2019年5月28日火曜日

123億円はどこに消えたのか?

こんにちは、日向です。

和歌山市駅前に現在建設中の新しい市民図書館のオープンが当初の予定よりも大幅に遅れるのではないかとの情報が流れてきました。

和歌山市の正式な発表ではないんですが、地元メディアの報道が、いつのまにか「今冬オープン」から「今年度中」に変わっていますので、おそらく「来春オープン」ということになるのだろうと、勝手に予測しているところです。

それを受けて、ウォッチャーからは(遅れているのは)


「五輪の影響では?」

との声が出ていましたので、地元の人に聞いてみましたところ、


去年の台風被害の復旧工事がまだ終わっていないので、そちらではみなさん忙しいようですが、(再開発で忙しいとは)聞いてないですね。

とのことでした。

ご他聞に漏れず、和歌山市でも、市駅再開発の施工は、ゼネコン(竹中工務店、南海辰村建設、浅川組のJV)が受注しています。残念ながら地元業者は、蚊帳の外のようです。(5/29追記 浅川組は和歌山本社でした。失礼しました)

下請けで入るというのは、もちろんあるのでしょうけれど、内装を落札したのも南海電鉄の付き合いのある大手業者((株)スペース)なので、上からしたたり落ちてくる仕事は、少ないんだろうと思います。

勢い、ゼネコン頼みとなりますと、五輪の影響は避けられないところでしょうから、今回の遅れも、ゼネコン頼みのしわ寄せが来たということは、おおいにあるのではないかと思いました。

CCC仕様のTSUTAYA図書館は、テーブルやイスなど家具ひとつとっても、すべて特注品です。CCCの空間設計とデザイン料が載ってますので、委託料金はバカ高いのに、専門業者に発注されて、地元には仕事はほとんど来ないという、おかしなことが起きてしまいます。

周南市では、「地元業者に発注しないのはおかしい!」と、議会でやり玉にあげられましたが、和歌山では、そういう議論すら、市議会でこれまでありませんでした。

一般質問でどなたかが「地元業者にも発注するようにしてもらいたい」と市長に気弱に要請しただけだったみたいです。

でも、最初に、市駅再開発が「総事業費123億円」と、聞いたときには、おそらく、市内の施工業者の方もおおいに期待したんじゃあないかと思いますね。

2014年8月に、ハコモノ大嫌いの前市長から、“アベノミクス万歳”の現市長に変わったときには、地元の業者さんたちも、集票マシンとしてフル稼働されたんじゃあないかと思います。それが、まさか、ここまで酷いとは思いもしなかったはず。


CCCだけにカネが落ちるシステム


となると、あとは“賑わい創出”に期待するしかないですが、

「関西初出店のツタヤ図書館!」としてオープン直後は「〇か月で100万人達成!」とか、また無料宣伝記事があふれるでしょうけれど、

これまでの事例をみていれば、来館者が駅前周辺商店街を回遊するなんてことはなくて、駅ビル直結の施設で、スタバのコーヒー片手に、空箱のダミー眺めながら雑誌をパラパラめくるだけで終わる危険性大ですね。

その結果、「CCCだけが儲かる」という実に珍妙な現象が起きてしまうかもしれません。

多数の来館者がカネを落とすのは、蔦屋書店のグッズとスタバの飲食くらいでしょう。図書館機能のほうは、これまでの事例をみる限り、相当に悲惨なことになるのは、目に見えていますね。

それでいて、市内の老舗書店が立ち行かずに廃業したり、多賀城のように図書館がヤンキーのたまり場になったりしますと、心ある利用者は、みんな逃げてしまいます。

幸い、和歌山市には、県立図書館がありますので、落ち着いて図書館を利用したい人は、そちらに移るのではないでしょうか。

総事業費123億円、補助金総額64億円、公金94億円、和歌山市民負担34億円、指定管理料年3億円という、莫大なおカネがCCCとそのお友達たちにザクザクと流れてはいきますが、和歌山市民には、ほとんど還元がないとしたら、本当にバカげたプロジェクトではないでしょうか?

そういえば、昨年、延岡市では前市長が落選しましたし、周南市でも先月、前市長が落選しています。どちらもCCCを誘致した市長です。

市長選では、ツタヤ図書館は争点にすらならなかったと記憶していますが、おこぼれにすらありつけなかった地元業者の不満が相当にたまっていたのが、この結果につながったのではないでしょうか。

そういう意味では、今後は、海老名市等、ほかの自治体の市長選も、その推移を見守りたいですね。

では、また。

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