さきほど、和歌山市談合事件の後編がビジネスジャーナルでリリースされました。
ツタヤ図書館建設で談合疑惑、和歌山が入札偽装か…情報開示請求に“黒塗り”回答
今回の記事では、先週公開した記事の背景を詳しく解説しています。
注目していただきたいのが、前回公開した開示資料の一つ前のバージョン
昨年12月17日付で開示された5枚の落札調書です。
「南海市駅前再開発に関連して、和歌山市が報告を受けた南海電鉄とRIA及びその関連企業との契約に関するすべての文書」
というような内容で、昨年11月6日に和歌山市民の方が請求して、12/17に出てきました。
文書の宛名がない、作成者名もない、決済印もない、日付もない、この手の文書に最低限必要な予定価格とか、落札率とか、契約日などの欄が何もない、という実に怪しい文書でした。
私への1400枚の開示文書で全面黒塗りであったものが、ここでもし開示されたのだとすると、議員さんから要請されたり、公取に告発するぞと言われたり、今後住民訴訟等に発展する可能性などを考慮して、少しずつ市の対応が変わってきたのだろうと推察されます。
事実、この後2/4に、前回掲載しました「必須事項一覧バージョン」が開示されています。
さて、この文書には、すでに以下のような不可解な点が見つかっています。
《3社の入札について》
・5件の指名競争入札業者各3社は全て同じではないか。
・2社はRIAに最低金額を提示させるための隠れ蓑ではないのか。
・指名しながら2社を黒塗りにしたのは、南海電鉄・県・市とつながりがある企業だからではないか。
《記載内容の矛盾について》
・「資金計画作成業務委託について」及び「基本設計業務委託について」には、次の記述がある。
「最低金額を提示したアール・アイ・エーに業務委託するのが適当である」
この記述では、お伺いをたてているのか、文書を作成したところと業務委託を決定するところが異なる組織のようにとれる
ところが
・「実施設計業務入札結果について」には
「株式会社アール・アイ・エーに発注した」
となっていて、こちは、お伺いをたてておらず、自ら決定している。
・「工事整理業務 見積比較」には、「発注額」の欄に「(株)アール・アイ・エー」と「報酬額」等の記述がある。当文書作成段階では、少なくとも発注先は決定されてると考えられる。
・「権利変換計画作成業務 見積比較」には、「発注額(予定)」となっている。発注には至ってないが、決定前の段階にあることが分かる。
ということは、この文書を作成したのは、
(1)資金計画と基本設計については、入札は終わったが契約はこれからのとき
(2)実施設計は、既に発注済み
(3)工事監理は、発注先決定
(4)権利変更計画作成は、発注先決定したが、発注には至っていない
契約日はわかりませんので、あまり意味はないのですが、入札日だけはわかるので、この情報を、先週公開した最終バージョンの開示情報にあてはめてみると、以下のようになります。
(1)資金計画と基本設計→2016年8/1、8/15以降
(2)実施設計→2017年2/1以降
(3)工事監理→2017年8/4以降
(4)権利変更計画作成→2016年9/21以降
別々の時期にバラバラに報告された文書を
ひとつにまとめて開示したということが言えるのではないかと思われます。
さて、今回の記事で、最も注目していただきたいのが、再度市民の方が開示請求のために市役所に足を運んだときの担当者の対応です。
「1月18日に市政情報課に行くと、開示申し出書を書いてほしいと言われたので、それを書いて出しました。しかし、担当部署には『RIAの落札情報が詳しく書かれた書類がないので、新たに作成したメモのようなものしか出せない』と言われました。このとき、よく覚えているのは、対応してくださった担当部署の責任者の方が極度に緊張しているのか、口元がガタガタ震えていて、もう尋常でない様子でしたね」(市民団体メンバー)
みなさん、見逃すかもしれないので、しつこく引用しておきます。
「このとき、よく覚えているのは、対応してくださった担当部署の責任者の方が極度に緊張しているのか、口元がガタガタ震えていて、もう尋常でない様子でしたね」
どうして、たかだか行政文書の開示請求を受けただけで、市の職員がそこまで緊張するのでしょうか?
議員さんから「公正取引委員会に告発する」とか「適切に開示しないと、住民訴訟に発展する可能性がある」などと詰め寄られたからでしょうか?
もし、そうだとしたら、やはりなにかこれ以上調べられたら困ることが隠されているのではないかと思いました。
これまでの記事→和歌山連載の目次2/24更新
0 件のコメント:
コメントを投稿