2024年12月17日火曜日

和歌山市が新施設で“CCC選定”を隠す理由

 

こんにちは、日向です。


先日、和歌山市民の方から


新しくできるコミュニティーセンター(コミセン)の指定管理者にCCCが選定されたらしい


という情報を教えていただきました。


すでにターミナル駅前にある市民図書館を運営している同社が、いまさら街の小さな公民館の運営に乗り出すなんてことがあるのかなぁ、もしかして図書館のついでに市内の公民館も全部CCCにやらせてTSUTAYA公民館化を推進するつもりなのかなぁなんて思いまして、ネットでググったりしてみても、これという情報が出てきませんでした。


唯一みつかったのが、以下のページでした。


https://www.city.wakayama.wakayama.jp/jigyou/1012938/1013706/1060627.html より


 来年1月に完成予定の西コミュニティーセンターの運営を担当する指定管理者を募集していて、その候補者(議会承認を経て決定)として11月に選定されたのが「ぶんきょうの杜舎」という団体でした。しかし、選定結果のところをクリックして出てきた文書も、採点結果のみで、CCCの社名はどこにもみあたりません。


あれれっ、これはガセネタか?と一瞬疑ってみたものの、よくよくみると、選定されたのは複数事業者によって構成されているコンソーシアムの団体名であり、その構成企業はどこにも書かれていませんでした。


そこでこの団体名で検索してみると、あっさり出てきました。CCCの社名が。






この情報は、市のサイトではなく、選定された団体の構成企業の一社がフェイスブックで自社が選定されたことを報告しているページでした。そこにクッキリと「ぶんきょうの杜舎」のメンバーとして「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」という社名が明記されていたのです。ちなみに、この大揚興業という社名を聞いて、すぐにCCCとの関連を思い出しました。2019年12月からCCCが市民図書館の指定管理者として運営を開始した当初、公益施設棟内にある駐輪場の運営管理を担当していたのがこの会社でした(駐輪場の管理はのちに他社に変更)。


光熱費の支払い金額の内訳欄の「大揚興業」は、駐輪場の指定管理者であり、「まちなみ景観課」は、そこを管轄する和歌山市の部署である。


つまり、地元企業3社と一緒になってCCCが「ぶんきょうの杜舎」というコンソーシアムを組んで、新たにできるコミセン(西コミニティセンター)の指定管理者に選定されていたわけです。


それにしても奇妙なのが、和歌山市の指定管理者発表のページには、その選定された事業体の構成企業の名前が一切出てこないことです。建物の施工などで、数社によって構成されるジョイントベンチャー(共同事業体)が選定される際には、当然、その構成企業名も発表されるのがふつうです。最近でしたら、PFI事業で選定されるコンソーシアムも、その構成企業が必ず明記されているものです。


なのに、構成企業がどこかも一切あかさずに、今回コンソーシアムを結成した際に命名された団体名のみを発表するというのは、あきらかにヘンです。


その点を情報公開を担当する総務部の市政情報班に問い合わせてみたところ「担当課の判断によって、単に選定された団体名のみ公表しただけではないか」とのこと。こういうことは(構成企業を公表しないこと)一般的ではないのではないのか?との疑問にも「共同事業体が指定管理者に選定されるケースはあまりないので、なんとも言えないが、別におかしいとは思わない」との見解を示しました。


これは、私の少しうがった見方かもしれませんが、一昨年に住民監査請求が出されて以来、ただでさえCCCと市の癒着が囁かれているなかで、新しいコミセンの管理運営もCCCに任せたとなると、市民の反対の声が再燃しかねない。なので、できるだけCCCの名前は隠しておきたいという心理が働いたのかなぁと思いました。


そんななか、ある関係者から、以下のような情報を教えてもらいました。


https://www.city.wakayama.wakayama.jp/jigyou/tosikeikakuseibikaihatu/1042193.html より




これ、和歌山市が2022年4月に発表した内容で、今回CCCが参画するコンソーシアムが受託した西コミセンをこれから整備するにあたって、まずは民間事業者にその施設の活用方法などを提案してもらっていたんですね。


で、この企画提案者のなかに、しっかりと「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」の名前がありました。企画提案とは言っても、ただ事業者からの意見を聞くというだけで、特定企業の提案を採用するというようなものではなくて、担当課に確認すると、最近よくあるカジュアルに民間の意見を聞く「サウンディング市場調査」みたいなものでした。


この情報は、私の検索スキルが劣っているからかもしれませんが、ふつうに「和歌山市 コミュニティーセンター」のキーワードで検索しても出てきませんでした。「整備」の言葉を入れるか、または「企画提案」を「募集」していたことを知っている人でないと、たどりつけない情報でした。


これをみて、なるほど、これは、CCCがいつもとっている手法だということがわかりました。すなわち、新しく建設される予定の施設について、その設計段階から関与して、自分たちの思うままの施設を自治体につくらせる手法です。


調べてみると、整備予定の西コミセンは、小さな公民館ではなく、延床面積が約2000平米の3階建てで、同じCCC管理施設の延岡市エンクロス(1,659.54㎡)より大きな施設なんですから、千葉県木更津市などCCCがいま全国各地で展開しようとしているTSUTAYA公民館のひとつとして数えられるような施設であることがわかりました。


で、ここからがさらに不思議なんですが、2年半前に、事業者からの企画提案を募集してからの事業のプロセスが市のサイトでは、まったく追えなくなっていました。数か月前に公表したはずの、指定管理者募集要項すらすでに削除されていて、市民がみれるのは、西コミセンの指定管理者が「ぶんきょうの杜舎」というナゾのコンソーシアムに決まったという情報だけです。


和歌山市のように、情報公開に極端に消極的な自治体というのは、事業の決定プロセスがわかるような情報を残さず、用が終わったら次々と削除していきます。詳しく知りたかったら、そのつど情報開示請求をして市民に余計な費用と手間暇かけさせるという“障害”を意図的に設けているのではないかって、いつも思いますね。


早速、担当課である生涯学習課に問い合わせてみましたが、ご担当の方は、2022年に事業者からの企画提案を募集して以降の経緯については、把握しておらず、前任者に聞かないとわからないとの回答でした。これから確認してもらって、後日、再度お聞きする予定なので、またわかりましたらご報告したいと思います。


指定管理者決定までのプロセスについては、おそらく、事業者の企画提案を募集した後、その提案内容を整理して発表されていたり、また一方で市民の意見を聞くパブリックコメントを募集したりして方向性を決めたあと、基本計画や基本設計を策定し、最後に指定管理者の募集という流れになるんだろうと思います。


もしかしたら、最初から「新しいコミセンはCCCにやらせる」という結論ありきで、その結論に向けて、この2年間さまざまなことが水面下で進められてきたのかもしれません。


それから、もうひとつこれはもう和歌山市がCCCを選定する際の恒例行事のようになってしまいましたが、指定管理者の決定についての教育委員会の議決を経て市議会へ上程するという手続きにも、おかしなことが散見されます。長くなりましたので、このつづきは、別のエントリーを立てて解説したいと思います。


よろしくお願いいたします。



アエラドットで新刊の紹介記事が少し前に出たとき、この記事がしばらくニュースランキング1位になっていました。



「黒塗り公文書」の闇を暴く (朝日新書) 新書 – 2024/10/11 日向 咲嗣 (著)



2 件のコメント:

  1. 代表者として据えられている角野寛典(かどのひろのり角野教育グループKEG)は
    ムーディー勝山みたいな顔の男で
    可能な限り従業員の給料を低く抑え、
    「いまお金がないんや、すまん」
    といって延々と支払いを遅らせます。
    (サイコパス的な言動も見られます)

    城のようなムダに大きい家には
    岡山ナンバーのベンツ・アウディ・レクサス・ボルボ・センチュリーを並べていました。
    (2022年撮影のgooglemapの画像ではなぜかアルファード一台だけが写っています。)

    極端なケチでありながら高級車が好きで、
    乗用車のメンテナンス・修理を削り、ガッタガタの状態で乗ります。

    十数人のスタッフがタイミングを合わせ一気に辞める(アクティブマドリードに移る)というクーデターが15年ほど前にありました。

    上昇志向と自己顕示欲にあふれる男ですが
    能力が今ひとつ追いついておらず、
    人望にも欠ける男です。

    仕草も不自然で会話も噛み合わないことがあり
    脳梗塞を患ったことが影響しているかもしれません。

    他にも色々お粗末なハナシがたくさんあります。
    (❤人の誕生日にバラの造花をプレゼントして彼女の不興を買い、あちこちで言いふらされています)

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    1. コメントありがとうございます。もし、さしつかえなければ、さらに詳しいお話をお聞かせください。右上のメールアドレスまでご連絡いただけましたら幸いです。

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