1/15にリリースされた
ツタヤ図書館が目玉の和歌山市駅前再開発、94億円の税金投入…疑惑浮上
の続編がさきほどリリースされました。ツタヤ図書館建設でCCCと和歌山市に癒着疑惑浮上…コンペ前から内定で計画進行か
前編では、国土交通省のキャリア官僚と結びついた尾花市政によって、図書館を目玉にした市駅前再開発プロジェクトに94億円もの公金(うち補助金は64億円)が注ぎ込まれることを明らかにしましたが、
ナゾだったのがこれほどの巨額プロジェクトの絵を描いたのは、いったい誰だったのかという点でした。
今回の後編では、そのへんを解明しています。
ネタバレになってしまいますが、陰の主役は、RIAでした。
RIAは、CCCのフラッグシップともいえる代官山蔦屋書店の設計を手掛けた会社なんですが、和歌山市の再開発プロジェクトには早くから食い込んでいました。
2014年からはじまった和歌山市が和歌山県と南海電鉄との三者で話し合う「南海和歌山市駅周辺活性化調整会議」(調整会議)がスタートしてまもなく参加していたことがわかっています。
調整会議がスタートしたのが2014年6月です。RIAはその翌月の第四回以降すべての会議に出席しています。
建設コンサルタントがどういう資格で出席しているのでしょうか? 南海側の代理人なのか、それとも和歌山市が依頼したコンサルとしてなのかが不明です。
どちらにしろ、公共プロジエクトに参画するわけですから、なんらかの手続きを経ていないと、
「お友達を呼んできたの?」といわれかねません。
そのあたりについては、少し長いですがBJで昨年10月に発表した記事を引用しておきます。
RIAが基本設計者となった不透明な経緯
さて、ほとんど黒塗りされていた1400枚の会議資料のなかでも、わずかに読める部分のデータをつなぎ合わせて詳細に分析したところ、このプロジェクトが明らかに普通ではないと思われる箇所がいくつか見つかった。
まず、調整会議の場に14年の第4回めから早くもRIAが出席していることである。調整会議は、公的な補助金を受ける南海電鉄が市と県にプロジェクトの進捗状況を毎回報告して、重要なことについては両者に承認を得る仕組みになっている。
したがって、南海がもし設計業者にRIAを選定したのだとしたら、その経緯を市と県に報告しているはずだが、開示文書の読める部分には、その点の記載がない。巨額の税金が投入されているプロジェクトにもかかわらず、南海はコンペも行わずに決めたのだろうか。
南海電鉄に確認したところ、複数社から見積もりをとった結果、RIAを基本設計者に決定したのは16年8月だという。それ以降なら、南海側の代理人として三者会議にRIAが同席していてもおかしくはないが、駅前再開発のプロジェクト全体について話し合いを始めようという14年7月に、早くもRIAが出席しているのは不可解だ。
その点を和歌山市都市再生課に確認をしたところ、驚くべきことが判明した。
筆者は、RIAが契約を結んでいたのは、てっきり施主の南海電鉄だと思い込んでいたが、基本設計を手掛ける前は、和歌山市が直接RIAと委託契約を結んでいたのだ。
市関係者がこう漏らす。
「総額328億円の和歌山市再開発計画全体について、資金計画の算盤を弾いたのはすべてRIA。そのうえで、基本設計、実施設計、施行監理と、一連の流れをすべて一括でRIAが担うことになっていた」
そうだとしたら和歌山市は、再開発コンサルタントにRIAを選定した経緯をどこかで発表しているはずだが、筆者が調べた限りでは、そのような発表はどこにも見当たらなかった。
さらに、再開発計画全体をRIAが担当したとしたら、設計事業者にもRIAが選定されるプロセスは公平性が担保されていないのではないか。この点を精査すべく現在、RIAとの契約について和歌山市に情報開示請求をしているので、詳細がわかり次第、報じる予定だ。
和歌山市、他県のツタヤ図書館を運営事業者コンペ前に視察…出来レース疑惑、文書を廃棄
注目していただきたいのは、以下の記述です。
「筆者は、RIAが契約を結んでいたのは、てっきり施主の南海電鉄だと思い込んでいたが、基本設計を手掛ける前は、和歌山市が直接RIAと委託契約を結んでいたのだ」
この内容は、私の憶測ではなく、和歌山市担当部署の人の発言内容をそのまま書きました。ところが、後から判明したのですが、結果的に、この記述は間違いでした。
この件について情報開示請求をすると、「和歌山市は、RIAとは直接契約を締結していない」との回答が返ってきたのです。
じゃあ、誰が市民図書館を市駅前にもってくる計画を立案したのかというと、RIAなんですね。でも、市はRIAとは契約していないと。
そんなバカな話はないですよね。
そこで表にでてきたのが国土交通省でした。
市が再開発計画の調査報告を業務委託したのは、国土交通省の外郭団体である全国市街地再開発協会でした。
で、その調査報告の作成者は、同協会の下請けに入ったRIAだというんですね。まことに珍妙な理屈ですね。
要するに市の担当者が「市が契約しているのはRIA」と、勘違いするくらい、当初からRIAがこのプロジェクト全体を差配していたということなのでしょうか。
でも、そうなると、単なる下請けのRIAが調整会議に出てくることはありえなくなってきます。だって、市はRIAに仕事を依頼していないのですから。
そこで再度出てくるのが再開発ビルの施主となる南海電鉄とRIAの関係です。
以前にもこのブログで取材メモを全文公開したように、南海電鉄は、RIAと基本設計の契約を交わしたのは2016年8月だと回答しています。調整会議は、それよりも2年も前のことですよ。2年間は「無資格」で会議にRIAを出席させていたのでしょうか?
そこで再度、南海電鉄に問い合わせてわかったのが、南海電鉄は、2014年度中にRIAとは別の契約をしているということ。
最新記事から引用しておきましょう。
驚くべきことに同社は、市の計画実務を作成する一方で、同じ14年に南海電鉄のコンサルティングも担当していたことがわかった。名目は「プロジェクトの調整支援」(南海電鉄・施設部)だという。
ということは、RIAは、下請けとは言え、ほぼ同じ時期に、同じプロジェクトで自治体と民間企業の両方でコンサルタント業務を行なっていたことになります。
世間では、こういうのを「利益相反」というのではないでしょうか?
RIAは、和歌山市民がトクする計画を建てたのでしょうか。それとも南海電鉄がトクする計画を立てたのでしょうか。
南海電鉄が巨額の補助金がもらえて、なおかつ駅前に「100万人来客する関西初のツタヤ図書館」を誘致する計画は、いったい誰の利益を最優先に考えて立てられたのでしょうか。
ようやくこの事件の核心部分がみえてきました。
64億円の補助金と図書館を施主の南海電鉄から30億円で買取るスキームにより実現した
総額94億円もの公金の使途がこんなに不透明なのは、ありえないし、あってはならないことです。
今秋、「素晴らしい市民図書館ができました」と和歌山市とCCCはアピールするでしょう
しかし、公金94億円のプロセスをすべて開示しないと、依然として、プロセス真っ黒な「図書館計画」であることに変わりはありません。
①つたや+スタバは品川区大崎西口にもありました。昨年末に閉店しています。②武雄市でツタヤを導入したのは樋渡氏が市長の時ではないですか?小学校でも民営化で「花まる学習塾」を導入しています。③東京都の入札は登録業者であることが参加条件のはずです。
返信削除教育行政では、適応指導教室の業者丸投げ、事務・主事職の民間丸投げが進んでいます。事務主事職を請け負う会社は図書館と同じで教育とは全く関係のない聞いた事もないような小規模の個人会社で電子入札で、登録者を空きの出た学校に派遣する人材派遣でピンハネで利益を出しているようです。
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