂出市の条例とその運用は、決して手放しで高く評価できるわけではなく、熊本県宇城市のように、よくわからないまま他市と同じような条例を制定しただけで、特別情報開示に積極的というわけではないことがわかりました。(ちなみに、宇城市は、私が2021年に審査請求をしたことがきっかけで、「なんびとも~」受け付けていた体制を「市内在住者に限定する」よう2023年に条例を改定しました)


 次に、私が真っ先に知りたかったのは、今回、坂出市の公民連係課と図書館部門がそれぞれ別々に出してきた弁明書は、誰がどのようにして書いたものなのかってことでした。

 だいたいどこの自治体でも、総務部に情報公開の担当課があって、そこの職員が情報公開の実務に関しては、条例の細かい内容も含めていちばん詳しいはずですが、彼らは開示の実務はタッチしません。 市民の情報開示請求を受けて回答するのは、どこでも担当課の職員です。

 坂出市の場合は、市長宛ては、公民連係課の職員が、教育長宛ては、大橋記念図書館(坂出市の中央図書館)の職員が担当したことが判明しました。
 
 お二人とも直接電話でお話をお聞きましましたが、情報公開条例については特に詳しいわけではなく、審査請求に至っては今回私のケースが初めてだそうです。さらに総務部の情報公開担当職員ですら、審査請求は着任以来これまで一度もないそうです。みなさん現在の部署に1~2年しかおらず、最も長い図書館部門の職員の方は3年だそうです。

 興味深いのは、坂出市でも、情報公開制度にいちばん詳しく、制度の運営を担っている総務部の担当の方が、今回の開示から弁明までについては、ほぼノータッチだったということです。情報公開条例についての知識が乏しい担当課の職員が、情報開示請求を受けて対象となる公文書を探し出してきて、これはマズイと判断した部分を黒くヌリヌリしているわけです。


開示請求しても審査請求なし?



 ということは、坂出市では、情報開示請求は、極端に少ないのかなと思ったら、そうでもなく、直近の2024年(令和6年度)には99件(全部公開54件、一部公開 43件、非公開2件)もあるんです。


・情報公開制度の運用状況について令和5年以降の実施機関別件数

(令和5年度)公開請求件数 126件
全部公開 63件
一部公開 52件
非公開 11件(うち文書不存在 10件)

(実施機関別内訳)
市長 107
教育委員会 16
監査委員 3
合計件数 126

(令和6年度)公開請求件数 99件
全部公開 54件
一部公開 43件
非公開 2件(うち文書不存在 2件)

(実施機関別内訳)
市長 85
教育委員会 15 ※2件市長と重複
農業委員会 1
合計件数 99(重複分を除く。)



 ちなみに同じ人口5万人規模の宇城市では、情報開示請求は例年20~30件くらいしかない(2018年27件、2019年34件、2020年38件、2021年34件、2022年23件)ことからすれば、坂出市の請求件数は決して少なくないといえます。

 ところが、坂出市で不服の申し立てをした審査請求となると、ガラリと様相は異なってきます。2024年度はゼロ件。なぜか2023年度だけ7件もあったほかは、例年1件あるかどうか。ほとんど審査請求をする人はいないみたいなんです。


・情報公開制度の運用状況について各年度における実施機関別・審査請求件数
(令和2年度)0件
(令和3年度)1件(市長 1件)
(令和4年度)0件
(令和5年度)7件(市長 7件)
(令和6年度)0件



 いまの中央図書館を廃止して、駅前に移転するという重大事を発表したのが昨年秋ですから、ほかの自治体なら私のように不透明な図書館廃止・移転の決定プロセスを開示請求して、それに不服申立をする市民が続出しそうな局面ですが、なぜか、坂出市では、そうした動きがまったくなかったというのが驚きです。


 お隣の香川県丸亀市では、2020年に市民活動センター・マルタスの運営者にCCCが選定された際、市民からは反対の声こそめだってあがらなかったものの、丸亀市議議会では、「CCC任せて大丈夫なのか?」という議員たちの疑念が渦巻きました。そのため執行部は、全員協議会を開催して詳細な説明会を行いました。なおかつ、CCCの責任者を議会に読んでプレゼンさせるという、こちちらは、特定企業との癒着実態があからさまになるという、これまた別の意味で前代未聞の事態が起きていますが…。


 坂出市では、なんの議論もなく情報開示請求して不服申し立てる市民もいなかったとしたら、不思議で仕方ありません。ちなみに図書館移転が決まる前の2023年度に限っては、情報公開請求が坂出市でも、126件もあり、うち7件の審査請求がありましたので、そのなかに、もしかしたら、決定前に水面下で進んでいたCCC誘致に関する請求があったのかもしれませんが、現時点では、まだそのときの審査請求の答申書が公表されていませんので、その点は確認できませんでした。

 また、昨年開示請求されて、今年に入って審査請求された方がいるのかもしれませんが、そのデータはまだ発表されていません。

ご存じの方がおられましたら、ぜひコメント欄で教えてください。

 坂出市の情報公開制度の運用状況に関しては、法律で定められている公表義務は、一応はクリアしているようですが、2022年までの実施状況しか発表されておりません。それ以降については、総務部に問いあわせるしかありません。

 今回、私のように審査請求をしてややこしいことを言い出す者が出てきたため、今後は、宇城市のように、情報開示請求ができる対象者をしない在住者に限定するように条例を改正するかもしれません。


審査会開催スケジュールは未定



 では、審査請求された事案について、専門家が情報開示の是非を審議する審査会の顔ぶれはどうでしょうか。

 これについては、検索してもまったく情報が出てきません。過年度の審査請求答申書に書かれた会長さんのお名前で検索すると、お隣り丸亀市の弁護士さんのようでしたが、それ以上のものはみつかりませんでした。


 情報公開のページでも審査会委員の名簿は公表されておりませんでしたので、総務部に問い合わせて、ようやく以下の名簿を入手することができました。


坂出市情報公開・個人情報保護審査会委員
(1)坂入  誠(弁護士)
(2)三谷 茂寿(公認会計士)
(3)三野 郁子(本市人権擁護委員)
(4)塚本 俊之(香川大学法学部教授)
(5)三野 秀行(本市行政相談委員)

筆頭にお名前があがっている弁護士の先生は、坂出市の方のようなので、最近、このメンバーに
代わったのでしょう。



 では、審査請求を受理した後、審査会の開催スケジュールはどうなっているのでしょうか。和歌山市などは、さすが県庁所在地だけあって、毎月のように審査会が開催されて、そこで次々とあがってくる審査請求についての審議が行われていますが、坂出市では、不定期開催だそうで、次回いつ開催されるかもまだ未定とのことでした。

 
 としたら、審査会の答申が出るまでには、いったいどれくらいの月日が費やされるのでしょうか。毎月開催されていた和歌山市ですら、審査会が一部開示せよとの答申を出してその通りに開示されるまでに約3年もかかっていましたので、新図書館がオープンする頃には、なんらかの結論は出ると思いますが、そうなると、情報公開制度って、いったいなんの意味があるの?と市民は受け止めるでしょう。

 ですので、あとは審査会の委員の先生方が、いかに誠実にその職責を果たされるのか、また、市民の知る権利を守る最後の砦ともいえる図書館が、自らの廃止・移転にかかわることについての情報を開示することに、どう真摯に取り組んでいかれるかを、しばらくは見守りたいと思います。


 ちなみに、2021年に初当選され、今年5月に無投票で再選された有福哲二市長は、選挙直前の5月1日、エックスに以下のような投稿をされていました。

公務終了後、市民の皆さんへ挨拶まわりを行いました。途中、坂出市立大橋図書館で子ども達に読み聞かせをしているボランティアの方に出会い、「新しい図書館を楽しみにしています」と言われ、市が進めている「坂出駅周辺再整備」に意を強くしました。市民から力をいただきました。感謝です‼️
 
 選挙間近に、図書ボラさんに「新しい図書館期待しています」と応援されているとご主張されていますが、 決定前にちゃんと市民の声を聞いてほしかったという意見は一切耳には入らなかったのでしょうか。










2025年10月17日金曜日

坂出市教委の弁明書にも反論しました

 

こんにちは、日向です。


昨日アップしました坂出市の弁明書への反論(坂出市の弁明書に反論しました)につづいて、本日は、坂出市教委の弁明書に対する反論書を公開したいと思います。


ちょっとややこしいんですが、情報開示請求というのは、その権限を持つ部局に対して行うしくみになっていて、今回、坂出市駅前に図書館も入る複合施設の建設プロジェクト全般については、管轄が市長部局ですから市長宛てに行います。

またそれとは別に、図書館という教育文化施設の運営に関しては、教育委員会が権限を持っていますから、教育長宛てに行うというわけです。


ただし、例外的に教育文化施設の権限を市長部局へ移管した自治体の場合、図書館に関することも市長宛てだけでいいということになっています。とりあえず、坂出市は、図書館の権限を市長部局に移管しておりませんので、同じ内容の情報開示請求を、市長宛てと教育長宛てに行い、それぞれの部局が保管している情報を別々に開示してくるというしくみになっています。


本日は、その教育委員会バージョンをご紹介するわけですが、最初の開示請求の内容がほぼ同じですから、どちらの部局の弁明書の内容もほぼ同じです。よって、私の反論もほぼ同じです。市教委バージョンで、若干、市長部局にはなかった部分がつけ加えられているのは、私の審査請求に「不存在決定を出してほしい」という内容が加えられているからです。


情報の開示を求めておきながら、「不存在を出せ」というのは、市教委の弁明にもある通り、論理的に矛盾するように思えますが、今回の坂出市の事業が既存の中央図書館(市立大橋記念図書館)を廃止して、駅前に移転するという図書館の存立にかかわる重要事項ですから、それについての議題を教育委員会に上程して、教育委員会として正式に廃止・移転を決定した文書がなければなりません。なので、それについての情報の開示を1アイテムとして求めていたにもかかららず、議決・決裁どころか、そのことを教育委員会内部で話し合った記録さえ開示されておりませんでしたので、そのことを明確にすめためには「図書館の廃止・移転に関する文書は不存在」という決定を出してもらわねばなりません。


教育委員会には一切はからずに、有福市長の鶴の一声で図書館の廃止・移転を決めたということであれば、今回の駅前移転プロジェクトはあきらかに手続きに瑕疵があったということになってしまいますので、「そこは頬被りしたい」というのが坂出市の事務方サイドの思惑だろうと思いますので、果たして、そんな都合のいいことが許されるのがどうかを、審査会の委員の先生方に詳しくご審議いただきたいというのが私の要望です。


というわけで、以下に市教委弁明書への反論をどうぞ

(市長宛てのご反論をすでにお読みになった方は、市長部局バージョンにはなかった市教委バージョンのテキストの色を赤にしていますので、そちらのみお読みいただければと思います)




反論

2025年10月10

  

                                     

   坂出市教育長殿

審査請求人 

      日向咲嗣    



               (連絡先 hina39@gmail.com





令和7813日付の弁明書に対して、次のとおり反論します。


(市教委弁明)






 処分庁が今回開示した文書は、各所に黒塗りがあるため、上記の「個人情報」が具体的にどの部分を指し示しているのか判然としないが、公文書に、ただ個人の氏名が記載されているというだけでは、そのすべてが当該条例における「個人情報」として「非公開情報」にあたるわけではない。

 審査請求人は「ボランティア意見交換会」参加者氏名の開示など求めていないが、当該事業にかかわる行政サイドの人物の肩書・氏名は当然開示されるべき(公務員等の職及び職務の遂行に関する情報は不開示情報から除外されている)で「非開示情報」にはあたらないのは、自治体の情報公開に関係している者にとっては、「イロハのイ」である。また、当該事業の公募に参加した民間企業サイドに関しても、提案書等に記載されている業務を統括する(予定)の責任者については、秘匿されるべき「個人情報」にはあたらないのも、これまでの判例であきらかになっている。ゆえに、それらは、黒塗りせずに開示されるべきである。


(市教委弁明)




 処分庁は、開示した公文書のなかから、いわゆる「企業秘密」にあたる部分を抜き出して「非開示情報」としたと解されるが、具体的にどの部分が、どのような理由で「企業秘密にあたる」かは、一言も説明しておらず、理由は依然として不明なままである。

 改めていうまでもないことだが、単に、法人の事業に関する情報が記載されているだけでは、それが無条件に「企業秘密にあたる」わけではない。判例では、「ただ漠然と競走上の利益が損なわれる恐れがある」というだけでは非開示対象になる「企業秘密」とはいえず、個別の記載事項について、詳細に検討した結果、その情報を公開することによって、あきらかに当該企業の利益が損なわれると判定される箇所のみ「非開示情報」と認められている。


 長年、総務省で公共経営にかかわった後、東京都中野区や神奈川県平塚市等で情報公開審査会の委員(平塚市では会長)を務めている神奈川大学法学部の幸田雅治教授は、「企業秘密」について以下のような見解を示している

「競争上の利益というのは、本来、その企業が持つ独自のノウハウであり、ほかの企業にはマネのできない特殊なもののはず。それと認められる部分は、もちろん黒塗りするのはやむをえない。しかし、多くの場合、そういう独自の技術・ノウハウとはいえないものを、ただ漠然と『競争上の地位に影響がある』としていたりしますで、私が出ている審査会では、本当に企業秘密と言えるものなのかどうかをひとつひとつよく検討したうえで、そうでない場合は、全面開示すべきとの答申を出すことになります」 (日向咲嗣著『黒塗り公文書の闇を暴く』朝日新聞出版93ページ)


 坂出市情報公開審査会には、坂出市の公民連携課が非開示とした部分の法人情報について「企業秘密にあたる」とした理由を聴取し、場合によっては、その情報の当事者である企業にも聴取したうえで、どれが「法人の事業活動の自由や競争上の地位の保護を目的として、ノウハウに関する 情報や法人の事業活動が損なわれると認められる情報」にあたるかを精査していただきたい。


(市教委弁明)



 上記で指摘されている、いわゆる「審議、検討等情報」が非公開となるかどうかは、以下の要素を考慮して個別具体的に判断されるものである。

(1)単に自由な意見交換が損なわれる可能性があるだけでなく、それが公共の利益と比較して看過できないほど不当であるかどうか


(2)単なる客観的な調査データなどは非開示に該当しない


(3)時間が経過して最終的な意思決定がなされた後については、「自由かつ率直な意見交換を確保するために必要」とは認められない


 坂出駅前に新しい図書館を建設する当該事業の計画はすでに決定されており、いまさら担当事業者の選定プロセスの情報が公開されたからといって、自由かつ率直な意見交換を確保しにくくなることは考えにくい。逆に、プロセス情報を秘匿することで、市民にいらぬ誤解を与えかねない。


(市教委弁明)




 「他市が行なう事務または事業に関する情報」「使用料などの契約内容」がなにゆえ「事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」というのも、意味不明である。

 坂出市の実務者たちがカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)等、民間企業運営の公共施設を視察した際に説明された指定管理料等の運営費に関する情報は、メディアでも報道されているのはもちろん、各地の視察団が作成した復命書等においてCCCから説明された内容として、多数ネット上に公開されている(私的な慰安旅行ではなく、貴重な税金を費やして得た調査結果は市民に開示されるのは当然)

 それらの情報はすでに「公開情報」として扱われるべきものであり、条例に定められた例外的な非開示情報にはあたらないのは、改めて指摘するまでもないことである。

 そもそも運営費の金額やスタッフの人数等については、これから新しい図書館を整備するにあたって貴重な参考情報であることから、このような基本的な情報を非開示にしていたのでは、なんのために職員が多額の公費を使って各地を視察したのかと市民は怒りを覚えるだろう。

 それでもなお、非開示にすべきと市教委サイドが主張されるのならば、審査会は、企業秘密同様に、上記に、該当する情報が開示されることで具体的にどのような支障が生じる可能性があるのかを関係者に聴取したうえで、ご審査いただきたい。



(市教委弁明)





 企業が自治体に提出した文書は、本来、すべて開示されるべきものである。「公にしないとの条件で任意に提出された」とは、当該企業と坂出市教委の間で、事前にどのような協議・約束がなされたのだろうか。

 通常の公募型プロポーザル等のコンペにおいて「公にしない」という約束を自治体が当該企業と交わすことは、はなはだ不適切である。公務委託業者の募集要項には「応募にあたって、市に提出された文書はすべて公開する」旨が記載されていて、そのことを承知のうえで事業者は応募してくるのが一般的である。

 坂出市においては、なにゆえ、市教委がその原則を捨てているのだろうか。本当に、当該企業と坂出市教委はそのような密約をしたのか。もししたであれば、不都合な情報はなんでもかんでも「公にしないとの条件で任意に提出された」ものとして非開示にできてしまう。結果、例外規定の抜け穴を飛躍的に広げることととなり、「公にしない」との約束そのものが情報公開条例の精神を踏みにじるものになってしまうと言わざるをえない。

 よって、坂出市教委が当該企業とそのような約束をしたのかどうかを審査会は詳しく調査すべきであり、もし、そのような約束を市教委が勝手にしたのならば、その情報を公にすることによって、具体的にどのような不利益を当該企業が被る可能性があるのかを情報公開条例の趣旨にのっとって、詳細に検討していただきたい。

 なお、前出の神奈川大学法学部の幸田雅治教授は、この点について以下のような見解を示している。


「あらかじめ公開しないことを前提に任意で提出された文書なので、開示できないというケースもよくありますが、そういう論理が通用するのは、航空機や列車の事故で編成される調査委員会だけです。関係者個人の刑事責任を追及すると事故原因がわからなくなるため、原因調査を目的としておおやけにしないという前提で調査が行われます。しかし、一般的な公文書においては、そういう約束そのものが不適切であり、そのような約束をしていたとしても、開示すべきものは開示しなければなりません」 (日向咲嗣著『黒塗り公文書の闇を暴く』朝日新聞出版102ページ))


(市教委弁明)





 これまで述べてきた通り、坂出市教委は、情報公開の例外規定を拡大解釈して、むやみに公文書を黒塗りしている。「非公開情報の妥当性」は、どこにもみあたらない。



(市教委弁明)





 公募型プロポーザルの選定の概要は、確かに、坂出市のサイトに掲載されているようだが、それは、あくまでも市長部局による開示である。

 図書館という教育委員会が管掌する教育文化施設については、教育委員会独自の検討プロセスがなければならず、坂出市が図書館の管轄を市長部局に移管していない以上、教育委員会独自に、駅前への図書館移転についての是非や、移転するのであればどのような図書館にすべきか等を、市民や教育委員会傘下の図書館審議会での有識者の意見を詳細に聞いたうえで検討し、具体的な内容を決定していなければならない。

 審査請求人は、そのような情報があるはずと教育委員会に情報開示請求をしたのである。にもかかわらず、事業者の選定についての情報を市のホームページで公表していることで、審査請求人の要求に充分に答えているとする市教委のこの回答は、はなはだ不誠実だと言わざるを得ない。


(市教委弁明)





 しつこいようだが、審査請求人は、坂出市教委に求めているのは、新図書館について、教育委員会独自の検討プロセスがわかる書面である。

 坂出市が図書館の管轄を市長部局に移管していない以上、図書館という教育委員会が管掌する教育文化施設については、教育委員会独自の検討プロセスがなければならず、教育委員会が市長部局から独立して、駅前への図書館移転についての是非や、移転するのであればどのような図書館にすべきかを、市民や教育委員会傘下の図書館審議会での有識者の意見を詳細に聞いたうえで検討し、具体的な計画を決定していなければならない。

 しかるに、坂出市教委は、各自治体への視察に関する記録のほか、図書館協議会等、教育委員会内でふだん行なわれている定例会等の文書のみを開示しただけで、新図書館移転に関して内部で議論したことがわかる書面は一枚もみあたらない。

 その決定プロセスが何もないのに、突然決定した、駅前移転する新図書館に関するパンフレットのような書面が添付されているのみである。



 審査請求人は、市教委委がどのような文書を作成保管しているのかわからないため、決定プロセスに関して、他市への視察記録等、いくつか例示するなど、とりあえず保管しているものをすべて出してほしいとお願いしたものである。

 それによって開示された文書の中には、審査請求人が求めている市教委独自に検討・決定したことがわかる文書を仮に「A」とするならば、市教委の開示は「BC」「A」「D」といったふうに、当然「A」が含まれているものと期待していた。

 しかるに、市教委が今回開示した文書は、「BCD」と、最も核心部分にあたる「A」がひとつも含まれていなかった。

 「A」を出してくださいとお願いしているのに、「BCD」を出してきて「適法かつ適正である」と開き直られては、返す言葉がない。

 「A」については作成保管していないのならば、その点を明確にすべきである。審査請求人が求めている「市教委が、新図書館移転を決裁した文書は不存在」と明確に回答すべきである。雑多な関連情報のみ開示して、目くらましをするような行為は、市長から独立して教育行政をつかさどるという教育委員会に課せられた責任と役割を意図的に放棄しているに等しい。

 

 何度も繰り返すが、坂出市が図書館の管轄を市長部局に移管していない以上、図書館という教育委員会が所管する教育文化施設については、教育委員会独自の検討プロセスがなければならず、教育委員会が市長部局から独立して、駅前への図書館移転についての是非や、移転するのであればどのような図書館にすべきかを、市民や教育委員会傘下の図書館審議会での有識者の意見を詳細に聞いたうえで検討し、具体的な計画を決定していなければならない。

 教育委員会決裁のプロセスを経ていないということならば、坂出市の新図書館建設は、適正な手続きを経ていない行為といわざるをえず、もし今後、それに関して住民訴訟が提起された場合には、最悪、新図書館建設は違法との判決を下される可能性すらある。

 それほど重要なことだけに、審査会の先生方には、市教委の情報公開について、審査請求人が求めている情報を開示していないことを正しく認定していただきたい。

 このようなめくらまし行為が許されるのであれば、市民の情報公開制度に対する信頼は地に落ちるといわざるをえない。



 なお、CCCを公共施設の運営者に選定した自治体においては、本件と同様の行政が出した黒塗り公文書について審査請求人をはじめとした市民から度重なる審査請求が行なわれており、それらの自治体においては、情報公開審査会が詳細に検討した結果「開示すべき」との答申が出されていることも付記しておく。

 たとえば、審査請求人が20216月に熊本県宇城市に行なった審査請求では、審査請求の手続きを行なったとたん実施機関は、審査会の答申を待たずして、CCCと競合した企業名の黒塗りを一部外した文書を開示し、また審査会の答申後には、黒塗りされていた選定委員に関する情報の大半が開示された。

 2017年にCCCを図書館の指定管理者に選定した和歌山市では、地元市民が翌年3月、黒塗りだらけの開示に対して審査請求を行ない、それまでほぼ全面黒塗り状態で開示されたCCC及び同社と競合したTRC図書館流通センターによる提案書について、その約8割の黒塗りがはずされた文書が開示されている。

 さらには、坂出市のお隣りにある丸亀市でも、20228月、CCCが運営するマルタスの運営費の内訳が「企業の競争上の利益を損なう」ことを理由にすべて黒塗りだったのが、情報公開審査会で審議された結果「すべて開示すべき」との答申が出され、運営費の詳細な内訳が市民に対して開示されることとなった。

 坂出市でも、情報公開審査会の委員の先生方には、必ずや、公正公平で賢明なご審議をしていただけるものと期待しております。









2025年10月16日木曜日

坂出市の弁明書に反論しました

 

こんにちは、日向です。


本日は、坂出市の情報開示請求についての続報です。


JR坂出駅前にツタヤ図書館を核とした複合施設を建設する件で1月に開示された情報に、一部不開示となっている部分についてもすべて開示してほしいという主旨で、不服を申し立てる審査請求を6月に行いました。


 
 それについて、担当課から「弁明書」というのが7月に送られてきておりまして、この内容に反論があるのなら、9月末日までに「反論書」を提出せよということでしたので、なんとか反論書を期日までに作成して総務部の情報公開担当課に送りました。

 本日は、その反論書を公開しておきたいと思います。

 詳しくは、この文末をお読みいただくとして、簡単に坂出市の弁明書についての感想を述べておきたいと思います。


 坂出市の市長部局が「非開示」とした理由としては、

・個人情報
・企業秘密
・「審議、検討等情報

―――の三点が主なもので、黒塗り公文書を出してくるときの定番理由といってもいいものばかりでした。
 
 個人情報だから出せない、企業秘密にあたるから出せない、率直な意見交換をしにくくなるから出せない――は、毎度毎度、その理由をコピベするだけで「不開示理由」にもなるし、審査請求された際の「弁明」にもなるというわけです。

 こう言ったら失礼かもしれませんが、この手の書面作成には、エーアイは必要ありません。この三つの文面をコピペするだけで必要事項がかけてしまう、誰でもできるお仕事です。

 開示決定に書かれた「不開示理由」には、具体的にどの部分がどの理由にあたるかの説明すらありませんでした。

 なので、反論するほうも、個別箇所を指定せず、弁明書にざっくりと反論できますので、わりとラクです。

 あとは、ざっとみていただければわかるように、そもそも担当課には、市民に新しい図書館を建設する事業を決めたプロセスを詳しく説明して、自分たちが決めた計画に対して理解を求めるつもりなど、微塵もないようです。

 なにを聞いても、ただ「今後も適切に進めて参ります」を延々と繰り返す、壊れたロボットを相手にしているような、いつものツタヤ自治体の“ディスコミュニケーション”を味わわせてくれます。

 では、反論文をどうぞ。




反論

2025930

  

                                     

   坂出市長殿

審査請求人 

      日向咲嗣    



               (連絡先 hina39@gmail.com





令和7813日付の弁明書に対して、次のとおり反論します。









 処分庁が今回開示した文書は、全面黒塗ページが多数あるため、上記の「個人情報」がどの部分を指し示しているのか判然としないが、公文書に、ただ個人の氏名が記載されているというだけでは、そのすべてが当該条例における「個人情報」として「非公開情報」にあたるわけではない。

 審査請求人は「市が開催したワークショップ等の参加者名」の開示など求めていないが、当該事業にかかわる行政サイドの人物の肩書・氏名は当然開示されるべき(公務員等の職及び職務の遂行に関する情報は不開示情報から除外されている)で「非開示情報」にはあたらないのは、自治体の情報公開に関係している者にとっては、「イロハのイ」である。また、当該事業の公募に参加した民間企業サイドに関しても、提案書等に記載されている業務を統括する(予定)の責任者については、秘匿されるべき「個人情報」にはあたらないのも、これまでの判例であきらかになっている。ゆえに、それらは、黒塗りせずに開示されるべきである。






 処分庁は、開示した公文書のなかから、いわゆる「企業秘密」にあたる部分を抜き出して「非開示情報」としたと解されるが、具体的にどの部分が、どのような理由で「企業秘密にあたる」かは、一言も説明しておらず、理由は依然として不明なままである。

 改めていうまでもないことだが、単に、法人の事業に関する情報が記載されているだけでは、それが無条件に「企業秘密にあたる」わけではない。判例では、「ただ漠然と競走上の利益が損なわれる恐れがある」というだけでは「企業秘密」とはいえず、個別の記載事項について、詳細に検討した結果、その情報を公開することによって、あきらかに当該企業の利益が損なわれると判定される箇所のみ「非開示情報」と認められている。


 長年、総務省で公共経営にかかわった後、東京都中野区や神奈川県平塚市等で情報公開審査会の委員を務めている神奈川大学法学部の幸田雅治教授は、「企業秘密」について以下のような見解を示している。



「競争上の利益というのは、本来、その企業が持つ独自のノウハウであり、ほかの企業にはマネのできない特殊なもののはず。それと認められる部分は、もちろん黒塗りするのはやむをえない。しかし、多くの場合、そういう独自の技術・ノウハウとはいえないものを、ただ漠然と『競争上の地位に影響がある』としていたりしますで、私が出ている審査会では、本当に企業秘密と言えるものなのかどうかをひとつひとつよく検討したうえで、そうでない場合は、全面開示すべきとの答申を出すことになります」 (日向咲嗣著『黒塗り公文書の闇を暴く』朝日新聞出版93ページ)


 坂出市情報公開審査会には、坂出市の公民連携課が非開示とした部分の法人情報について「企業秘密にあたる」とした理由を聴取し、場合によっては、その情報の当事者である企業にも聴取したうえで、どれが「法人の事業活動の自由や競争上の地位の保護を目的として、ノウハウに関する 情報や法人の事業活動が損なわれると認められる情報」にあたるかを精査していただきたい。

 法人の担当者の氏名については前述した通りである。




 上記で指摘されている、いわゆる「審議、検討等情報」が非公開となるかどうかは、以下の要素を考慮して個別具体的に判断されるものである。

(1)単に自由な意見交換が損なわれる可能性があるだけでなく、それが公共の利益と比較して看過できないほど不当であるかどうか


(2)単なる客観的な調査データなどは非開示に該当しない


(3)時間が経過して最終的な意思決定がなされた後については、「自由かつ率直な意見交換を確保するために必要」とは認められない


 坂出駅前に新しい図書館を建設する当該事業の計画はすでに決定されており、いまさら担当事業者の選定プロセスの情報が公開されたからといって、自由かつ率直な意見交換を確保しにくくなることは考えにくい。逆に、プロセス情報を秘匿することで、市民にいらぬ誤解を与えかねない。





 「加点の内訳や計算方法」が、何を意味するものか、いまひとつ判然としないが、もしこれらが当該事業者の選定にかかわる評価だとしたら、その採点方法についての情報がなにゆえ「非開示情報」にあたるのかが不明である。むしろ公正な審査が行なわれたことを示すためには、その採点方針に関する情報こそ包み隠さず開示されるべきである。

 また「他の地方公共団体の費用に関する情報が(非開示情報に?)該当し」というのも、意味不明である。

 坂出市の実務者たちがカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)運営の公共施設を視察した際に説明された指定管理料等の運営費に関する情報は、メディアでも報道されているのはもちろん、各地の視察団が作成した復命書等においてCCCから説明された内容として、多数ネット上に公開されている。

 それらの情報はすでに「公開情報」として扱われるべきものであり、条例に定められた例外的な非開示情報にはあたらないのは、改めて指摘するまでもないことである。







 各応募者に対する評価や企画提案概要が市のホームページで公開されているのだとしたら、「こちらを参照されたし」として、そのページのリンクを示すか、または、そのコピーを開示文書にも含めるべき(開示しているとしたら、開示文書名とページ番号を記載するべき)と思うが、なにゆえ、そうされないで、ここに「申し添える」とされているのか理解に苦しむ。坂出市の公民連係課は、市民に行政の施策に対する理解を求めようとする意識が極めて希薄か、その努力を著しく怠っているのではないのかと思わざるをえない。


 また、落選した各事業者名が開示されていないことことも、審査請求人にとっては、大きな不満である。もし、落選したことが世間に知られることでその企業が不利益を被る可能性があるという理由(これも企業の競走上の利益を損なうから?)によって非開示にされたのであれば、それも間違いである。前出の幸田教授は、以下のように述べている。


「不採用になったことが知られると、否定的な評価があったと噂されてデメリット生じるという理由で、落選企業の提案書が非開示になることが多いですが、ちゃんと検討すれば、ほとんどの場合、そういう論理は成り立ちません。なぜかというと、応募があった複数の事業者をどのように比較して選んだかを判断するためには、選定された事業者の提案だけでなく、落選した事業者の提案も公開しなければ判断できないというのがまずひとつ。もうひとつは、落選したという事実が公表されたからといって、そのことが具体的な損害に結び付くという証明は、そう簡単にはできないからです。

 具体的にどのような不利益が生じるのかということが示されないといけないのですが、ほとんどのケースではそれは証明できないのです。審査会まで行けば、こんな理由は成り立たない。少なくとも、私が手がけた自治体の審査会では、そのような非開示理由を認めたことはありません」(日向咲嗣著『黒塗り公文書の闇を暴く』朝日新聞出版9293ページ)








 当該事業は、「図書館建設に限定したものではない」とはいえ、地元メディアで「レンタル大手「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する図書館を核とする」(202496日付 朝日新聞デジタル) と派手に報じられことからもわかるように、ツタヤ図書館がコアになっている事業である。

 そして、CCCによる図書館建物の設計や運営についての提案が評価された以上(選定されたコンソーシアムのなかで図書館の実績があるのはCCCのみ)、そのことについて同社がこれまで各地で起こした不祥事等の悪評をまったくなかったこととして、坂出市の選定委員会が評価したことは、2013年の武雄市以来これまでの経緯を知るものにとっては、強い違和感を覚えるのは当然のことである。

 そのような審査請求人の疑念を公民連係課の職員が「妥当性を欠いている」ととらえているとしたら、それはおそらくCCCが自ら発信している広告宣伝要素の強い一方的な情報のみに偏った情報受信をしているためと思われる。そこで、2021年に熊本県宇城市に提出した審査請求書中のCCC運営に関する記載を本文末尾に追記しておく。


 なお、CCCを公共施設の運営者に選定した自治体においては、本件と同様の行政が出した黒塗り公文書について審査請求人をはじめとした市民から度重なる審査請求が行なわれており、それらの自治体においては、情報公開審査会が詳細に検討した結果「開示すべき」との答申が出されていることも付記しておく。

 たとえば、審査請求人が20216月に熊本県宇城市に行なった審査請求では、審査請求の手続きを行なったとたん実施機関は、審査会の答申を待たずして、CCCと競合した企業名の黒塗りを一部外した文書を開示し、また審査会の答申後には、黒塗りされていた選定委員に関する情報の大半が開示された。

 2017年にCCCを図書館の指定管理者に選定した和歌山市では、地元市民が翌年3月、黒塗りだらけの開示に対して審査請求を行ない、それまでほぼ全面黒塗り状態で開示されたCCC及び同社と競合したTRC図書館流通センターによる提案書について、その約8割の黒塗りがはずされた文書が開示されている。

 さらには、坂出市のお隣りにある丸亀市でも、20228月、CCCが運営するマルタスの運営費の内訳が「企業の競争上の利益を損なう」ことを理由にすべて黒塗りだったのが、情報公開審査会で審議された結果「すべて開示すべき」との答申が出され、運営費の詳細な内訳が市民に対して開示されることとなった。

 坂出市でも、情報公開審査会の委員の先生方には、必ずや、公正公平で賢明なご審議をしていただけるものと期待しております。




《参考情報》ツタヤ図書館誘致自治体における不祥事

(20216月に宇城市に提出した審査請求書より引用)


 本件の指定管理者に選定されたカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、2013年に佐賀県武雄市で公共図書館の運営を受託して以来、その運営手法の是非が、図書館界のみならず、広く世間一般で関心事になっているのは周知の通りである。


2015910日には、同社が、武雄市図書館の運営するにあたって、市場価値が極端に安いと思われるような中古図書を大量に系列企業から仕入れて図書館に配架していたことが発覚。この件では、増田宗昭社長自らの名前で書かれた謝罪文を自社サイトに掲載した。【※1


 また、同時期に同社の指定管理がスタートした神奈川県海老名市では、共同事業体を構成する業界最大手のTRC図書館流通センターの谷一文子会長(当時)によって、同社が導入した独自分類やその独善的運営手法が厳しく批判されるなどの問題が表面化しており、


以来、同社の図書館運営能力に関して疑問を抱く市民が続出し、武雄市だけでも住民訴訟2件、神奈川県海老名市でも住民訴訟1件、宮城県多賀城市では住民監査請求2件が提起されている。


201510月には、愛知県小牧市で同社に運営を委ねることに反対する市民が続出し、同社が提案する新図書館建設計画について住民投票が実施された結果、計画中止に追い込まれた。


2016年には、同社が図書館の空間設計から手掛けた計画が進められていた山口県周南市でも反対運動が起こり、住民投票実施をめぐって8737名もの有効署名が提出されたが、議会はこれを否決して世間的な批判を浴びた。



 そうしたなか、同社が参加した公共施設の指定管理者選定に対しては、世間的な注目度は非常に高く、選定プロセスが公正公平に行われたことを示す必要があるため、201712月に同社を市民図書館の指定管理者に選定した和歌山県和歌山市では、同社選定プロセスを詳細に開示した。


ところが、和歌山市が開示した文書は、黒塗りばかりで不開示が多かったため、市民が審査請求を行った結果、審査会において、昨年10月に一部開示命令が出されている。


201910月には、和歌山市内の会社経営者が、同社指定管理に決まった市民図書館建設に関係した公文書のほとんどを市当局が黒塗りで不開示としたことに強く抗議して、和歌山市長を相手取った国家賠償請求を提起している。


最近では、20209月、山口県宇部市において同社を運営者とした複合施設の計画が一度は採用されたものの、余りにも費用対効果が良くないとして、施設条例が市議会で否決されている。


以上のような経緯を知る者としては、今回宇城市が行った図書館と美術館の指定管理者選定プロセスについての情報開示は、2013年以来、日本全国で起きた、いわゆる「ツタヤ図書館問題」などまるで何もなかったかのような杜撰な対応であり、情報開示による事業の透明化を求める世間の流れと逆行しているといわざるをえない。











【※1CCCサイトに掲載された増田宗昭氏の謝罪文。現在は削除されている。