2022年12月17日土曜日

疑惑の報告書は、何故開示されたのか？（1）～木更津市議会の爆弾質問～

 

こんにちは、日向です。



にて、公開しました木更津市のCCCによる調査報告書の件、


予告しました通り、この文書が開示されるまでの経緯をメモしておきたいと思います。




まず、木更津市が市民交流センターの基本計画・基本設計の策定事業者にCCCを選定したという発表を知った10/31に


すぐ担当課である市民活動支援課に電話をして、ことの経緯をお聞きしました。


その際に、１次審査通過者にのみ送られた疑惑の資料をみせてほしいとお願いしてみましたところ、


それは難しい


と言われていました。


理由としては、


まちづくり木更津が中心市街地活性化の一貫として、事業者に発注して行なった調査であり、一般に開示することを前提にしていない資料のため


市民交流プラザの募集募でも、募集資料には含めず、１次通過者だけに送付した



ということでした。特に明確な理由というのは、この時点ではまだなくて、「役所のサイトで一般公開することを前提としていない資料だから」という、ぼんやりした理由でした。



ただ、明確に出せないとまではおっしゃってなくて、これは、まちづくり木更津がいいといえば、出すんだろうなと、漠然とですが、受け止めていました。


そこで、後日、連絡が取れた、まちづくり木更津の担当者（木更津市からの出向職員）に、この報告書をみせてほしいとお願いしてみたところ、


それは出せない


――とのことでした。このときに、疑惑の報告書作成には公金が入っているのでは？とお聞きしたところ


総務省の「中心市街地活性化ソフト事業」の特別交付税措置を受けている


ことがわかりました。


https://www.chisou.go.jp/tiiki/seisaku_package/pdf/3-5.pdf　より







で、その後は、疑惑の報告書の開示については、担当課もダメと言ってますし、肝心の提案者である三セク（まちづくり木更津）もダメと言っている以上、これはなかな難しいなぁとおもっていたんですね。



とはいえ、これ、私のいつもの手法なんですが、情報を開示できないと役所が言ってきたことは、正式にその回答をもらって、役所は頑なに開示を拒否している姿勢を浮き彫りにしておきたいんです。


そこで、CCC（TSUTAYA）が景品表示法違反で消費者庁から、2019年2月に一億円の課徴金を課せられたことを知ってましたか？という質問を追加でするとともに、


あの報告書は、どうしても開示できないんですか？　総務省の特別交付税交付金の措置を受けている事業なのに、開示できないのはおかしいですよね？


ということを、まちづくり木更津と担当部署に再度要請していた次第なんです。



すると、それから二週間くらいあとのこと。しつこく電話しているうちに、11月の終りくらいになると、


わかりました。一度、正式に検討してみます


と担当課（市民活動支援課）の方がおっしゃったんです。対応の変化ではありますけれど、どうせ、のらりくらりで時間稼ぎするだけなんだろうと思ってましたところが


12月の2日のことでした。なかなか、つかまらない担当者に、検討していただましたか？とお聞きしましたら


明日の金曜日か、来週月曜日には、ご返事できると思います


そう、ハッキリおっしゃったんです。


しかし、5日の週明けになっても、連絡はありませんでした。


そこで担当課にメールを出しまして、ご回答はこちらにお願いしますと、お伝えしたのが12/6日火曜日こと。


その後も電話連絡はしましたが、担当の方はつかまらず。ああこれはやっぱりダメなんだな。正式に開示不可の返信ぐらいくれてもいいのに。


そう思っていたら、13日の火曜日になって、突然


メールにて開示します


とご返信がありまして、翌14日水曜日、一次通過者にのみ送られたとされる疑惑の報告書が三本に分割されてメールで送られてきたという経緯でした。





なんで、こんな細かいことを、いちいち記憶をたどって書いているかといいますと、この間にいったい役所内で、なにが起きたんだろうと不思議に思ったからでした。



当初、けんもほろろに、開示できないとしていた文書が、あとからやっぱり開示します、というような出来事というのは、ほかのツタヤ自治体ではまずありえません。


全面まっ黒く塗り潰したり、都合の悪い箇所は、いつのまにか廃棄したりした文書は、別ルートから流出してくることはあっても、役所が再度開示してくるなんてのは、和歌山市のように3年もかけて情報公開審査会の答申でも経ない限り、ありえません。


それを急遽開示してきたのには、何か特別な理由があるのだろうと思うんです。




しばらくして、ひとつ、その大きな理由がわかりました。


下をみてください。木更津市の田中のりこ市議が、14日に市庁舎整備特別委員会で、資料を指し示しながら、こんな質問をしていたんです。


田中のりこのブログ　より



これは、一般社団法人令和2年度まちづくり木更津　事業報告書です。

マーカーの部分をごらんください。

⇒カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社：駅周辺庁舎整備における「附帯する複合施設」の役割、必要な機能、配置の提言

※市民インタビュー、市民・高校生ウェブアンケート等

と記載があります。

つまり、令和2年度には、別団体とはいえ、副市長も役員である一般社団法人の事業で、カルチュア・コンビニエンス・クラブは、庁舎の附帯する複合施設はこんなのがいいですよと提言していた。

そして、今回、市民交流プラザの公募型プロポーザルをやったら、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が代表構成員、（株）船場も構成員として選考された。そして、船場といえば、庁舎整備支援業務委託の事業者です。

まったく、出来レースではないかと市民に聞かれたら、なんと答えたらいいでしょうか

（田中のりこのブログ　　http://tanaka-noriko.sblo.jp/article/189990032.html　より）


私とまったく同じ問題意識を持った方が、木更津市議会にもいらっしゃって、ズバリ、これって出来レースでは？というニュアンスの厳しい追及をされいたんです。



田中市議は、


2年も前からこんなのがいいと提言した事業者と、庁舎整備の支援業務をしている事業者が選考されるのは、公募型のプロポーザル（恣意的な評価になりやすい）のデメリットでは


ないかと指摘しているんです。



なるほど、14日にあったこの質問が、もし事前通告されていたのだとしたら、その前の週から、担当課の対応がガラリと変わってきたのも、このせいか。


このこともあって、疑惑の報告書を開示さぜるをえないところまで追い込まれていたのかなと思いました。


あるいは、また別の事情との合わせ技によって、もうこれ以上は突っ張れないと判断したのでしょうか。


市民交流プラザに限らず、木更津市では、これまで出来レースを疑われるような事業者選定の案件であっても、情報開示を適切に行なってきているとは到底言えませんでした。


どうせバレないんだから、何やってもいいんだよ


とまではさすがにいかないとしても、それに近い感覚で、事業者との癒着が当たり前に横行する、腐敗した市政の実態が露わになっていたのではと思いました。

そうしたなかでも、一切、忖度しない議員さんがいて、いきなり核心に切り込んできたことに、周囲は、アゼンとしたのではないでしょうか。


もちろん、理由はそれだけではないと思います。もうひとつ、疑惑の報告書を開示せざるをえなかった出来事があるのではとみています。


長くなりましたので、このつつぎは、また別のエントリーに書きます。


よろしくお願いいたします。


疑惑の報告書は、何故開示されたのか？（2）～千葉県と総務省も慌てた木更津市の隠蔽体質～　へつづく


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